エネーボの味の特徴と味に飽きた時の対策
2017.11.13
エネーボ配合経腸用液は、2014年から発売されている栄養剤です。
1缶に250ml入っていますが、これで300kcalの栄養を摂取できます。食事で十分な栄養を摂取できない方にとっては効率よく栄養を摂取する手段の1つになります。
また栄養剤の中でも新しいエネーボは、他の栄養剤(エンシュアやラコールなど)と比べて、
- たんぱく質の比率を増やす事で筋肉量低下を防ぐ
- 食物繊維を配合する事で下痢の副作用を軽減する
- セレン、モリブデン、クロムなどを配合し、超微量元素の欠乏症を防ぐ
といった工夫がされており、多くの利点がある栄養剤になります。
しかしエネーボには欠点もあります。その1つが「味の種類が少ない」という事です。味の種類が少ないと患者さんは飽きてしまい、毎日飲むことが出来なくなってしまいます。
エネーボにはどのような味があるのでしょうか。また味に飽きてしまった場合にどのような対策が考えられるでしょうか。
ここではエネーボの「味」について詳しく紹介させて頂きます。
目次 [隠す]
1.エネーボにはどのような味があるのか
エネーボ配合経腸用液は、栄養が十分に摂取できない方に対して処方される栄養剤です。
栄養剤は、患者さんによっては長期間飲み続ける事もあるため、なるべく飽きがこないようにしたいものです。しかしエネーボは現時点ではまだ1種類の味しかありません。
ほとんどの栄養剤は飽きがこないように数種類の味が用意されており、エネーボのように1種類しか味がない栄養剤はあまりありません。この味の種類の少なさはエネーボの欠点の1つです。
ではエネーボはどのような味なのでしょうか。
エネーボは、
- バニラ味
の1種類のみしかありません。
実際に飲んでみると、確かにバニラの味は感じます。
ただバニラアイスのようなスッキリした味ではなく、甘ったるいバニラの味といった感じです。また「薬っぽい味がする」とおっしゃる方もいらっしゃいます。
ちなみにエネーボはアボットジャパン株式会社が発売している栄養剤ですが、同社は他にも、
- エンシュアリキッド(1986年発売)
- エンシュア・H(1995年発売)
の2つを発売しています。エネーボはこれらの後に発売された栄養剤になりますが、このエンシュアリキッドとエンシュア・Hにもバニラ味はあります。
どのバニラ味も使っている香料は同じであり、似たような味がします。ただし栄養剤としての濃さが異なるため、飲み心地は異なります。
2.エネーボ以外の栄養剤の味は?
味が1種類しかないのがエネーボの欠点ですが、では他の栄養剤にはどのような味が用意されているのでしょうか。
Ⅰ.エンシュアリキッドの味は3種類
エンシュアリキッドはアボットジャパン株式会社が発売している栄養剤で、1缶250mlで250kcalが摂取できます。
味としては、
- バニラ味
- コーヒー味
- ストロベリー味
の3種類があります。
Ⅱ.エンシュアHの味は6種類
エンシュアHもアボットジャパン株式会社が発売している栄養剤で、1缶250mlで375kcalが摂取できます。
味としてはエンシュアリキッドと同じ、
- バニラ味
- コーヒー味
- ストロベリー味
に加えて、
- メロン味
- バナナ味
- 黒糖味
の合計6種類の味があります。
ちなみにエンシュアHはエンシュアよりも1.5倍多く栄養が含まれているため、その分味が濃くなっています。
具体的にはエンシュアの粘度は約9cPであるのに対して、エンシュアHの粘度は約17cPです。cPは「センチ・ポアズ」という粘度を表す単位で、数値が大きいほど粘度が高い事を表しています。
エンシュアHのそれぞれの味の特徴としては、次の表が参考になります。

(参考資料:アボットジャパン株式会社「エンシュアH 味の特徴チャート」より)
Ⅲ.ラコールの味は4種類
ラコールNF配合経腸用液は大塚製薬株式会社が発売している栄養剤で、1パウチで200mlのものと1バッグで400mlのものがあり、1mlで1kcalが摂取できます(200mlであれば200kcal)。
味としては、
- ミルク味
- コーヒー味
- バナナ味
- コーン味
の4種類があります。
全体的にエンシュア・エネーボよりも甘さや粘度が抑えられているのが特徴です。
3.エネーボの味に飽きてしまった時の対処法
エネーボは味が「バニラ味」の1種類しかないというのが欠点です。1種類しか味がないと、飽きが来やすいという問題があります。
元々食欲が低下している方が服用するわけですから、味に飽きてしまうと「もう飲みたくない!」となってしまいやすくなります。しかし飲んで頂けないと栄養状態は更に不良となってしまいます。
このような場合はどうすればいいのでしょうか。
エネーボの味に飽きてしまった際の対策について紹介します。
Ⅰ.エネーボをアイスやプリンにしてみる
エネーボを使って、アイスやプリンなどを作ってみると食感が変わります。するとおいしく食べられるようになる事もあります。
調理をする手間がかかってしまいますが、飽きが来てしまった方には良い方法です。
ちなみに料理サイトとして有名な「クックパッド」で、
と検索すると、様々な工夫を凝らしたレシピが出てきます。
みなさん、色々工夫されているのが分かりますね。
Ⅱ.一部を他の栄養剤に置き換えてみる
エネーボは他の栄養剤にはないメリットがいくつかありますが、しかし毎食がバニラ味ばかりだとイヤになってしまいます。
このような場合は、エネーボを1日1回は服用するけど、それ以外はエンシュアやラコールのバニラ以外の味にしてみる、という方法もあります。
エネーボとエネーボ以外の栄養剤を両方使ってはいけないという事はありません。両者を併用するメリットがあるのであれば併用してみるのも手です。
バニラ味が続くと「甘ったるい」と感じる事が多いため、
- コーヒー味
- コーン味
など甘さが控えめなものを併用するのがお勧めです。
Ⅲ.食事は食べれないか?
エネーボのような栄養剤は、あくまでも栄養摂取の補助に過ぎません。
「食事」として摂取できない分を、エネーボのような栄養剤で補っているのです。そのため、もし食事が摂取できるのであればそれに越したことはありません。
バニラ味ばかりで飽きてしまうようであれば、普通の食事を少し取れないかを改めて検討してみましょう。