ロゴス文明とホロス文明

ジェームズ・ラブロック氏のガイア理論では、地球は、“ひとつの生命体”であり、地球に存在するすべての物質や生命は、相互に結びつき、関係し合っている。というような考え方を提唱しています。

提唱された当初は、多くの学者たちから強烈な批判を受けました。
しかし現在では、ほぼ定説として認められています。

物質も生命もすべてが結びつき合っているということを、言い換えるなら、天地同根万物一体であるという点は、最新の量子物理学の枠組みにおいて、説明可能であることがわかってきています。

ですから、私たちが時折感じることのできる、気の合う仲間たちとの一体感、あるいは、大自然に囲まれたときに沸々と湧いてくる動植物たちとのつながり感は、スピリチュアルな幻想に過ぎないのではなく、科学的に説明できるリアルな現象と言えます。

さて、この一体であるはずの地球を、その構成員でありながら、崩壊させつつあるのが、私たち人類です。

こうした警鐘もまた、つい最近までは、“極端なエコロジー思想にとりつかれた人々のたわ言に過ぎない”と無視したり、バカにする人がほとんどでした。

しかし、もはや、一般人でさえ、なんか地球環境、まずいことになってきてるぞ・・・!という実感を禁じえないほどの状況にまで来てしまったように思います。

そして、従来の考え方、生き方を続けるわけにはいかなさそうだと、誰もが明確に自覚しつつあります。

現在、私たちは、社会や精神の新たな進化が求められる岐路に立っているわけです。

アヴィーン・ラズロ氏によれば、現在の私たちは、進化か絶滅かという地球規模の転換点=マクロシフトに近づきつつあると述べています。

そこで、ラズロ氏は、望ましい社会の進化の方向性として現在の権力と征服を重視する「ロゴス文明」(理性重視文明)から、個人の成長と、人間のコミュニティと生物圏の持続可能性を核とした「ホロス文明」(全一性重視文明)への移行を提唱しています。

ホロス文明は、既にその芽が大きく成長しつつあります。

そして、この文明をリードしているのが、例えば、社会学者のポール・レイ氏が消費者調査に基づいて提唱した文化的創造性を持つ人々(Cultural Creatives)であり、日本なら、消費社会研究家の三浦展氏が命名したシンプル族だと言えるでしょう。

ホロス文明の主役になるであろう彼らは、現在は依然として周辺部にいる人々であり、決して主流派ではありません。

しかし、消費動向において、明確な徴候を捕捉できるくらいの規模までじわじわと増えてきています。

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