コメの用途

■コメの用途が拡大。日本発、カフェインレスの「玄米コーヒー」。
 健康意識の高い人の間で、今、新しいタイプの健康飲料として注目されているのが「玄米コーヒー」。“コーヒー”と名乗っているものの、カフェインはゼロ。コーヒーのような香ばしい味わいと、コメならではのほのかな甘さが特徴のお茶で、玄米を遠赤外線でじっくりと焙煎し、黒焼きの粉末状にしたもの。この、植物などを丸ごと黒焼きにして食し、そのパワーを体内に取り入れるという用法は、古くから日本の民間療法として行われてきました。

 黒く煎られた玄米は黒褐色の粒に変わるとともに、栄養成分も変化します。この粒の黒さは、“コゲ”ではなく、玄米中のアミノ酸と糖が熱により反応を起こして新たな物質となったもの。玄米には、食物繊維やビタミン(B1、E、B6)をはじめ、カルシウムやマグネシウムといったミネラルなど40種以上の栄養素が含まれていますが、黒焼きにすることで、新たに玄米ポリフェノールが追加されます。同時に、“炭化”され、“食べる炭”と称されるほど極めて強い吸着力を腸内で発揮。油や老廃物を吸着して外に出してくれるデトックス効果や美肌効果が期待できます。

 製品としては、インスタントコーヒーの要領でつくる“粉末(スティック)タイプ”や、水に浸して水出し玄米コーヒーもつくれる“ティーバッグタイプ”。そして、挽いた玄米をコーヒーフィルターに入れ、お湯を注いで抽出する“ドリップタイプ”があります。お好みで、牛乳や豆乳、ハチミツ、黒糖などをプラスするなど楽しみ方はいろいろ。

 玄米は、もみを取り去っただけの精米前のコメで、白米に対して黒米(くろごめ)などと呼ばれます。そして、コーヒー豆やコメが、産地(銘柄)によって味に個性があるように、玄米もコメの産地ごとに酸味や甘みの強弱など、味わいが異なります。

 食品スタートアップのMNHでは、北海道産ゆめぴりか、山形県産つや姫など、12銘柄のコメ、それぞれの玄米でできたコーヒー「玄米デカフェ」(100g/780円前後)を展開。

 コメ加工のビーエムステーションでは、無農薬栽培の玄米を8~12時間焙煎させた「ぶらうんかふぇ」(80g/1080円)を販売。スティックタイプなど、4種類の商品を展開。米国にも輸出しています。

 お茶でも、コーヒーでもない、玄米だけでできたカフェインレスの玄米コーヒーは、妊娠中や授乳中の方やお子さんでも安心して飲むことができるとあって需要も拡大傾向。年々消費が縮小している、コメの、もう一つの用途としても期待が高まります。

※参考:

MNH            https://www.mnhhappy.com/
ビーエムステーション    https://bms-g.com/
日経МJ(2022年10月3日付)

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