好きなこと

レポート 「好きなこと」で年商1,000万円を突破した9⼈の裏話 を⼿にしていただ
き、ありがとうございます。
あなたが、今このレポートを読んでいるということは、
・「好きなこと」や「得意なこと」を仕事にしたい
・オンラインでビジネスを展開したい
・会社とは別の収⼊源を作り上げたい
・取り組んでいるビジネスを年商1,000万円にしたい
といったことを考えているのではないでしょうか?
もし、そうであるならば、このレポートは、あなたにとって⼤きなプラスとなるでし
ょう。なぜなら、これから紹介する9⼈は
・「好きなこと」や「得意なこと」を仕事にし
・オンラインでビジネスを展開し
・会社とは別の収⼊源を作り上げ
・取り組んでいるビジネスを1,000万円にした
という、あなたが求めるものを、ちょっとだけ早く⼿にした9⼈だからです。
改めまして、こんにちは。⼩⽟歩です。
少しだけ⾃⼰紹介をさせてください。
私は新卒でキヤノンマーケティングジャパン株式会社に⼊社をしました。⼀般的に
「そこそこ良い会社」に分類されるような会社だと思います。ですが、どうしても仕
事が退屈でワクワクしない、そしてもっとお⾦を稼ぎたいという思いから、⼊社5年
⽬に副業でネットビジネスを始めました。
ある⽇、その副業が会社にバレてクビになります。副業がバレてクビというのは、お
おげさに聞こえるかもしれません。ですが、その時点ですでに副業で稼ぎ出した⾦額
は1億円を超えていたのです。そりゃあ、おおげさにもなりますね。この経験は『ク
ビでも年収1億円』というタイトルで書籍を出版させていただき、ありがたいことに
シリーズ累計15万部となりました。
クビになった時にはすでに⾃分の会社を作っていて、気がつけば11期⽬。現在は、フ
ロントラインワークスというビジネスコミュニティを主宰し、個⼈がオンラインで収
⼊を得るためのサポートをしています。
さて、⼀般的に「好きなこと」や「得意なこと」を仕事にするなんて話をすると「夢
みたいなこと⾔っているんじゃないよ」とか「あれはインフルエンサーのような⼀部
の特別な⼈間だけができることだよ」などと⾔われてしまうかもしれませんね。
しかし、僕はそうは思いません。
「夢みたいなこと」でも何でもなく、今の時代であれば実現可能であるからです。
このレポートは、「好きなこと」や「得意なこと」を仕事にしている⼈が、本当に存
在しているんだよ、ということをあなたに伝え、そしてリアリティを持ってもらうた
めに書き上げました。
何事も、リアリティは⼤事です。これまでは「夢のようなこと」だったとしても、リ
アリティを持った瞬間に、夢から⽬標へと変わります。
周りが⾔うように夢をボンヤリと夢のまま追いかけても、たどり着くことはないでし
ょう。しかし、それが「現実的な⽬標」になってしまえば、あとはそこに向かうだけ
です。ですから、ぜひリアリティを持ってほしいと思います。
これから登場する9⼈を紹介させてください。

  1. 「旅するバスケコーチ」がオンラインビジネスでNo.1に!年商1億円を達成でき
    た背景には、顧客の気持ちに寄り添う情熱があった
  2. 普通の主婦が⽉収190万円を稼ぐ!シングルマザーが成功した秘訣とは?
  3. 展⽰会で売れないならオンラインで売ればいいじゃん!年商1,700万円を実現した
    画家が伝授するブレイクスルーのポイントとは?
  4. 会社員歴20年の主婦がパソコン時短術の販売で独⽴!⽉110万円を稼いだ秘密を
    全部お伝えします
  5. 元・不良中学⽣がネットで年商9,000万円!失敗を乗り越えてたどり着いた
    「Webライター」の世界とは?
  6. オンラインで着付けの先⽣なんてできるの?たった1⼈で年商50万円を1,800万
    円に増やした秘策を伝授
  7. 英語リスニング講座で⽉50万円の利益!ベテラン英会話講師が⾒出した「オン
    ライン講座で成功するための教訓とは?
  8. 3ヶ⽉で利益100万円!58歳サラリーマンが語る、転売ビジネスの副業を成功さ
    せるマインド
  9. アスリート育成事業で年商3,000万円!苦難の⽇野の先にあった「引退後のアスリ
    ートの価値を⽣かすビジネス」とは?
    ご覧の通り、性別も年齢もジャンルもバラバラの9⼈です。
    彼ら彼⼥らが、何もないところから、どうやって「好きなこと」や「得意なこと」を
    仕事にし、収⼊を得られるようになっていったのか。9⼈それぞれのストーリーをお
    楽しみください。
    そして、レポートを読み終えた時には、あなたが「現実的な⽬標」へと向かうための
    情熱を⼼に灯していることを願っています。
    「旅するバスケコーチ」がオンライ
    ンビジネスでNo.1 に!年商1 億円
    を達成できた背景には、顧客の気持
    ちに寄り添う情熱があった
    フロントラインワークスで学び、オンラインビジネスで成功した⽅を紹介する
    本レポート。1 ⼈⽬は、バスケットコーチの中川直之さんをご紹介します。中
    川さんは、学⽣時代と実業団時代を通じてバスケ⼀筋という本物のアスリート
    です。現役引退後は、会社勤めに⽣きがいが感じられず、副業での成功を⽬指
    すようになります。そこで選んだ道が、全国を旅しながらバスケの個⼈レッス
    ンをするビジネスでした。いまでは教材DVDの販売やオンラインサロンな
    ど、バスケットをテーマとするコンテンツで国内トップクラスの成果を上げて
    います。成功の影にはどんな苦労やマインドがあったのか、豊富な体験談を交
    えて語っていただきました。
    中川直之
    バスケットコーチ
    中川さんはどのくらい稼いでいる?
    ーー⼩⽟:中川さんはバスケットでビジネスを展開しています。もともと選⼿
    として活躍されたあと、現在はオンラインでバスケを教える事業を展開してい
    ますから、今⽇はバスケの選⼿としてではなく、経営者としてこの場にお越し
    いただきました。
    スポーツの話がもちろんメインなんですが、まあビジネス対談ですから、どう
    してもお⾦の話を出さざるをを得ないわけで、そのあたりは許していただけれ
    ばと思います。
    これから中川さんの⼝からお⾦の話がたくさん出てくると思うんですが、「あ
    いつ、スポーツマンのくせして⾦儲けに⾛ってやがる」なんて⾵には思わない
    でください(笑)。で、どのくらい稼いでいるんですか?(笑)
    中川:いま⼩⽟さんに前置きしていただいたように、僕はあくまでビジネスと
    して、⽣きて⾏く⼿段として⾃分の事業をやってますので、もちろん数字には
    こだわっています。正直にお伝えすると、売り上げは年商1 億を達成しまし
    た。
    この1 億円という数字はですね、⽇本のプロバスケット選⼿がもらっている年
    俸の中で、⼀番⾼い⾦額と同じなんですよ。僕の場合は競技ではなくビジネス
    ですが、「バスケが好きで得意だ」という点では、トッププロと同じ⼟俵に⽴
    っているわけです。なので、ビジネスのフレームは違いますが、やっぱり⼀番
    になりたいし、トップの選⼿がもらっている1 億円という⾦額は、⾃分のビジ
    ネスでも絶対に超えていきたい数字だと考えています。
    収⼊の核は、バスケのレッスン動画とオンラインサロン
    ーー⼩⽟:なるほどね。じゃあ中川さんは、その1 億円という売り上げをどう
    やってつくっているのだろうと、この対談を⾒ている⼈は思うはずですね。そ
    の話をしていただけますか?
    中川:「バスケットのビジネスで1 億円稼いでいる」と⾔われても、なかなか
    イメージが湧かないと思いますが、確たるやり⽅があるんです。
    まず、⾃分の好きなことや得意なことに関するノウハウを教材にします。例え
    ば動画データだったり、マニュアルだったり、⾳声だったりと、形は何でもい
    いんですけど、その教材を売れやすい形にして販売するんです。DVDや、動画
    レッスンが⾒れるサイトなどをつくって、それをお客様に配布するというシン
    プルなビジネスです。
    ただ、いま僕が稼いでいる⼿段の中で、収⼊のメインになっているのは「オン
    ラインサロン」なんです。最近は国内外でオンラインサロンが⼤流⾏していま
    すが、その「バスケ塾版」を運営していて、そこでの収益が⼀番増えていま
    す。
    ーー⼩⽟:⽉謝とか会員数はどのくらいですか?
    中川:⽉額で5000 円いただいてます。会員数は、のべ1650 ⼈くらいで、現
    在アクティブな会員数は600 ⼈ですね。バスケットのオンラインサロンとして
    は、⽇本最⼤規模だと思います。そのサロンでは毎週1 本ずつバスケに関する
    動画をあげて、それを⾒た会員さんから寄せられる質問や疑問をサポートする
    と⾔う形で運営しています。
    ーー⼩⽟:いま読者のみなさんの頭の中では、きっと計算機がカタカタ動いて
    いると思いますよ(笑)。「5000 円×600 ⼈×12 か⽉だから……◯◯万円
    か!」って(笑)。
    スポーツ系のオンラインビジネスが伸びないのは、「⾃動
    化」ができていないから
    ーー⼩⽟:バスケだけじゃなくて他のスポーツも同じだと思いますが、コロナ
    禍の中で、なんとかオンラインで稼げないかなと考えている⼈はたくさんいる
    はずです。いままではオフラインでスクールや個別レッスンをしていた⼈たち
    が、オンラインでビジネスを成功させたいと頑張っているわけですが、現実に
    は⼤半の⼈がうまくいっていません。
    なぜうまくいかないのか、中川さんが感じていることはありますか?
    中川:ビジネスのやり⽅について理解が⾜りないんだと思います。スポーツ選
    ⼿やスポーツインストラクターがやれるビジネスって、地場で教室を開いて、
    地元の⼈たちを相⼿にスポーツを教えるというのが⼀般的でした。でも最近は
    コロナの影響で、Zoom などを使ってサポートするのがオンライン化だと思わ
    れています。でも、それだけでは全然オンラインビジネスじゃないんですよ
    ね。
    オンラインでお客様と向き合って、⾊々サポートするようなビジネスは、結局
    は⾃分の時間を割いて、価値を提供しているだけなんですよ。時間を費やして
    価値を提供している点では、対⾯だろうがZoom だろうが同じことなので、ビ
    ジネスとして成⻑していかないんですよね。
    僕がいまやっているビジネスは、その点が全然違います。ネット上に⾃分の持
    っているノウハウや価値をコンテンツとして提供して、⽣⾝の⾃分とは別の⾃
    分が24 時間年中無休で提供し続けている状態です。
    会社は、⾃分の戦場ではない
    ーー⼩⽟:中川さんが、DVD販売とかオンラインサロンといった現在のスタイ
    ルでビジネスを始めたのはいつ頃からですか?
    中川:5、6 年前からです。ただ、社会⼈1 年⽬から「⾃分で何か事業をやり
    たい」と考えていました。その時はまだ実業団の選⼿だったんですよ。⾃分の
    未来のことを考え始めたのは、引退した31 歳くらいの頃です。
    私はスポーツの世界で⽣きてきました。なので、毎⽇会社に⾏ってデスクワー
    クをしていても、あまり魂が燃えないというか、どこか物⾜りないというか
    ……いったい何のために仕事をしてるのかって悶々としていましたね。「この
    まま普通に仕事を続けていても、絶対勝てないな」って。
    ーー⼩⽟:スポーツが体に染み付いているせいか、仕事でも⽬の前の⼈たちに
    勝ちたいという気持ちが強いんだね。
    中川:はい。なので、「⾃分が戦うべき場所はここじゃない」みたいな、ちょ
    っと違うフィールドで相撲を取っている気がして。未来に対する明るい⻘写真
    が全然描けなかったんですね。それだったら、いまとは違う未来をつくるため
    に⾏動を起こさなきゃと、いまにいたる迷⾛が始まりました(笑)。
    会社員を捨てて選んだ道は「バスケットインストラクタ
    ー」
    ーー⼩⽟:選⼿を引退した後、会社員⽣活をどのくらい続けてたの?
    中川:ちょっと⾊々なことが重なって、結局すぐに辞めました。で、⾃分の半
    ⽣を振り返ってみたら、得意なことってバスケットしかないなと思って。だっ
    たら、⽇本全国を旅して各地でバスケットを教えようと考えたんです。
    実際、会社員時代にも知⼈にバスケを教えてすごく喜ばれた経験があったんで
    すよ。それで「これってもしかしたら、バスケを習いたい⼈って⽇本中にいる
    んじゃないの?」と思うようになって。バスケを習いたいと考えている⼈に直
    接会いに⾏く「バスケットインストラクター」をやったら⾯⽩いんじゃないか
    なって思いついたんですね。
    ーー⼩⽟:でも、「⾃分、バスケのインストラクターやってます。誰かバスケ
    を習いたい⼈、いませんか?」って、どうやって発信したのでしょう。
    中川:書店で起業の本を⽴ち読みしていたら、「情報発信の⽅法は、SNS、ブ
    ログ、メルマガの3 つがある」と書いてあったんですよ。じゃあ僕もとりあえ
    ずやってみようと思って情報発信を続けていたら、「あなたのバスケに対する
    考え⽅は⾯⽩い。こっちにきてバスケを教えてください」と初めて申し込みが
    あったんです。それを出発点にどんどん情報発信を広げていった感じですね。
    ーー⼩⽟:メルマガとかブログって、初めは何を書いたらいいかわからない⼈
    が多いと思うんですよ。中川さんはどうでしたか?
    中川:正直⾔って、僕も誰かに向けて⽂章を書くなんてやったことがなくて。
    なので、とにかく⾃分のバスケットのノウハウなんかを書いていたんです。た
    だ、書き慣れてないので、⽂章は稚拙でした。
    読者の⽅から「あなたの⽂章は、読んでいてすごく頭の悪さが伝わる」とコメ
    ントをもらうこともあって(笑)。たしかに当時の⽂章を読むと全然イケてな
    いんですが、下⼿でも情報発信を続けたことは良かったですね。
    集客のために、1⽇中プッシュ営業の⽇々
    ーー⼩⽟:そうやって「全国どこでも⾏ってバスケ教えます!」と情報発信を
    続けてたら、「ぜひこっちに来てください」って申し込みがたくさん来たと。
    中川:いやあ、それがですね、あんまり来なかったんですよ(笑)。でも売り
    上げを⽴てないといけませんから、受け⾝で待っているのをやめて、こっちか
    ら話を持ちかけたんです。もう会う⼈全員に⽚っ端から営業したんですよ。
    「バスケット、習いませんか?」って(笑)。
    電話からLINE、SNSのダイレクトメッセージまで、あらゆる⼿段を使って連
    絡して、本当に1 ⽇中プッシュ営業してましたね。
    ーー⼩⽟:「しつこく営業して嫌がられたらどうしよう……」って思いません
    でした?
    中川:もちろん思いましたが、そこは⾔葉を⼯夫して乗り越えました。例え
    ば、「息⼦さんもそろそろ⼤きくなられた頃ですね」みたいに、バスケとは関
    係ない話題で親近感を持っていただいてから本題を切り出すんです。そうやっ
    て⾟抱強く営業していると、1 ⽇に1 ⼈くらいは興味を⽰してくれる⼈が⾒つ
    かりました。
    初めてもらった報酬は「2時間1000円」
    ーー⼩⽟:そのバスケ指導の料⾦はいくらでやってたの?
    中川:すごく安くて、2 時間1000 円でやってました。でも、2 時間という条件
    はあってないようなもので、何時間教えても1000 円しかいただきませんでし
    た。時給換算だと500 円未満です(笑)。
    なぜそこまで安くしたかというと、バスケットって⽇本ではまだまだマイナー
    スポーツなので、僕みたいに個⼈指導でお⾦をもらうことをよく思わない⼈が
    多いんですよ。
    最初の頃なんて、⽇本バスケ界のトップの⽅から、「バスケットの個⼈指導で
    お⾦取るなんて、お前バスケをなめてんのか!ボランティアでやれよ」と対⾯
    で批判されたこともありました。その時は、⽬線をそらして「すみません、承
    知しました。もうやりません」ってやりすごしましたが(笑)。
    とにかく⽇本のバスケ界では、フリーランスのコーチが、バスケの個⼈指導で
    お⾦をもらうなんて⾔語道断だった。なので、⾼いレッスン料をもらう勇気が
    なかったんです。
    ーー⼩⽟:じゃあ、初めてお客様からお⾦をいただく時は、ちょっと緊張した
    んじゃない?
    中川:はい。最初にお⾦をいただいた時は、⼿が震えてました(笑)。両⼿で
    受け取った千円札1 枚が、すごく重たく感じましたね。
    ーー⼩⽟:いまはどうなの?1 億稼げるようになっちゃったから、千円札1 枚
    なんて何も感じないかな?(笑)
    中川:いやいや(笑)。むしろ、いまのほうが重たく感じますよ(笑)。
    交通費節約のアイディアがきっかけで、「旅するバスケコ
    ーチ」爆誕
    ーー⼩⽟:その「バスケの個⼈指導、2 時間1000 円」っていう商品はあまり
    にも安すぎるので、どこかで価格を上げないと⽣活できなくなるよね?
    中川:はい。交通費を含めると完全に⾚字です。当時の僕がどういう遠征をし
    ていたかというと、地元の⼭⼝県で教えたら、翌週は東京で教える。次の⽇は
    東北まで新幹線で出かける。そんな感じであちこち⾶び回ってました。
    現場に⾏ってみたら、⽣徒さんが5 ⼈しかいなくて5000 円しかもらえなかっ
    たとします。でも交通費は往復3 万円かかったので、2 万5000 円の⾚字……
    みたいな、⾮常に効率の悪い遠征を繰り返してたんです。
    さすがにこれはまずいと思って対策を考えているうちに、47 都道府県にお客様
    をつくって、1 か所ずつ順繰りに遠征していけば、無駄な交通費を節約できる
    とひらめいたんですよ。
    ⼭⼝からいきなり東北に遠征したりするから、膨⼤な交通費がかかるわけで。
    ⼭⼝から広島、広島から岡⼭というように、隣接する県を移動しながら教えて
    いけば、新幹線を使わずに在来線やバスで移動できます。すると、1 回の交通
    費は1000 円ほどで済みますから、報酬を1 万円もらえれば利益は9000 円に
    なる。それを30 ⽇間続ければ、⽉の利益が30 万円くらいになるわけです。
    ーー⼩⽟:じゃあ、当時は家にほとんど帰らずに、1 年中全国を遠征していた
    わけだ。まるで「旅するバスケコーチ」だね(笑)。個⼈レッスンは毎⽇申し
    込みがあったんですか?
    中川:それなら嬉しいんですが、お客様の都合でキャンセルになったりして、
    予定が毎⽇埋まることはなかったです。特に、⾃分がインフルエンザにかかっ
    たときは困りましたね。レッスンには当然⾏けないので、お客様にはお詫びを
    してキャンセルするわけです。
    ⾃宅のベッドで寝ていると、猛烈に不安な気持ちが湧いて来て……。天井を⾒
    上げながら「やばい、売り上げが⽴たない。キャンセルしてお客様の信頼も失
    った。このまま俺、死ぬのかな……」みたいにすごく落ち込みました。
    要するに、僕がやっていたことは、ビジネスとしてとても脆弱だったんだと思
    います。いま思えば、ただの⾁体労働でしかなかった。遠征の仕⽅を⼯夫して
    交通費の問題がクリアできても、全く先が⾒えませんでした。なので、「こん
    なこと、いつまでも続けられない。早く⾒切りをつけないとダメだ」と焦って
    いました。
    コンテンツビジネスとの出会いで、⼈⽣が180度変わった
    ーー⼩⽟:その壁をどうやって乗り越えたの?
    中川:⼩⽟さんに教えていただいた「コンテンツビジネス」を始めたことで、
    壁を越えることができたんです。
    たまたま僕の知⼈が⼩⽟さんのコミュニティにいて、「⾃分がいまやってるビ
    ジネスは、⼩⽟さんに指導してもらった内容だから、興味があるなら中川君も
    ⼊ったら?」と誘われて、フロントラインワークスに⼊会したんですよ。その
    3 ⽇後に⼩⽟さんと直接話せる機会があって。
    ーー⼩⽟:それ覚えてる。中川さんに「こういう⾵にコンテンツをつくって売
    ってみたら?」みたいなアドバイスをしたんですよ。そしたら中川さん、その
    ⽇のうちにDVDの撮影をしてたよね(笑)。
    中川:はい。その⽇はお昼に恵⽐寿で⼩⽟さんに会って、アドバイスをいただ
    きました。で、オフィスを出たその⾜で、東京駅から新幹線で北九州の⼩倉ま
    で帰り、夜の6 時には撮影を始めて9 時には撮り終わってました(笑)。
    ーー⼩⽟:頭おかしいよ(笑)。
    中川:撮影が終わったらすぐにPVをつくり、セールスレターも書いて、商品
    の形にして販売したのが翌朝7 時です(笑)。ボールをうまく扱えるようにな
    るための「ハンドリング」の技術を教える教材で、価格は1 万円に設定したん
    ですが、なんと公開した1 時間後の8 時には1 本売れてしまって(笑)。初⽇
    で10 本、トータルで200 本も売れました。
    それまでの⾃分は、「お⾦というのは、汗をかいてしっかり頑張った時にもら
    えるものだ」と考えていたんです。なので、コンテンツをつくってオンライン
    で販売したら、あとは黙って待っていれば売り上げが⽴つという経験⾃体が新
    鮮で……本当に⼈⽣が変わった瞬間でしたね。
    スポーツ系教材の売れ⾏きは、プロモーション動画の良し
    悪しが影響する
    ーー⼩⽟:この対談を⾒てる⼈の中には、「中川さんと同じように、⾃分も得
    意なことでDVDをつくった。でも全然売れないぞ!」という⼈が必ず出てく
    ると思うんです。たった1 ⽇でつくったバスケの教材DVDが、200 本売れて
    200 万円になった。その理由は何だったんだろう?
    中川:お客様が本質的に何を求めているのか、どんな悩みを抱えているかをし
    っかり把握して、そのお悩みを解決するコンテンツをつくったからだと思いま
    す。
    ーー⼩⽟:どんなやり⽅で撮影しようとか、バスケのどういう技術を解説しよ
    うかとか、そのあたりのアイディアはすぐに浮かんだんですか?
    中川:これまで全国各地で個⼈レッスンをしてきたおかげで、バスケがうまく
    なりたいと思っているお客様がどんなことを求めているのか、僕なりに理解し
    ていました。レッスンの中で、僕が実際に教えた内容で、特に評判が良かった
    技術は頭の中にインプットされているので、東京から⼩倉に帰る新幹線の中で
    書き出しました。そしたら、まあまあいいコンテンツができたので、そのまま
    すぐに撮影したわけです。
    ーー⼩⽟:セールスレターも書いたんでしょ?
    中川:書きました。でも、それまで書いた経験がなかったので、いまが100 点
    だとするなら15 点くらいの内容でしたね(笑)。ただ、その商品ではセール
    スレターの⽐重は⼩さくて、プロモーション動画をうまくつくれたのが成功の
    要因だったと思います。僕が実際にバスケをしているプロモーション動画な
    ら、「この⼈、できるな」ってお客様にすぐ伝わるじゃないですか。それもセ
    ールスに貢献してくれたんだと思います。
    ーー⼩⽟:スポーツのコンテンツの強みはそこだよね。実際に動いている様⼦
    を⾒れば、うまいかどうか⼀⽬瞭然ですから。「この⼈がつくった商品なら間
    違いないな」と思ってもらえれば売れるよね。
    中川:そうですね。ただ、売れた要因はたぶん他にもあって。例えば僕はメル
    マガもこつこつ書いてたんですね。メールアドレスのリストが800 ⼈分くらい
    あったんですよ。最初の教材も、たぶんその⼈たちが買ってくれたんじゃない
    かなと思います。
    Facebook広告の運⽤に成功し、年商1億円の世界へ
    ーー⼩⽟:とはいえ、年商1 億円ですよ。たしかにDVDはたくさん売れまし
    た。でも、そこからどうやって1 億になったの?
    中川:Facebook広告で集客⼒を⾼めたおかげだと思います。⼩⽟さんが開催
    したFacebook広告講座で、広告運⽤のコツを教えてもらったんですよ。その
    コツを実践した結果、⼀気にコンテンツビジネスが加速していきました。
    Facebook広告を使えば、バスケに興味のある⼈をどんどん集めて来てくれる
    わけです。僕の場合、すでに売れた実績のある教材を持っていますから、
    Facebook広告で集客するだけでどんどん売れていきましたね。
    あとは、同じような形でしっかりセールスを繰り返していくことが肝⼼です。
    「こういう商品が売れるんじゃないか」とか、「こういうメッセージを受けた
    ら共感してもらえて、商品が欲しくなってもらえるんじゃないか」とか、そう
    いう「当て勘」みたいなものが、ある程度パターン化したセールスを重ねてい
    くことで鍛えられました。
    ⽇銭を稼ぐと、⾃分の価値が下がる
    ーー⼩⽟:ここまでのお話だと、コンテンツ販売を始めてからは、つまずくこ
    となく稼げるようになった印象を受けます。苦労したこととか、壁に当たった
    ことはあったんですか?
    中川:実はあるんですよ。教材をつくって広告を回して売るというパターン化
    したビジネスばかりしていると、ちょっと不安定になることがあるんです。例
    えば広告だって、ずっと平均的に集客してくれるわけじゃない。変動してがく
    んと下がることもありました。
    すると、「ずっとこのパターンでビジネスを続けていても、スケールしないの
    では?」と、弱気の⾍が湧いてきたんです。それである時、こっそりバスケの
    個⼈レッスンを再開したんですよ。レッスンなら確実に売り上げが⽴ちますか
    らね。
    そしたら、⼩⽟さんにひどく叱られまして(笑)。「なんで⽇銭を稼ぐような
    ことをしてるんだ!」って。いまはオンラインで物を売ってるんだから、そこ
    は⻭⽌めをかけないといけない。じゃないと、⾃分の価値がどんどん下がって
    しまうよと指摘されたんです。雷に打たれたような衝撃でしたね(笑)。
    ーー⼩⽟:それって当たり前のことなんだよね。1 万円でバスケの教材DVD
    を売ってるのに、⽣⾝の⼈間が出張レッスンしちゃったら意味ないでしょ?
    中川:本当にそうなんですよね。でも、そのことを最初に⾔われたときは、
    「なんでここまで強く批判されるんだろう」と正直感じたんですよ。
    僕はバスケの個⼈指導でビジネスを始めましたから、僕から直接バスケを習い
    たい⼈がいるなら、そこに⾏って教えてあげるのがなぜダメなんだって。
    でも冷静に考えてみると⼩⽟さんの指摘はもっともで、「商品の価値って、こ
    ういう⾵に考えるのか!」と気づかされました。⾊々なビジネスをたくさん経
    験されて、知識も豊富な⼩⽟さんから⾒たら、僕がやっていることは「価値の
    不均衡」そのものなんだなって。
    国内最⼤級のスポーツ系オンラインサロンを開設
    中川:コンテンツ販売の他に、僕のビジネスを加速してくれたのが、オンライ
    ンサロンです。ただ教材を売るだけじゃなくて、⾃分とお客様の間に境界線を
    引いて、「こちら側にに来てくれたら、バスケについてもっともっと深い情報
    を提供しますよ」と集客していきました。このオンラインサロンのつくり⽅
    も、2017 年頃に⼩⽟さんから教えていただきました。
    ーー⼩⽟:その当時、スポーツをテーマにしたオンラインサロンで数百⼈規模
    の会員がいるのって、完全にフロントラインじゃない?
    中川:超フロントラインでしたね。スポーツ界では前例がなかったと思いま
    す。そのサロンを開く時に、「⽉額5000 円のオンラインバスケ塾を開きま
    す!」って宣伝したものの、前例がありませんから期待してなかったんです
    ね。でも第1 期の募集だけで465 ⼈の⽅に⼊会していただきました。
    ーー⼩⽟:サロン開設直後で、いきなり465 ⼈?やばっ!(笑)
    中⾝のないスポーツ系オンラインサロンが多いという現実
    ーー⼩⽟:最近でこそ、オンラインサロンを始めるスポーツ選⼿がたくさん出
    てきましたよね。その中には、あまり有名な選⼿じゃない⽅のサロンもあっ
    て。で、そういうサロンの会費は、⾃分の価値に⾃信がないからか、⽉額
    1000 円とかに設定しているんですよ。なのに10 ⼈くらいしか集まっていない
    ケースが結構あります。
    なぜだろうと考えると、肝⼼の中⾝がスカスカなんだよね。「このコンテンツ
    じゃ、1000 円だって⾼すぎるよ」っていうひどいサロンがあるんです。
    そこで中川さんにうかがいたいのは、スポーツ系のオンラインサロンを始めた
    い⼈たちが成功するためには、どんなことが必要だと思いますか?
    中川:オンラインサロンと⾔っても、本質はビジネスです。なので、とにかく
    お客様を理解することがすごく⼤事ですね。お客様の悩みを解決できるコンテ
    ンツをしっかり届けられることを情報発信して、理解してもらい、納得の上で
    購⼊していただくという視点が、オンラインサロンにも不可⽋だと思います。
    成功するスポーツ系コンテンツは、「機能」と「感情」を
    共に満たしてくれる
    ーー⼩⽟:スポーツ系のオンラインサロンについては、僕がずっと思っている
    ことがあって。ちょっと厳しいことを⾔うようですが、スポーツ系のサロンを
    開いている⼈たちの中には、⾃分の価値を過⼤評価している⼈がいるんです
    よ。
    例えば、「僕と⼀緒に◯◯の試合映像を⾒れる権利!」みたいなものを販売し
    ているのを⾒ると、「それ、誰もいらない!選⼿としてのあなたに、そんな魅
    ⼒や価値はあるの?」と残念に思うことが結構あります。もちろんその⽅の⼤
    ファンなら買うでしょうが、超メジャー選⼿でもないのに、「僕と⼀緒に◯◯
    ができる」系の商品を売ったって、集まるのは10 ⼈とかなんですよね。
    だから、マイナースポーツの選⼿や、メジャースポーツでも無名の選⼿の場
    合、スポーツ系のコンテンツで稼ぎたいなら、ファンとかサポーターが選⼿に
    対して持っている「憧れ」みたいな感情を利⽤するだけではダメ。コンテンツ
    の「機能性」にも重きを置く必要があって、その両輪で進めないと成功しない
    と思うんですね。
    中川:おっしゃる通りですね。僕の場合、バスケを指導する機能的なコンテン
    ツがまずあります。それを気に⼊ってくれたお客様がオンラインサロンに⼊会
    してくれるわけです。サロンでは、教材コンテンツでは得られない深い部分で
    の交流がありますから、感情的な部分でも満⾜してもらえます。
    ーー⼩⽟:だから中川さんのビジネスは、機能と感情を両⽴できている。スポ
    ーツ系のコンテンツとして、成功する条件をクリアしていると思いますよ。
    中川:なぜ、機能的なコンテンツで⼿抜きをして、感情的な部分に頼ってしま
    う⼈がいるかというと、スポーツができる⼈って憧れの対象だからなんです
    よ。これは「有名スポーツ選⼿あるある」なんですが、ファンから「かっこい
    い!」と⾔われるのが当たり前なので、ビジネスでも感情的なコンテンツに⾛
    ってしまうんです。そっちのほうが楽ですから。
    そのビジネスは、「相⼿のストーリー」に思いを馳せてい
    るか?
    中川:プロスポーツ選⼿は、普段から⾃分が活躍する姿をファンに⾒せて「ど
    うだ!すごいだろ!」という仕事をしているわけです。だから、中には「⾒せ
    てあげている」という思考の癖がある⼈もいるでしょう。
    でもコンテンツビジネスの仕事は、お客様に「⾒ていただいている」わけで
    す。お客様が何に困っているのかを考えなきゃいけない。思考のベクトルが完
    全に逆なんですね。スポーツ系コンテンツで伸び悩んでいる場合、本当の意味
    で相⼿のストーリーを語れていない商品になってしまっているのかもしれませ
    ん。
    ーー⼩⽟:本当の意味での相⼿のストーリーね……その部分をもう少し広げて
    話していただけますか?
    中川:スポーツの技術をレクチャーする商品で考えるなら、ただ技術を教える
    だけじゃなくて、⼼の部分にもフォーカスするべきなんです。
    どういうことかと⾔うと、スポーツがうまくなりたくて苦労している⼈って、
    もちろん技術的な悩みはありますけど、同時に「試合に出られない」とか「い
    くら練習してもシュートがうまくならない」みたいに、⼼の部分で痛みやスト
    レスを感じているはずなんです。親御さんだったら、⾃分の⼦供にスポーツを
    させているけど、最近どうも⾃信を失っているみたいで、親として悲しい気持
    ちになるとか、そういう⼼の揺らぎがあると思うんですよ。
    スポーツをレクチャーする商品の多くは、そういった⼼の部分は⼀切無視し
    て、技術的なサポートしかできていません。それはお客様からすると、「この
    先⽣は、僕の苦しみをわかってくれているのだろうか?」と疑問を抱くはずで
    す。そういった部分をしっかり理解して商品に反映させていくことが、「本当
    の意味で相⼿のストーリーを語る」ということなんです。
    ーー⼩⽟:中川さんが最初に販売した教材DVDがいきなり売れたのも、全国
    でバスケを教えながらリアルな声をたくさん聞いていて、バスケを習いたい⼈
    が何に困っていて、何を解決したいのか、⼼の部分を理解していたからでしょ
    うね。
    だから逆に⾔うと、技術的な部分の内容が少しくらい拙くても、⼼の部分をち
    ゃんとサポートできる内容なら、初速である程度のセールスにまで持っていけ
    るってことだよね。
    中川:それは間違いなくそうですね。
    壁を突破したければ、新しいことに挑戦しろ
    ーー⼩⽟:⾃分の好きなことや得意なことでビジネスをしたい、でもうまくい
    かなくて、どうしたらいいかわからないって右往左往している⼈たちがめちゃ
    くちゃ多いと思うんです。そういう⼈たちは、何から始めたらいいですか?
    中川:まず⼤切なことは、考え⽅です。いままで⾊々積み重ねたのにうまくい
    ってないわけですから、同じことを繰り返してたらダメなんですよ。何か別の
    ⾏動パターンを取り⼊れていかないと、根本的な問題解決はできないはずで
    す。頭の中であれこれ考えるんじゃなくて、何でもいいから、新しい世界に繋
    がりそうなことをやってみてください。
    例えば、会社員時代の僕の場合、副業禁⽌なのに同僚や友⼈に有料でバスケを
    教えていたんです。職場の仲間からは「中川さんって、お⾦取ってバスケを教
    えてるらしいよ……」と、ちょっと⽩い⽬で⾒られることがあったんですね。
    でも、そういった批判には⽿を貸しませんでした。
    なぜかというと、「この体験の先に、きっと⾃分の明るい未来があるはずだ」
    と信じていたからです。副業でバスケを教えて収⼊を得ていたことが、いまの
    僕のコンテンツの⼟台になっていることは間違いありません。なので、壁にぶ
    つかっている時は、同じことを我慢して続けるんじゃなくて、とにかく新しい
    こと、これまでとは違う⾏動をすることが⼤事だと思います。
    ⼈⽣の⽬標は、バスケの裾野を広げて、社会をより良くす
    ること
    ーー⼩⽟:これから中川さんがやっていきたいこと、将来のビジョンみたいな
    ものはありますか?
    中川:⼀度きりの⼈⽣なので、⾃分の得意なバスケットボールで、もっと⾊々
    な課題にコミットして、社会を良くしていきたいなと思っています。
    例えば、バスケの教材やコミュニティをもっとバージョンアップさせたいです
    し、⽇本のバスケットを盛り上げるイベントもやりたいですね。根本的なとこ
    ろでは、⽇本のバスケット全体を強化できるように、バスケの認知度を⾼めて
    競技⼈⼝を増やすための活動にも興味があります。
    いつか⾃分の⼈⽣を振り返ったときに、「バスケというスポーツの裾野を広げ
    ることができた」って納得できる⽣き⽅をしたいですね。
    ーー⼩⽟:かっこいい……(笑)
    中川:最近ようやく⽣きる意味を⾒つけられたのかなって感じてます。⼈⽣っ
    て、適度な壁があったほうが張り合いがあるし、頑張れるんですよね。その意
    味では、バスケをやっていて本当に良かったですし、すごくありがたい⼈⽣だ
    と思っています。
    ーー⼩⽟:いつか死ぬ時に、「ああ、俺はバスケ界にプラスをもたらしたなぁ
    ……」みたいに思えたらいいね(笑)。せっかくバスケを頑張ってやってきた
    のだから、⾃分が提供できる価値をビジネスを通じて社会に循環するのは、と
    ても意義のあることですよ。
    今⽇は⾯⽩い話から真⾯⽬な話まで、⾊々な話をうかがいました。特にスポー
    ツに携わっている⼈たちには、中川さんの体験を参考に、ぜひ⾃分でも挑戦し
    ていただけたらなと思います。
    中川さん、今⽇は本当にありがとうございました。
    中川:こちらこそ、ありがとうございました!
    普通の主婦が⽉収190 万円を稼ぐ!
    シングルマザーが成功した秘訣と
    は?
    フロントラインワークスで学び、オンラインビジネスで成功した⽅を紹介する
    本レポート。2 ⼈⽬はフラワーデザイナーの加納ゆきみさんをご紹介します。
    専業主婦からシングルマザーとなった加納さん。お⼦さんとの⽣活を守るた
    め、得意のお花でビジネスを始めますが、最初は苦戦。孤軍奮闘する中、フロ
    ントラインワークスとの出会いで⼀気に未来が開けたと⾔います。成功までに
    ⼀体どんな苦労や努⼒があったのでしょうか?実体験を交えながら、オンライ
    ンビジネスで成功する秘訣をうかがいました。
    加納ゆきみ
    主婦/フラワーデザイナー
    加納さんはどのくらい稼いでいる?
    ーー⼩⽟:いきなりですが、皆さんが知りたいのは、「フラワーデザイナー加
    納ゆきみは、いくら稼いでいるのか?」ということだと思うんですよ。
    加納ゆきみ⽒(以下、加納):最近売り始めた新しい商品の売り上げは、私が
    会社員時代に稼いでいた年収を超えました。販売を始めたのが2020 年12 ⽉か
    らなので、まだ5 か⽉しか経っていません。今までの最⾼⽉商は220 万円で
    す。2 ⽉の⽉利が190 万円でした。
    ーー⼩⽟:いやー稼いでますね(笑)。そもそもの話になりますが、フラワー
    デザイナーはどうやって稼ぐのかも皆さん気になると思います。実際どういっ
    たことをやっているんですか?
    加納:フラワーデザイナーというと、スクール運営や商品販売で稼ぐのが通常
    です。ただ私の場合は、稼ぎ⽅とお花の作り⽅の両⽅を教えるオンラインスク
    ールをビジネスにしています。
    なので⽣徒さんと直接会うことはほぼありませんが、懇談会などの機会に直接
    対⾯でお話する機会はあります。ただ、今はコロナの影響で懇談会の開催も難
    しくなっていますね。本当は実際に会うほうがビジネスとして絶対にいいんで
    すけどね。
    ーー⼩⽟:確かに、本当は会ったほうが絶対にいいですね。ところで、お花と
    いうと⼥性のイメージがあります。加納さんの⽣徒さんもやはり⼥性が多いで
    すか?
    加納:全員⼥性です。お花の経験者と未経験の⽅、両⽅いらっしゃいます。私
    も経験しているのでわかるのですが、お花の経験者であっても、販売⽬線で⾃
    分の商品を作ったことがない⼈が多いんです。なので、初⼼者の⽅も経験者の
    ⽅も、ビジネスという点ではスキルに⼤差はないと感じています。
    ーー⼩⽟:なるほど、初⼼者の⽅でも始めやすいのはいいですね。でも、具体
    的にはどうすればフラワーデザイナーになれるのでしょう?資格は必要です
    か?
    加納:資格はいらない世界なので、⾃分で宣⾔したらフラワーデザイナーにな
    れます。お花の習い事を始めて、⾃分の⼒だけでお花を作り始めたら、その⼈
    はもうフラワーデザイナーと⾔っていいでしょうね。収益を若⼲でも⽣み始め
    たときに、初めて趣味からお仕事に変わるのかなと思います。
    フラワーデザイナーで稼げている⼈は少ない
    ーー⼩⽟:フラワーデザイナーで実際に仕事として稼いでいる⼈は結構いるん
    ですか?
    加納:私の知る限りでは、ほんの⼀握りだと思います。フラワーデザイナーと
    いっても⾊々な仕事のやり⽅があります。講師として教える⼈とか、百貨店の
    催事場なんかで⾃分の商品を販売している⼈とか。
    昔は花嫁修⾏だとか⼥性としてのスキルアップをしたいとか、あとは仕事以外
    の時間を充実させたいとか、そういう理由でお花の世界に⼊る⼈が多かったで
    しょうね。習っているうちに、お花を使ってなにか仕事をしたいなと憧れを抱
    き始める⼈が出てくるという感じです。
    元々管理栄養⼠を⽬指していたが、家計が理由で挫折
    ーー⼩⽟:お花を始める前の加納さんは、普通に会社に勤められたんですよ
    ね。それがどうしてお花の道に進んだのでしょうか?
    加納:⾼校⽣の頃は管理栄養⼠になりたくて勉強していたんです。でも⼤学に
    進学する直前、親から「すまない、お⾦がないからダメだ」と⾔われてしまっ
    て。
    勉強していい⼤学に⼊れば管理栄養⼠になれるし、将来も安泰だと思っていた
    のに、その希望が⼀瞬で断たれました。結局進学はあきらめて、地元の医療機
    器メーカーに雇っていただき、事務員として11 年間働きました。
    ーー⼩⽟:11 年という⻑い期間勤められていたんですね。そこからお花のオン
    ラインビジネスをやろうと考えたきっかけって何だったんですか?
    加納:2019 年8 ⽉に⼩⽟さんのPVを⾒たのがきっかけです。今はシングルマ
    ザーですが、当時は専業主婦でした。⾼卒後に就職した会社で知り合った⼈と
    結婚して、⼦供を産んで⼦育てしていたのですが、だんだん育児と仕事の両⽴
    が厳しくなってしまって。
    育児も仕事もしっかりやりたいと思って、当時の主⼈と⾊々話し合った結果、
    「俺が働くから君は仕事やめていいよ」と⾔われたんです。⾔われるまま仕事
    をやめて専業主婦になったのですが、家計が⼀気に苦しくなり……(笑)。そ
    れでパートに出ようかと考えたときに、⾃分はお花を習っていたので、それを
    仕事にしてみたいと思うようになったんです。
    ただ当時、主⼈とうまくいかなくて離婚を考えていたんですね。同じくらいの
    タイミングで私の兄が亡くなったことも重なって、精神的に不安定になってし
    まい、結局離婚にいたりました。
    ーー⼩⽟:⼦供と2 ⼈で⽣きていこうと決意した頃に⾒たのが、僕のPVだっ
    たと。
    加納:そうなんです。⼩⽟さんのPVを⾒ていたら、「好きなことで、オンラ
    インで稼がないか!?」と⾔われている気がしたんですね(笑)。「好きなお
    花を仕事にしてオンラインで稼げたら、⼦供と在宅で仕事しながら⽣活でき
    る!」と、どんどんいい⽅向に解釈していって、気づいたらフロントラインワ
    ークスに⼊会していました。
    ⾶び込み営業や対⾯販売を経験
    ーー⼩⽟:オンラインビジネスを始める前の加納さんは、どのように仕事をし
    ていたのでしょう。
    加納:オンラインビジネスなんて全然考えていませんでしたから、とにかく地
    道にお花の営業をしていましたね。どうにか私を使ってもらえないかと、ひた
    すら⾶び込みを繰り返していました。
    ーー⼩⽟:⾶び込み営業ですか!気合い⼊ってますね(笑)。
    加納:⽣きていくために必死でしたからね(笑)。その頃の私は、ショッピン
    グモールで⾏われるイベントなどでお花を販売していました。対⾯でお客様の
    声を聞きながら商品を作ったり、体験レッスンをしたり。ありがたいことに、
    結構売れていましたね。
    オフラインのビジネスを断念した理由
    ーー⼩⽟:しかし、対⾯でも商品が売れていたということは、そのままオフラ
    インで続けることもできたんじゃないですか?
    加納:そうかもしれませんね。ただ、オフラインだと⾃分の好きな⽇程で仕事
    ができないんです。たとえば⼦供が⼩学校にあがると、学童保育を利⽤すると
    しても時間限定ですし、⼟⽇だと⾏事への対応もあります。
    ⾃分の限られた時間だけで、⽣活⽔準を下げずに、しかも⼦供に負担をかけな
    いようにしたかった。そのためには、あちこち営業したりイベント出店したり
    する形で仕事を続けるのは無理だなと思いました。
    ーー⼩⽟:当時のハードな⽣活の中で、僕のビデオがきっかけでオンラインビ
    ジネスを始めたわけですが、今どんな感じですか?
    加納:めちゃめちゃ幸せです。フロントラインワークスと出会って、本当に救
    われました。たぶん、今が⾃分の⼈⽣のハイライトだと思います(笑)。
    ーー⼩⽟:いやいや、それは早いでしょ(笑)。まだまだこれからの⼈⽣です
    よ。それにしても、加納さんに「今が⼈⽣のハイライトだ!」と感じさせる理
    由って、⼀体なんだったんですかね。
    加納:やっぱり⼦供の笑顔ですね。フリーランスだからママが家にいながら⼦
    供の時間にあわせた仕事ができる。しかも⽣活⽔準が以前よりも上がってい
    る。好きなことを仕事にできているからストレスがそんなにない。なのでママ
    の機嫌がいい。そういった条件下でビジネスができるからこそ、⼦供も笑って
    くれるのだと思います。
    オンラインビジネスは思ったよりも苦しくなかった……そ
    の訳は?
    ーー⼩⽟:今のビジネスを始めて1 年半とのことですが、いきなりうまくいっ
    たわけじゃないですよね。
    加納:もちろんオンラインビジネスは初めてでしたが、実は思っていたよりは
    苦しくなかったんです。なぜだろうかと振り返ると、先輩⽅の存在が⼤きかっ
    たと思うんですね。
    フロントラインワークスに⼊会したあと、積極的にオフラインの活動に参加
    し、⾊々な先輩⽅のお話を聞かせていただきました。実際に稼いでいる先輩が
    たくさんいて、そのリアルな体験談を聞いているうちに、「⼤変でも継続すれ
    ば絶対にゴールがある。⾃分もいつか先輩のようになれるぞ」と希望が湧いて
    きたんです。だから苦しくなかったんだと思います。もし先輩たちの話を聞い
    ていなかったら、⼼が折れていたかもしれないですね。
    ーー⼩⽟:フロントラインワークスには、実際⾊々なフェーズの先輩がいま
    す。年商数億の⼈から、今⽉やっと30 万稼げましたという⼈まで。加納さん
    の中で、特に印象的だった⽅はいますか?
    加納:特に印象的だったのが、着付け師の加藤咲季さんの存在です。私とはジ
    ャンルが違いますが、⼥性が⼀度は憧れる着付けの世界で稼いでいるわけです
    よね。着付けとオンラインビジネスの組み合わせで稼げるなら、お花でも稼げ
    るはずだと思ったんです。
    失敗=死?シングルマザーならではのモチベーション
    ーー⼩⽟:そんな⾵に⼀⽣懸命頑張るためには、強いモチベーションが必要で
    すよね?先輩⽅の教えだけでは気持ちが続かないように思いますが。
    加納:とにかく「失敗したくない」と考えていました。なぜなら、⼦供に貧し
    い思いをさせたくないからです。シングルマザーの場合、ビジネスが破綻する
    とそのあおりを受けるのは⼦供です。だから「ビジネスの失敗=死」なんで
    す。
    ⾃分だけなら失敗しても構いません。アルバイトでもなんでもして⽣きていけ
    ばいいのですから。でも⼦供がいるとそうはいきません。それに、失敗したと
    きに⼦供に対してあれこれ⾔い訳するなんて、なんだか情けないじゃないです
    か。私はいつだって「カッコいいママ」でいたかったんです。
    オンラインビジネスを始めたものの、最初は全く売れなか
    った
    ーー⼩⽟:加納さんの場合、最初から順⾵満帆というわけではなかったでしょ
    う? ぜひ失敗談というか、教訓となるお話があればお聞きしたいです。
    加納:フロントラインワークスに⼊りたての頃、新⼈飲み会で⼩⽟さんに「オ
    ンラインでスクールを開きたい」と相談したんです。そしたら⼩⽟さんに「な
    んでわざわざ加納さんのスクールで学ぼうと相⼿が思うのか、考えたことあり
    ます?」と⾔われたのが衝撃で……。
    私なんて、フラワーデザイナーとしては無名だし、賞を取ったこともありませ
    ん。そんな私がスクールを開いたとしても、⼀体誰が「学びたい!」と思うだ
    ろうかと。たしかに⼩⽟さんのおっしゃる通りだなとすごくショックを受けま
    した。
    そこで、⾃分が持っている能⼒の中でできることはなんだろう、私はどんなこ
    とを⽣徒さんに教えられるのだろうと考えた時に、⾒つかった答えが「オフラ
    インで販売した経験」だったんです。それで、⾃分の経験をカリキュラムに盛
    り込んでオンラインで情報提供する商品を作ったのですが……、全く売れませ
    んでした。
    全く売れない状況を打破するためにマインド合宿へ
    ーー⼩⽟:⾃分では必死にやってきたはずなのに、全然売れなかったら落ち込
    みますよね。その状況を乗り越えるためにどんな⾏動を起こしたのですか?
    加納:マインド合宿(⼩⽟が主宰するコミュニティ内で提供するサービス)に
    参加しました。マインド合宿で悶々とした悩みをさらけだしていきながら、
    「⾃分がお客様だったら私の商品を買うだろうか」とたくさん⾃問⾃答したん
    です。そしたら、「きっと買わないなあ」と気づいてしまって。
    ーー⼩⽟:加納さんから商品を買わない理由とは⼀体なんでしょう?
    加納:私がなぜフロントラインワークスに⼊ったかというと、在宅(オンライ
    ン)で⼦供との時間を⼤切にしながら仕事をしたい、そのノウハウを学びたい
    と思ったからです。それなのに、なぜ私はオフラインのスクールを開こうとし
    ているのだろうかと。⽭盾してますよね。
    オフラインのスクールだと、⽣徒さんは私と直接対⾯して学ぶわけですから、
    時間のしばりが⾮常に強くなるわけです。「⽣徒さんを時間でしばるようなお
    花の商品なんて、忙しい主婦なら絶対買わないよね……」と気づきました。こ
    の気づきを得たことがきっかけで、⾃分のビジネスを客観視することに開眼し
    ました。
    ーー⼩⽟:第3 の⽬がパァーと開く、みたいな(笑)。⽣徒さんが加納さんの
    商品を買う理由を考えると、お花の実績も売り上げも技術も嘘じゃないから、
    もちろんそれも買う理由でしょう。
    だけどそれ以上に、⾼卒で、シングルマザーで、お花歴が短くて、フラワーデ
    ザイナーとしては無名で……そんな加納さんなのになぜオンラインビジネスで
    成功できるのだろうか?そこに隠れているヒントこそ、加納さんの強みであ
    り、お客様が商品を買う最⼤の理由だと思うんですよね。
    加納:おっしゃる通りです。当時の私は、いま⼩⽟さんが指摘されたように
    「お客様が私から商品を買う理由」を探しまくっていて、「買う理由」が⾒つ
    かったらどんどんセールスレターに反映させていきました。
    売れるようになったものの、新たな壁が
    ーー⼩⽟:お客様のニーズに気づいて、商品やセールスレターにも反映させ
    た。で、そのあとは割と早く売れましたか?
    加納:ありがたいことによく売れたのですが……、今度は忙しすぎて⾃分の体
    調がもたなくなって(笑)。
    ⽣徒さんがたくさん⼊ってきてくれたのは本当にありがたかったです。ただ、
    お花の技術を教えるサポートを熱⼼にやりすぎちゃったんですね。頑張りすぎ
    て、値段以上の価値がある商品を提供していました。仕事以外のことに⼿をつ
    けられない状態になり、⼦供との時間もどんどん減っていきました。
    実績爆発ディレクション合宿でいただいたアドバイスを元
    に「スクール化」を実践
    ーー⼩⽟:⼦供との時間を作りたくて在宅のビジネスを始めたのに、それだと
    本末転倒ですよね。
    加納:そうなんです。忙しすぎて体調も悪くなってきたので、「このままでは
    いけない」と思い参加したのが、実績爆発ディレクション合宿(⼩⽟が主宰す
    るコミュニティ内で提供するサービス)でした。本当にベストのタイミングで
    合宿の予定があったので、「これに参加しなきゃダメだ!」と思いましたね。
    ーー⼩⽟:重要なポイントポイントでめちゃくちゃ役に⽴ってるじゃないです
    か、僕のサービスが(笑)。その頃の売り上げはどのくらいありましたか?
    加納:⽉30 万円が限度でしたね。それ以上売ろうとすると⾃分がパンクする
    状態でした。売りたい気持ちはあるし、予算を増やせばきっと売れたのでしょ
    うが、体調の負担が⼤きすぎてできなかったですね。
    実績爆発ディレクション合宿では、⼩⽟さんから「スクール化して、値段も⾒
    直しましょう」とアドバイスをいただきました。早速、フロントラインワーク
    スの先輩の活動をチェックして、スクール化している成功事例やセールスレタ
    ーをたくさん⾒て勉強しました。
    セールスレターは、気に⼊ったものを印刷してスクラップしたり、⼿書きでメ
    モを残したり、レターの内容を⾃分なりの⾔葉やお花のテーマに置き換えたり
    と、たくさん活⽤しました。
    ーー⼩⽟:加納さん⾃⾝もレターを作ったと思うんですけど、その際に気をつ
    けたことはありましたか?
    加納:主婦って本当に時間がないので、レターをゆっくり読んでいる時間があ
    りません。だから、内容をかなり⼯夫しないと飽きられてしまうし、読んでも
    らえないなと思ったんです。
    そこで⾃分がレターを作るときは、読んでいて楽しくなるような、「続きが早
    く読みたい!」と思ってもらえる⼯夫をしました。たとえば写真を多く⼊れ
    て、まるで絵本を読んでいるかのようなビジュアルで訴えるレターを作りまし
    た。
    ーー⼩⽟:なるほどね。そういったレター作戦のおかげもあって、ビジネスが
    成功し、今に⾄るというわけですね。
    オンラインビジネスでは⼥性が活躍している
    ーー⼩⽟:うちのコミュニティの場合、⼥性のほうが⽬⽴って成果を出してい
    るじゃないですか。⾃分のコンテンツや講座をオンラインで販売する形に限る
    と、ビジネスとしてアクティブに成果を出しているのは、7、8 割が⼥性じゃな
    いかと思うほどです。僕の近くでビジネスコミュニティやオンラインスクール
    を運営している⼈の話を聞いても、やはり⼥性が活躍しているんですよね。
    これは想像ですけど、オンラインでビジネスをやる環境が普及していなかった
    頃は、なかなか⼥性が活躍できなかったんじゃないかと思うんですよ。そうい
    った不利な環境を完全に取り払って、男も⼥も全然関係なくて実⼒勝負という
    か、「やったら必ず成果が出る」という⾃由な場が与えられた。それが⼥性の
    活躍の背景にあるんじゃないかなと思うんです。
    加納:それはありますね。だってオンラインビジネスの世界がなかったら、ど
    う頑張っても限られた時間でたくさん稼ぐのは無理ですよ。
    オンラインビジネスがなかったら、シングルマザーがビジネスで成功して⼦供
    をいい⼤学まで⾏かせるのなんて、本当に⼀握りだったと思います。
    ーー⼩⽟:実は、僕の家庭もあまり裕福じゃなくて、⼤学は⾦銭的な理由で国
    ⽴以外禁⽌だったんです。なので僕は国⽴に進学したのですが、なぜか弟は私
    ⽴を選んでしまい(笑)。そしたら親がある⽇突然、弟に「うちはお⾦がな
    い。学費が払えないから⼤学をやめてくれ」と⾔い出して。
    その頃僕はサラリーマンだったから、なんとか弟を助けたいと思って、⾃分の
    ボーナスを全部親に差し出したんです。
    加納:なんていいお兄ちゃんなんでしょう!(笑)
    ーー⼩⽟:そんな経験があるので、家の経済事情を理由に⼦供の学業をあきら
    めさせるというのは、⼦供にとって本当に酷だし、親にとってもしんどいだろ
    うなとよくわかりますね。
    加納:私も離婚することになったとき、⼦供の習い事は絶対にやめさせたくな
    かったです。せっかく⼦供がやる気になっているのに、お⾦がないからやめさ
    せるなんて……それなら
    頑張って親が稼ぐしかないなと。
    貧しかった幼少期の体験がビジネスの原動⼒に
    加納:⼩⽟さんの体験談で思い出したんですけど、私の家も本当に貧しくて
    (笑)。たまに今でも姉と笑い合うんですけど、ろくにおやつも⾷べられない
    ので、道端に落ちている栗を拾ってきて、茹でて⾷べたりとかしてたんです。
    ーー⼩⽟:それは相当ですね。でも、茹でた栗がおやつなんてヘルシーじゃな
    いですか(笑)。
    加納:たしかにそうですね(笑)。それから、貧しいと着られる服が限られて
    くるんですよ。いつも同じ服をローテーションしてるので、気づいた友達にか
    らかわれて悲しい思いをしたり。
    そんな⾵に、私⾃⾝が貧しくて⾟い幼少期を過ごしてきたので、「もうとにか
    く貧乏はいや!」っていう気持ちが強いですし、⼦供にも絶対同じ思いをさせ
    たくないですね。
    ーー⼩⽟:そういう気持ちが少なからずビジネスの原動⼒になっているんでし
    ょうね。
    成功のコツは「早く売ること」
    ーー⼩⽟:加納さん⾃⾝、これまでのビジネスを振り返ってみて、成功のコツ
    を1 つあげるとするならなんでしょうか?
    加納:商品を早く売ることです。早く商品を売って、お客様からリアルな情報
    を得ること、これがとても⼤切ですね。
    私の場合、お花でできる仕事って本当に限られてたんですね。でも、それを広
    げたいと思わせてくれたのが⽣徒さんだったんです。最初の商品のときも⽣徒
    さんから教わることが多くて。だから早く売ってよかったなと思います。
    「売れるかなあ」と⼼配して右往左往しているよりも、まずは売ってみてお客
    様からリアルな感想をいただき、それをふまえて商品を改善して……という経
    験がとても役⽴ちました。
    ーー⼩⽟:お客様のリアルな反応に勝るものはないと思います。フロントライ
    ンワークスの先輩や僕から話を聞くのはもちろん勉強になるでしょう。でも
    「百聞は⼀⾒にしかず」と⾔うように、話だけではわからないことがたくさん
    あるんですよね。
    加納:おっしゃる通りだと思います。⾃分で実際にビジネスをやってみて、お
    客様のリアルな反応を知ると、「⼩⽟さんからいただいたあの時のアドバイス
    は、このことだったんだ!」とすごく実感します。
    オンラインビジネスはなにから始めたらいい?
    ーー⼩⽟:ビジネスを始めるときに結構多いのが、「これを商品にビジネスに
    したい。でも、具体的になにから始めたらいいかわからない」という状態の⼈
    です。そういう⼈たちに対して、加納さんならどんなアドバイスをしますか?
    加納:これは先ほどお話したように、⼩⽟さんにアドバイスしていただいたこ
    となんですけど、あるジャンルの商品に対して「お客様が⾃分から買う理由」
    が本当にあるのかをよく考えて欲しいですね。
    どんなに魅⼒的な商品でも、お客様が求めているものじゃないと売れないじゃ
    ないですか。なので、「⾃分がこれを教えたい!」とか「お客様には、こんな
    オイシイ情報があるのでぜひ知ってほしい」などと、⼀⽅的に押し付けるのは
    やめたほうがいいです。
    ⾃分が好きなジャンルのビジネスで、⾃分は⼀体なにを提供できるのか。⾃分
    がお客様だったら、好きなジャンルでなにが欲しいのか、なにが欲しかったの
    か。それがわからないと、好きなものを⾃分で作り満⾜しただけで終わってし
    まいます。
    たとえばお花の場合、どんなに綺麗な作品でも飾る場所がなかったら売れない
    わけです。お客様が作品を⼿にしたときに、はたして⼼から喜んでもらえる
    か。ただ美しいだけのお花ではなくて、お客様のニーズに応えた商品になって
    いるのか。そのことをしっかり考えたほうがいいですね。
    ーー⼩⽟:最後にやっとマーケティングっぽい話になりましたね(笑)。ビジ
    ネスというのは結局ネタとマーケティングの「両軸」なんですよね。みなさ
    ん、今まで⾃分がやってきたことだけで商品をとりあえず作ると思うんです
    よ。でもそれは「ネタ」の部分だけですから、それだけでは⾜りない。
    ビジネスを成功させるためには、やはりマーケティングも重要です。ネタとマ
    ーケティングの両⽅を伸ばしていかなきゃいけない。どちらか伸ばすのをサボ
    ると、必ずビジネスは終わってしまいます。お花でも着付けでも、どのジャン
    ルでも同じことですが、⽚⽅を伸ばしつつもう⽚⽅も伸ばしていく。すると商
    品もビジネスもアップデートされていきます。
    これからやりたいことは「勉強」と「遊び」
    ーー⼩⽟:加納さんのビジネスはとてもいい感じに進んでいると思うんですけ
    ど、さらにこれからやりたいことはありますか?
    加納:勉強ですね。最近時間がなくてなかなか⼿が出せないのですが、お花の
    勉強はもちろん、カラーリングの勉強や写真の撮り⽅など、スキルや視野を広
    げるための勉強をたくさんしたいと思っています。
    ーー⼩⽟:どうして勉強したいと考えるようになったんですか?
    加納:スクールの⽣徒さんがどんどん成⻑していって、「お花ができるように
    なりました」「ネットショップができました」「売れるようになりました」
    と、嬉しい報告をたくさんいただけるようになりました。⽣徒さんの成⻑ぶり
    を⾒ているうちに、私⾃⾝もスキルをもっと⾼めて⽣徒さんにたくさんのこと
    を教えたいと強く思うようになったんです。
    そのためには、今やりたいことだけじゃなくて、将来を⾒据えて⾃分のキャパ
    やスキルを広げる勉強が必要だと考えています。
    ーー⼩⽟:勉強以外でやりたいことはありますか?
    加納:プライベートの話になりますが、もっと⼦供と遊びまくりたいですね
    (笑)。今まで仕事に⼀⽣懸命なあまり、「好きなだけ遊ぶ」という経験がな
    かったんです。なので、とにかくたくさん遊びたいです。
    ーー⼩⽟:⾃由に遊べるだけのお⾦もありますからね(笑)。
    加納:そうですね(笑)。海外旅⾏も世界の僻地までいきたいし、⾷べたこと
    のない美味しいものをたくさん⾷べたいです(笑)。
    頑張るのは本⼈。成功するか否かは⾃分次第
    ーー⼩⽟:ここまでお話をうかがう中で、フロントラインワークスのサービス
    や僕のアドバイスのことがたびたび出てきました。でも実際に頑張って成果を
    出してきたのは加納さん本⼈ですからね。成果を出すためには、ノウハウや情
    報だけじゃなくて、なによりも⾃分で頑張るんだと、それが⼤事なことだと思
    います。
    加納さんは先ほど「今が⼈⽣のハイライト」とおっしゃっていましたが、そん
    なことは全然なくて、もっともっとこの先もありますよ。ぜひこれからも加納
    さんの活躍をみなさんに⾒せていただければと思います。
    加納:頑張ります!本⽇はありがとうございました。
    展⽰会で売れないならオンラインで
    売ればいいじゃん!年商1700 万円
    を実現した画家が伝授するブレイク
    スルーのポイントとは
    フロントラインワークスで学び、オンラインビジネスで成功した⽅を紹介する
    本レポート。3 ⼈⽬は画家の⿊沼⼤泰さんをご紹介します。⿊沼さんはもとも
    と展⽰会で⾃分の絵を販売していました。しかし思うように売れず、宣伝⽤の
    ブログを⽴ち上げ集客しますが、失敗。⼩⽟歩の指導を経て⼀念発起した結
    果、「売れない画家を⽀援するスクール事業」をローンチします。オンライン
    ビジネスという画家という職業とは対極にある戦場で成功できた秘訣は何なの
    か。存分に語っていただきました。
    ⿊沼⼤泰
    画家
    ーー⼩⽟:⿊沼さんの職業は画家です。第⼀印象として、画家とインターネッ
    トの世界は結構遠い関係だと思うんですが、実際どういった取り組みをされて
    いるんですか?
    ⿊沼⼤泰(以下、⿊沼):ブログとかインターネット広告なんかを使って、画
    家になりたい⽣徒さんを集めていって、そこでオンラインで絵画教室を開催し
    たり、絵を売る⽅法についてプロの画家としての経験を⽣かして教えたりする
    サービスをやっています。
    ⿊沼さんはどのくらい稼いでいる?
    ーー⼩⽟:このレポートの読者層は、インターネットでお⾦を稼ぎたいと思っ
    て⾒ている⼈が多いわけですよ。そこでざっくばらんに聞きますが、⿊沼さん
    はいくら稼いでいるんでしょうか(笑)。
    ⿊沼:年商で1700 万円くらいですね。利益だと1100 万円ほどです。⾃分で
    もここまで⾏くとは思いませんでした。
    ーー⼩⽟:オンライン絵画教室はいつ頃からやっているんですか?
    ⿊沼:独学でやっていた時期が結構⻑くて、それを含めると4 年くらいになり
    ます。画家の⽅についてはもう少し前からやっていて、7 年くらいになります
    ね。
    ーー⼩⽟:まだお若いですよね(笑)。
    ⿊沼:2022 年で29 歳になります。⼤学は多摩美術⼤学を出ました。⼦供の頃
    から絵画や美術の世界に進みたいと考えていたのですが、本格的に勉強し始め
    たのは⾼校⽣くらいからですね。⼩さい頃から物をつくって遊ぶのが好きで、
    家ではずっと⺟親と⼀緒に⼯作しているような⼦供でした。
    ただ、肝⼼の美⼤受験には失敗しまして(笑)。三浪して⼊学しました。でも
    美⼤仲間にはもっとツワモノがいて、四浪とか七浪している⼦もいます。医⼤
    受験と似たような感じですよね。
    ーー⼩⽟:美⼤に⼊ったあと、画家志望の学⽣さんはどういうキャリアを積ん
    でいくんでしょう。
    ⿊沼:美⼤でもいくつかルートがあります。絵画や彫刻、⽇本画のようなファ
    イン系と呼ばれる学部のほかに、デザイナーになりたい⼈たちが学ぶデザイナ
    ー系と呼ばれる学部があります。
    デザイナー系の⼈たちは、デザイン会社に就職して会社員になるための職業訓
    練をする⽬的で美⼤に⾏くんです。授業を受けてコンペでライバルと競い合っ
    たりしながら、アートのスキルを⾝につけていきます。
    他⽅、僕が進んだファイン系では、学校の先⽣になるくらいしかルートが⽤意
    されていません。なので卒業後は、事業を⾃分で作っていく必要があります。
    例えば、個展で絵を売って収⼊を得るとかですね。
    でも、そういう実務的なことって、美⼤では全く教えてもらえないんですよ。
    むしろそういう話を先⽣に質問すると嫌な顔をされることも少なくないので、
    結局は⾃分でなんとかしなきゃいけないんです。
    美⼤卒業後は、絵の販売では⾷えず、美術の先⽣とアルバ
    イトの⽇々
    ーー⼩⽟:⿊沼さんは、⼤学を卒業後どのように⽣活していたんですか?
    ⿊沼:専業で絵の販売だけをして⽣計を⽴てられる画家を⽬指していたのです
    が、やっぱりそれだけでは難しかったですね。⼤学で教職をとっていたので、
    学校の美術の先⽣を週に何回かやりつつ、⾜りない分はバイトでカバーしてい
    ました。
    ーー⼩⽟:じゃあ、割と早い段階で「インターネットを使ってなんとかしなき
    ゃな」という発想はあったと。
    ⿊沼:そうですね。僕はもともと百貨店の美術画廊で展⽰会をやることが多か
    ったんです。お客さんにたくさん来ていただけるように、⾃分のホームページ
    を⽴ち上げて集客することを⾃⼰流で研究していました。
    展⽰会販売で⾷べている画家は⾮常に少ない
    ーー⼩⽟:美⼤を出て画家として活動しようとする⼈は、具体的にどんな⽅法
    を取るんですか?
    ⿊沼:多くの⼈が美術の先⽣をやりながら、⽇曜⽇などの限られた時間で絵を
    描いています。「◯◯会」みたいな組織や団体に所属して、そこで年に1 回か
    2 回展⽰会に参加するのですが、実際に絵が売れるのは難しいですね。
    なので、画家⼀本で⾷べていくのはめちゃくちゃ⼤変です。もちろん全く不可
    能というわけではないですが、美⼤を卒業していきなり原画の販売だけで⽣計
    を⽴てるのは難しいです。僕もそんな⼈は数⼈しか会ったことないですね。
    売れっ⼦画家は、直接取引や企画で⾷べている
    ーー⼩⽟:逆に、絵を売るだけで⾷べていけるような⼈たちは、どういうルー
    トで絵を売っているの?
    ⿊沼:お得意様みたいな⼈がたくさんいて、その⽅々と直接取引している⼈が
    多いですね。例えば、ペットの肖像画や個⼈の肖像画を描いたりとか。定期的
    に注⽂を取ったりする⼈もいますし、作家兼プロデューサーみたいな感じで企
    画を丸ごと作れるようになる⼈だと、売り込みとか営業もできるので、それで
    ⼗分やっていける⽅もいますね。
    ーー⼩⽟:よく銀座とかに画廊があるじゃないですか。そこで個展が開かれて
    いますよね。ふらっと⽴ち寄って何万円もの絵を買う⼈なんて、実際いるんで
    すか?
    ⿊沼:それはあまりないですね。個展でどのくらい絵が売れるかは、実は会場
    の⼒が⼤きいんです。僕たち画家は、会場が持ってる集客⼒とか顧客リストに
    ぶら下がってビジネスをやっているんです。絵を買ってくれる顧客を豊富に抱
    えている会場でないと、展⽰してもなかなか売れないと思います。
    画廊や百貨店の「展⽰枠」をめぐり競争する画家たち
    ーー⼩⽟:画廊のほかに百貨店でも個展をやってますよね。そこに出展する画
    家さんは、百貨店が集めるんですか?
    ⿊沼:はい。例えば僕の場合、知⼈の画家が持っている展⽰枠みたいなのがあ
    って、「2 ⼈分の枠をもらえたんだけど、相⽅としてどう?」みたいに呼んで
    もらうことが結構あります。百貨店だと1 週間に1 回くらいのペースで展⽰会
    をやっているので、その限られた数の枠を取り合っていくという⾯はあります
    ね。
    ーー⼩⽟:なるほど。じゃあ画廊とか百貨店が⽤意している展⽰枠に⼊れなか
    ったら、収⼊は相当に厳しくなっていくと。
    ⿊沼:そうですね。例えば、僕がよく展⽰販売をしていた画廊は、⽇本で⼀番
    売れると⾔われていたんです。その画廊でもしダメだったら、当然他の場所だ
    ともっと売れないわけですから、相当厳しくなりますね。
    1枚40万円〜70万円の絵が売れることも
    ーー⼩⽟:ということは、⿊沼さんはたくさん絵を売ってきた実績があるわけ
    ですね。いままでどれくらい売ってきたんですか?
    ⿊沼:おそらく100 枚から200 枚は売っていると思います。
    ーー⼩⽟:絵の値段って1 枚いくらぐらいするんですか?
    ⿊沼:僕の場合ですが、安いものだと6 万円、⾼いものだと70 万円とかにな
    ります。
    ーー⼩⽟:70 万円!そんな⾼い絵、どんな⼈が買うの?
    ⿊沼:ついこの間まで京都で展⽰会をやっていたんですが、その時に40 万円
    の絵が売れたんです。買っていただいたのは、会場のお得意様担当の⽅が連れ
    て来てくださった物流会社の社⻑さんでした。「会社が創業20 周年だから、
    記念として社⻑室に⼤きい絵を飾ろう」ということで、僕の絵を買ってくださ
    ったんです。⼤きな絵が売れたので、収⼊的にはだいぶ助かりましたね
    (笑)。
    ーー⼩⽟:ちなみにどういう絵だったのですか?
    ⿊沼:⾦箔の背景に梅の⼤⽊が描かれた絵です。僕は⽇本の伝統的な花⿃⾵⽉
    を描いた絵が好きなので、伝統的な技法を使って描いた作品でした。
    ーー⼩⽟:それって、⿊沼さんがフェイスブックにずっとあげてた絵?あれが
    売れたの?やったー!(笑)
    ⿊沼:そうなんです(笑)。⼩⽟さんにも⾒ていただいたあの絵ですね。あれ
    は新作だったので、売れてすごく嬉しかったです。買っていただいた社⻑様に
    は、ぜひ今後ともご贔屓にしていただければ……(笑)。
    最初に売った4万円の商品は、⽉に1つ2つ売れただけ
    ーー⼩⽟:いまのお話では、これまでの⿊沼さんは、百貨店や画廊での展⽰会
    をベースにして、絵を売って⽣活していたわけですけれども、インターネット
    を活⽤したビジネスはいつ頃から始めたんですか?
    ⿊沼:最初は、展⽰会に来てもらうための宣伝ブログを作ったんです。ブログ
    を研究していくうちに、オンラインで商品を売ることができる仕組みは理解で
    きました。⾃分なりに本を読んだり検索したりして、オンライン上でサービス
    を作って販売する仕組みだけは⼀応完成したんですけれど、基礎が何もわかっ
    ていない状態で⾃⼰流でやっていたので、全然結果は出ませんでしたね。
    ーー⼩⽟:その時に販売していたのはどんな商品でした?
    ⿊沼:「画家のためのオンラインスクール」という、ちょっとふわっとしたタ
    イトルの商品です(笑)。スクールのゴールは、⽣徒さんが絵を売って利益を
    出せるようになることですね。個展に出展してもお客さんが誰も来なくて絵も
    全く売れないという、そんな悲しい思いをしないためにはどうすればいいかを
    教えるスクールです。
    ーー⼩⽟:そういうふわっとした商品でも、伝わる⼈には伝わって、「いい
    な」と思って⼊会してくれる画家さんはもちろんいたんですよね?実際どのく
    らい売れたんでしょう。
    ⿊沼:その商品の価格は4 万円だったんですけど、1 か⽉に1 つか2 つ売れれ
    ば⼤喜びみたいな状態で。学⽣のアルバイトみたいな利益しか出なかったです
    ね。
    ーー⼩⽟:僕がサラリーマン時代に居酒屋でバイトしてた時の給料だって7 万
    円でしたよ(笑)。オンラインのコンテンツって、作るのに結構時間かかるじ
    ゃないですか。頑張ったのに、⽉に4 万円が2 つは、ちょっと切ないですよ
    (笑)。
    ⿊沼:そうですね(笑)。その販売をしていたのが3 年ぐらい前なんです。⾃
    分なりに頑張ってはいたんですが、これじゃ⽣活できないぞと危機感を抱きま
    して。別の仕事やバイトで⾷いつなぎながら、展覧会の絵を準備したりしてい
    たので、とにかくお⾦も時間もないし、将来の不安も尽きない状態でした。
    「これは、なんとかしなきゃいけない」という焦りは常にあったんですけど、
    なかなか成果が出なくて。
    ーー⼩⽟:そうやって⾊々と模索している中で、僕と会ったのがあのセミナー
    でしたね。いまでも覚えてますよ。会場の左隅あたりに⿊沼さんが座ってい
    て、僕が「いまどんなビジネスをやってるんですか?」と聞いたら、「絵を売
    るためのスクールをやっています」とおっしゃったじゃないですか。それを聞
    いたときに「絶対にそれは売れる!」って⾔った記憶があります。
    ⿊沼:はい、⼩⽟さんにそう⾔ってもらえて、ものすごく嬉しかったです
    (笑)。
    最初のブレークスルーは「3STEPメソッド」
    ーー⼩⽟:⽉に1、2 枚しか絵が売れなかった状態からいまの成功にいたるま
    での間に、ブレークスルーになったポイントがいくつかあったんですよね。
    ⿊沼:全部で3 つのブレークスルーがありました。最初に劇的に変わったの
    は、「3STEP メソッド(⼩⽟が主宰している講座)」に参加したことです。コ
    ンセプトメイキングや広告を使った集客、セールスプロモーションの流れなど
    を、カチッとひとまとまりで教えていただきました。
    教わったばかりの頃は、「これをやったらどれくらい売れるのかな」とまだ疑
    ⼼暗⻤の部分があったんですよ。「これで⽉30 万円も稼げたら最⾼だよな」
    と思っていたら、いきなり最初のローンチで50 万円ちょっと売れたので、
    「これはすごい!」と(笑)。
    ーー⼩⽟:僕は「商品のコンセプトが⼤事」という話をよくします。⿊沼さん
    の商品も、コンセプトをつくってだいぶ変わりましたか?
    ⿊沼:はい、すごく変わりましたね。もちろんコンセプトだけじゃなくて、コ
    ピーライティングですとか、広告の数字の⾒⽅とか、お客さんの悩みをどう取
    り込むかとか。これまでぼんやりと考えていたことを、「こういうことだ!」
    とズバリ教えてくださったおかげで、ずっと悩んでいたことが⼀気に解決した
    んです。「あ、この教えにしたがってやれば、うまくいくかもしれない」と予
    想はしていたんですけど、想像以上の結果が出ました。
    ーー⼩⽟:2 つ⽬のブレークスルーは?
    ⿊沼:「実績爆発ディレクション合宿(⼩⽟が主宰するコミュニティ内で提供
    するサービス)」という最⾼のネーミングの合宿があるんですが(笑)、それ
    に参加させていただいたことですね。その時は、僕みたいにビジネスに取り組
    んでいる仲間も⼀緒に集まって、⼀⼈ひとり個⼈的にディレクションしていた
    だきました。
    ーー⼩⽟:その合宿後にどう変わりました?
    ⿊沼:当時の僕は、なんの根拠もなく「ビジネスで⾃分が⽉収100 万円も稼ぐ
    なんてありえない」と勝⼿に思ってたんです。そんなこと、できるわけないっ
    て。でも、誰でもできるんだよということを⼩⽟さんに教えていただきまし
    た。
    合宿のあと、教わった内容をまとめて実⾏してみたら、本当に⽉100 万円の利
    益が安定して出るようになったので、まあ予想はしていたんですが、こんなに
    変わるものかと驚きました。
    ーー⼩⽟:実績爆発ディレクション合宿に参加して⼀番変わったことって何だ
    ったのでしょう。
    ⿊沼:僕は⼩⼼者なので、広告にお⾦を使うのがすごく怖かったんです。毎⽉
    30 万円も広告に使うという発想が理解できなかった。
    でも、実績爆発ディレクション合宿で、実際の数字をみんなで⾒て、「成約率
    はこれくらいいくだろう」とか「広告をこれくらい出したら、理論上はこうな
    るよね」みたいな話を聞いた時に、「確かにそうかもしれない」と実感でき
    て。それで、怖いけど⾃分もやってみようと思ってやってみたら、ちゃんと予
    想通りの結果になったので、「なるほど、ビジネスとはこういうことなの
    か!」と(笑)。
    ーー⼩⽟:⿊沼さんの場合、いきなりドカンと売れたんじゃなくて、ちゃんと
    ⼿順を踏んで、⼀段⼀段登っていった感じですね。僕が個⼈的に印象的だった
    のが、⿊沼さんが描くような正統派の絵が、展覧会じゃなくても売れてしまう
    ってことです。
    ⿊沼:はい、それが3 つ⽬のブレークスルーですね(笑)。コロナが流⾏し始
    めた頃、僕だけじゃなくて、社会全体が「この先どうなるのかわからない」
    「これまでうまくできていたことが全部だめになって、もうどうしたらいいか
    わからない」みたいな状態になりましたよね。
    でも、その頃ちょうどすごくいい会場で展⽰販売できる機会があったんです
    ね。コロナでひどい状態だけど、そこで何とか結果を出したいと思って、⼩⽟
    さんから学んでいたことを⽣かそうとあれこれ考えたんです。それでやってみ
    たのが、メルマガの購読者に向けた絵の予約販売です。
    これまでは、百貨店が抱えている顧客にDMを送って、そのうちの何割かが会
    場に来て、運良く僕の絵を気に⼊ってくれたらご購⼊してくださる……という
    流れだったんです。でも、⾊々教えていただいたことを活⽤してからは、⾃分
    でインターネットで集客して絵を販売することができるようになりました。
    以前の⾃分なら「そんなことできるわけない」とあきらめていたと思うんです
    よね。でも偶然コロナが発⽣して、社会の状況が激変した。こうなったらやる
    しかないと、思い切って予約販売を試してみたら⼤成功した。本当に⼈⽣が変
    わってしまいました。
    ーー⼩⽟:そういった取り組みを⾊々とやっていく中で、失敗や苦労があった
    と思うんですが。
    ⿊沼:⼩⽟さんが⼿の⾏き届いた指導をしてくださったおかげで、実はそれほ
    ど⼤きな失敗ってないんですよね。
    コロナの流⾏やグーグルの検索アルゴリズムのアップデートみたいに、⾃分の
    ⼒ではどうしようもない社会の変化が起きた時にどう⽴て直すのかが、⾃分は
    あまり得意ではないんです。でも、⾃分と同じようにビジネスに取り組んでい
    る仲間が周りにいたりとか、指導してくださるスタッフの⽅々がいるという環
    境が、すごく⼼強かったですね。
    僕は消極的というか、「こんなの、できない」と思いこむ癖があるのですが、
    それでも、できる前提で頑張り続けられたことが、僕にとってはある種の救い
    になりました。
    ーー⼩⽟:何か特定の問題ですごく失敗したというよりは、世の中の変化にや
    られそうになったと(笑)。
    ⿊沼:まさにそんな感じです。
    ーー⼩⽟:いや、でも実際そうだろうなあ。だって、画家ってもともと完全に
    オフラインのビジネスですよね。展⽰会に来てもらって、絵の説明をして、納
    得したら購⼊してもらえると、そういうアナログな形でずっとやってきた。
    それをオンラインでのセールスにスパッと切り替えた途端に、コロナが起きて
    しまい、みんなお⾦を使わなくなったわけで。ブログで集客していたのも、グ
    ーグルのアップデートのせいで全然アクセスがなくなるとかね。
    ⿊沼:もうメンタルがやられて、ずっとお腹が痛かったです(笑)。
    ーー⼩⽟:でも、そういう⼤きな問題でも、結局は⾃分で何とかするしかない
    んですよ(笑)。
    批判の声は「慈悲の気持ち」で乗り越えた
    ーー⼩⽟:⿊沼さんは、絵描きという歴史と伝統を⼤切にする業界の⼈間じゃ
    ないですか。オンラインビジネスで成功したって聞くと、「⿊沼のやり⽅は、
    ちょっとどうなの?」みたいな感じで批判してくる⼈はいないんですか?
    ⿊沼:⾯と向かって⾔われることはないんですが、やっぱりこういうビジネス
    をやっていると、より多くの⼈にリーチすることになるので、⼀部の⽅から⼼
    ないコメントが来ることはありますね。最初のうちは傷ついたり、怒ったりし
    てたんですけど、だんだん気にならなくなりました。
    ⾔い⽅が難しいんですけど、⾃分が満たされたからでしょうね。批判してくる
    ⼈を⾒ていると、⾃分が全然ダメだった頃のことを思い出すんです。お⾦も時
    間もなくて、将来も不安でいっぱいだと、⼼が狭くなるんです。批判してくる
    ような⼈も、余裕がない状態だから勢いで⾔ってしまうのかなと想像するよう
    になって(笑)。そういう⽅々も安⼼して⽣きていける世界になったらいいの
    になって思いますね。
    ーー⼩⽟:慈悲の⼼ですね(笑)。
    古い考え⽅を持つターゲットを集客することは難しい
    ーー⼩⽟:⿊沼さんみたいにオンラインで稼いでいる画家に対しては、「新し
    い」とか「⾃分も真似したい」と考える⼈もいるけれども、たぶん⼤多数は⾯
    ⽩くないと感じているでしょう。「⾃分がこんなにダメなのに、なんでこいつ
    は成功してるんだ」みたいに。
    ⿊沼さんのビジネスは、まさにそういった⼈たちにどうアプローチするかが課
    題だと思うんですよ。ビジネスで成功体験がある側としては、「とにかく、あ
    れこれ⾔わずにこっちにきて⼀緒にやればいいじゃん」と思うわけです。
    例えば、「展覧会で絵が売れるように、マーケティングを勉強しましょう」と
    か「オンラインで活動できるようにブログをつくりましょう」とか、様々な講
    座があるんだから、「画家のみなさん、⽂句ばかり⾔っていないで、ぜひ参加
    してくれよ!」みたいに思ったりしないですか?
    ⿊沼:そうですね。これもなかなか⾔葉を選ぶ話題なんですけど(笑)、僕も
    含めて、絵描きって結構マイペースなところがあって、興味を持てないことに
    対しては本当に無関⼼なんです。なので、僕がいくら真剣に教えても、聞く⽿
    を持たない⼈は全く聞いてくれないし、僕の⽣徒さんでも、頑張れなくてすぐ
    辞める⼈もいるんですよ。
    画家さんは、そもそもお⾦に弱いというか無頓着な⼈が多いので、そういう⽅
    をどうやって引き込むかが最近の悩みどころです。
    僕の教える通りに全部やってくれれば必ず結果が出る⾃信はありますし、⾃信
    だけじゃなくて、ありがたいことに僕の⾔う通りにやった結果、僕に払ったお
    ⾦よりも何倍も絵が売れている⽅もいらっしゃるんです。
    でも、本⼈がやってもらわないと、助けてあげたくても助けてあげられないと
    いう現実はありますよね。
    ーー⼩⽟:それは僕も永遠の課題なので、向き合っていかなきゃいけないです
    ね。
    収⼊に余裕ができたおかげで、創作に打ち込めるようにな
    った
    ーー⼩⽟:スクール事業が伸びていて、直近でもいいお客様に新作を購⼊いた
    だいたりと、⾮常に順調に進んでいます。いまのビジネスにおける収⼊の内訳
    はどんな感じですか?
    ⿊沼:正直⾔って、ほぼ全てオンラインスクールの利益ですね。⾔い訳をさせ
    ていただくと、いまのような余裕がある状態になったことで、本当に出たい展
    覧会にしか出展しなくなったという事情があります。
    ーー⼩⽟:なるほど!お⾦を稼ぐための展覧会には無理して出る必要がなくな
    ったと。
    ⿊沼:そうです。まあコロナの影響ももちろんありますが、展覧会に出る回数
    が⼤幅に減ったので、以前のように、頻繁に会場で販売していたときよりは、
    絵の売り上げ⾃体は少なくなってますね。
    ーー⼩⽟:それって精神的にめちゃくちゃいい状態ですよね。
    ⿊沼:本当にそうですね。
    作品づくりに没頭できるのは、画家にとって最⾼の幸せ
    ⿊沼:⼩⽟さんにすごくお伝えしたかったことがあって。どうしてもお⾦を稼
    がなきゃいけない状態だと、「この絵は、これぐらい描いたら売れるだろうか
    ら、もう展⽰会に出しちゃえ」みたいな、作家にあるまじきことを考えること
    が現実的にあるんです。売れる最低限のクオリティを保って、⼤量に描いて展
    ⽰会に出して、あとはお客様まかせで、気に⼊って買ってくれればラッキーみ
    たいな。これは、作家としては⾮常に悔しいことなんです。
    いまの僕は収⼊の不安がないので、創作活動にじっくり集中できます。いくら
    でも時間をかけて、納得のいくまで筆を⼊れ続けられるわけです。常にベスト
    の作品を⽣み出そうと全⼒を出せる環境があるのは、作家としては本当に嬉し
    いことだし、最⾼の幸せだと思ってます。
    ーー⼩⽟:これは……今⽇⼀番いい話が聞けた!(笑)こんなに素晴らしいこ
    とはないですよ。画家は、本来なら⾃分が描いた絵を売って収⼊が得られるだ
    けでもありがたいですよね。でもいまの⿊沼さんは、そこからさらに1 つ上の
    幸せに⾏けたと。
    ⿊沼:もう⼀つお伝えしたいことがあります。僕は美術史が好きで、古い時代
    の画家のエピソードをよく読むんです。すると、1 枚の作品を描くのにどれだ
    け時間かかってるんだみたいな話がよくあるんですよ。「⼈⽣のうちにたった
    10 枚しか描いていないのに、なんでこの⼈ちゃんと⽣きていけたんだ」みたい
    な(笑)。そういう画家さんって、当時⼀番偉い王様とか将軍とかのお抱え画
    家になっていて、収⼊が保証されているんですよね。だから年単位で納得のい
    くまで描き続けることができる。
    僕はそういう画家への憧れがあって、でも⾃分には雇ってくれる王様も将軍も
    いないですから(笑)。なので、活動の基盤を⾃分で⽤意しなきゃいけないん
    ですが、それがインターネットを使ったビジネスなのかなって気がつきまし
    た。
    ゆくゆくは絵を描くだけでなく、企画やディレクションも
    ⼿がけたい
    ーー⼩⽟:⿊沼さんが、現在活動している美術家とか、あるいは美術業界の⼈
    間で注⽬している⼈っているんですか?
    ⿊沼:落合陽⼀さんとか⻄野亮廣さんですね。彼らも⼀応アート関係者なんで
    す。絵描きではないんですが、企画はもちろんやるし、作品の良し悪しを決定
    する⽴場でもある。アート業界におけるヒエラルキーそのものをつくっている
    ような印象です。将来は⾃分も彼らのようなことができたらいいなという憧れ
    はありますね。
    ーー⼩⽟:彼らの活動を⾒ていると、旧来からある美術業界へのアンチテーゼ
    のような感じもしますね。例えば画家で名をあげたいなら、特定の団体や組織
    に⼊らないと権威ある賞が絶対受賞できないとか、悪しき慣習があるじゃない
    ですか。そういう古い枠をぶっ壊して、新たな価値基準をつくろうとしている
    印象はたしかにありますね。
    ⿊沼さんなら、きっとできるんじゃないですか?(笑)
    ⿊沼:できないと思わずに「⾃分でもできる!」と思いこんで、できる前提で
    頑張りたいと思います(笑)。
    ーー⼩⽟:いや、できると思いますよ。だって同じ⼈間がやってるんですか
    ら。今後、進みたい⽅向というか、⽬標みたいなものってありますか?
    ⿊沼:いまはオンラインの講座で多数の⼈に⼀度に配信して、レクチャーもオ
    ンラインで完結するビジネスをやっているので、もう少し⽣徒さん⼀⼈ひとり
    に僕のエネルギーを使っていきたいですね。⽣徒さんが夢を叶えるのを助ける
    ことができるように、コンサルというか、もっとマンツーマンに近い活動をし
    ていきたいなと思っています。
    悶々と悩む画家仲間を、⾃分のビジネスで助けてあげたい
    ーー⼩⽟:ちょっと話が戻るかもしれないですけど、画家さんが抱えるリアル
    な悩みってどういうところにあるんでしょう。
    ⿊沼:絵が売れないとかの問題よりも、もっと根本的な部分に悩みがあって。
    そもそも⾃分がやってることに意味があるのだろうかと悩んでいるようです。
    僕はビジネスに本気で取り組んでいるので、「いくら利益が出たのか」みたい
    な、数字の部分にどうしてもコミットするんですけれど、⽣徒さんの中には
    「画家としての価値って数字だけじゃないでしょ?」という⾵に考えている⼈
    が少なくありません。
    例えば、展覧会への出展を準備するのに1 回30 万円かかってしまうとしま
    す。でも売れたのが10 万円の絵が2 枚だけだったとすると10 万円の⾚字で
    す。でも、画家さん本⼈はあまり気にしていない。⾃分の絵を気に⼊ってくれ
    た⼈と出会えて、その⽅の家に⾃分の絵を飾ってもらえるというわけですね。
    この経験はお⾦では買えない価値ですが、でもやっぱりそれだけでは⽣活でき
    ない。
    僕のビジネスでは、「展⽰会でちゃんと絵が売れて、画家としての価値が満た
    されて、しかも⽣活できる」という、画家としての切なる願望を叶えてあげら
    れるサービスが作れたらいいなと思っています。
    ーー⼩⽟:展⽰会で頑張って売ろうとしているけど、でも売れない。そして、
    ⾃分のやっていることに本当に意義があるのか、価値があるのかと悩んでいる
    画家さんたちというのは、どういう⾵に創作活動をしているんですか?
    ⿊沼:アルバイトで⾷いつなぎながら、ほとんど時間もお⾦もないような状態
    で絵を描いています。ほとんどの⽅は、年に⼀度、頑張って何⼗万円か⽤意し
    て個展を開くのですが、だいたいは1 枚も売れません。「いい思い出ができた
    な」で終わりになってしまう⼈が多いと思います。
    ーー⼩⽟:⿊沼さんとしては、「これを続けて⼀体どうなるんだろう」みたい
    に悶々としている画家さんたちの⼈⽣を変えてあげたいし、実際に変えられる
    ⼒がありますよね。
    ⿊沼:そうですね。変えていきたいですよね。
    ネットビジネスで成功したいなら、常識を疑え
    ーー⼩⽟:画家って普通の職業ではないですよね。サラリーマンみたいに、毎
    ⽇会社に⾏って、決まった⽇に給料が振り込まれるわけじゃない。必ずしも収
    ⼊に直結するわけではない中で、アルバイトしながら⾷いつないでいて、でも
    ⾃分の作品は真剣に描いていくという先の⾒えない⽣活が延々と続くわけで
    す。「いったいこの先にどんな未来があるんだろう」と、ふと考えてしまう瞬
    間があると思うんですよ。
    僕もバンドマンをやっていたのでわかるんですが、「◯◯歳までやったらあき
    らめよう」みたいに、⾃分で区切りを決めてやめてしまう⼈が多いんです。画
    家の世界はどうなんですか?
    ⿊沼:美術業界って⼥性がすごく多いんですよ。男性はあんまりいない。ちょ
    っと⾔いにくいのですが、⼥性の画家さんの場合、⾃分はもう成功できないと
    わかると、結婚を区切りに活動をやめてしまう⼈が結構います。セクハラ的な
    ⾔い⽅かもしれないですが、現実にそういう話をよく聞くんです。ただ、男性
    の画家の場合は、どうしているんでしょうか……僕もあまり知らないですね。
    ーー⼩⽟: この対談を⾒ている⼈は、「インターネットを活⽤してお⾦を稼
    ぎたい」とか「⾃分の好きなことや得意なことで⾷べていけたら幸せだよね」
    と考えている⼈たちが多いと思うんですよ。そういう⼈たちがどうしたらビジ
    ネスで成功できるのか、アドバイスはありますか?
    ⿊沼:これは昔の⾃分に⾔いたいことでもあるんですが、いま⾃分がいる場所
    や業界の常識、例えば声が⼤きい⼈の意⾒とか多数派が考えていることです
    ね、そういうものを盲信するのはやめましょう。
    おそらく、みなさん素晴らしい技術とか経験をお持ちだと思うので、それをま
    ず極めてください。それに加えて、いまの時代に合った集客の⽅法だとか、販
    売の仕組みというものをきちんと勉強して、集客⼿段と収⼊の柱をオンライン
    上に持つことですね。これが今後のビジネスではより重要になってくるんじゃ
    ないかと思います。
    ーー⼩⽟:最後になりますが、今⽇聞いた話の中で本当に⼀番響いたのは、稼
    ぐためだけに絵を書く必要がなくなったという経験談ですよ。収⼊に余裕が⽣
    まれたことで、本当に⾃分の作品に向き合って最⾼の作品を作れるようになっ
    たと。この話がめちゃくちゃ響きましたね。
    1 つの作品が世に出るっていうのは、新たな価値が世に⽣まれたってことじゃ
    ないですか。これまでに存在しなかったものが新たに現れたということだか
    ら、世の中への価値としてめちゃくちゃでかいことだし、そういう価値を提供
    できる画家さんたちがいっぱい出てきたら、⽂化的にもすごく豊かな社会にな
    るんじゃないのかな。職業として、仕事として絵を⽣み出すだけじゃないとい
    う話です。それがね、なんかグッときました。
    ⿊沼:ありがとうございます。嬉しいです。
    ーー⼩⽟:はい、ということで、⿊沼さんから今⽇は⾊々な話を聞かせていた
    だきました。画家といってもマネタイズは⾊々だし、集客の⽅法も1 つじゃな
    い。昔からのやり⽅だけにとらわれずにやっていけるんだなあというのが、今
    ⽇のお話でよくわかりました。本当にありがとうございました。
    ⿊沼:こちらこそ、ありがとうございました。
    会社員歴20 年の主婦がパソコン時
    短術の販売で独⽴!⽉110 万円を稼
    いだ秘密を全部お伝えします
    フロントラインワークスで学び、オンラインビジネスで成功した⽅を紹介する
    本レポート。4 ⼈⽬は、パソコン講師の古⼝梨絵さんをご紹介します。古⼝さ
    んは主婦として⼦育てに奮闘する中、会社員としても20 年間働いてきまし
    た。副業を模索していくうちに⼩⽟歩のセミナーに出会い、「パソコン時短
    術」を教える副業をスタートさせました。⼀⾒すると平凡に思えるパソコン時
    短術ですが、なんと販売1 ⽇⽬で110 万円もの売り上げを達成。2020 年には
    年商1300 万円を稼ぎ出しました。仕事で⾝につけたスキルを商品にし、ネッ
    トビジネスで成功できた背景には、どんな戦略やマインドがあったのでしょう
    か。
    古⼝梨絵
    主婦/パソコン講師
    ーー⼩⽟:まずお聞きしたいのですが、「パソコン時短術」とは、⼀体何なん
    でしょう?
    古⼝梨絵(以下、古⼝):簡単に⾔うと、「パソコン仕事がめちゃめちゃ早く
    なる操作法」です。会社員当時の私は、パソコンで⾊々な事務処理をする仕事
    をしていたんですね。20 年間パソコンばかり触ってきましたから、常に「どう
    やったら効率よく作業を終えられるか」を考えて、実践してきたんです。
    いま私が⽣徒さんにお伝えしているパソコン時短術は、会社員当時の経験を活
    ⽤してコンテンツ化したものです。この時短術を学べば、パソコンにしばられ
    る時間を⼤幅に節約できます。それによって浮いた時間をプライベートなど
    ⾊々なことに回せるので、私⽣活にも余裕が⽣まれるんですよ。
    古⼝さんはどのくらい稼いでいる?
    ーー⼩⽟:この対談はビジネスがテーマです。なので、まず初めに、古⼝さん
    がどのくらい稼いでいるかを聞かせてください。
    古⼝:いまのオンラインビジネスを始めて、今⽉で1 年半なんですけれど、初
    年度の2020 年は年商1300 万円ほどになりました。粗利は700 万円くらいで
    す。
    ーー⼩⽟:700 万円ですか……みなさん、どうよ!(笑)直近だとどんな感じ
    ですか?
    古⼝:先⽉の売り上げは350 万円ですね。利益はその半分以上残ってます。お
    かげさまで儲かってますね(笑)。
    20年の会社員⽣活で培ったパソコンスキルを副業に
    ーー⼩⽟:古⼝さんは、現在のビジネスを副業として始めたあと、2020 年11
    ⽉に独⽴されたんですよね。そもそもオンラインビジネスを始めたきっかけは
    何だったんですか?
    古⼝:⼩学⽣の⼦供が2 ⼈いるのですが、私は専業主婦になろうとは思わなか
    ったんですね。このまま定年まで会社員でやっていく予定でした。
    でも、会社員は給料が⾶び抜けていいわけじゃないですよね。うちは共働きな
    のでカツカツではありませんが、「お⾦に不⾃由したくないなあ」という思い
    はすごくありました。それで家計の⾜しになる仕事があればなと、副業を始め
    たんです。
    最初はデータ⼊⼒の副業からスタートしました。でも1 か⽉で数千円とか、そ
    のくらいしか稼げなくて。
    ーー⼩⽟:データ⼊⼒の仕事は、空き時間をお⾦に換えるという点では悪くな
    いですが、⽉に数千円だと、ちょっと買い物に⾏ったらマイナスですよ。
    古⼝:そうなんです。それで⾊々な副業を探しつつ、いい機会なので⾃分の知
    識も広げたいなと思ってアンテナを広げていたところ、2019 年に⼩⽟さんが
    開催された「好きなことで⽣きていく 3STEP メソッド」というセミナーを⾒
    つけたんです。
    セミナーに参加して⼩⽟さんのお話を聞いてみたら、「これだ!」とすごく納
    得できたんですよ。「そっか、⾃分の好きなことや得意なことで稼げたら最⾼
    じゃん」と(笑)。
    そのセミナーを受けたあと、じゃあ私の好きなこと、得意なことは何だろうな
    と考えたんです。私は20 年以上会社員をやってきたので、得意なことってパ
    ソコン仕事くらいしかなくて。それならパソコンのスキルを商品にしようと考
    えついたのがいまの仕事です。
    エクセルのマクロをヒントに時短術を開発
    ーー⼩⽟:パソコン時短術というアイディアはすぐに思いついたんですか?例
    えば、着付けを⻑年習ってますとか、バスケットボールで全国⼤会に出ました
    とか、そういう得意ジャンルがもともとある⼈なら、それをネタにして副業し
    てみようかと、割とスムーズに考えつくと思うんですよ。
    でもほとんどの⼈は、特に古⼝さんみたいに普通の会社員として働いてきた⼈
    は、得意なことで稼げたらいいなと思いつつも、「お⾦をいただけるほど得意
    なことって、⾃分にあるのかな?」と躊躇してしまうはずです。古⼝さんは、
    パソコン時短術で副業しようとパッと思いついたんですか?
    古⼝:割とすぐに思いつきましたね。そのアイディアを思いついた当時、仕事
    でエクセルのマクロに取り組んでいたんです。エクセルのマクロとは、ご存知
    の通り、様々なデータの集計や分類などを⾃動で処理するプログラムのことで
    す。
    当時の私は、1 万2 千時間分(年間で4 ⼈分の仕事量に相当)の作業を、ボタ
    ン1 つ押すだけで終わらせてしまうプログラムを⼿がけていました。そういう
    パソコンの時短スキルを、パソコン操作が苦⼿な⼈に向けてわかりやすく教え
    たら、きっと多くの⼈に喜んでもらえるんじゃないかと考えたわけです。
    ーー⼩⽟:僕も10 年くらい前まで会社員をしていたんですが、そのときも同
    じ職場に1 ⼈だけいましたよ、「マクロのプロ」みたいな⼈(笑)。苦労して
    作ったエクセルのシートがうまく動かない場合、その⼈に聞かないと全然前に
    進まない(笑)。
    古⼝:私も社員数1000 ⼈以上の会社にいたんですけど、マクロを使えるのは
    ⽚⼿で数えるほどしかいませんでしたね。
    ⼀⾒すると平凡な講座が、爆発的に売れた
    ーー⼩⽟:古⼝さんの⽣徒さんは、男⼥⽐で⾔うとどちらが多いですか?
    古⼝:私は「働くママ」に向けて情報発信しているので、⽣徒さんはほぼ⼥性
    で、しかもお⼦さんがいらっしゃる⽅ばかりです。
    お⺟さん、すごく忙しいんですよね。共働きしていても、家事はほとんど⼥性
    がやっているのが現実です。それに会社の仕事を家に持ち帰る⼥性も結構いま
    すし、最近はテレワークの影響で、仕事とプライベートの境⽬が曖昧になるこ
    とも増えている気がします。
    ーー⼩⽟:そういった忙しい⼥性やママさんに向けてパソコン時短術を開発し
    たわけですが、驚いたのが最初に商品化した講座の中⾝ですよ。
    古⼝:ショートカットキーを学ぶ講座でしたからね(笑)。
    ーー⼩⽟:「Ctr キー+C」で⽂字をコピーして、「Ctr キー+V」で別の位置
    に貼り付けるみたいなやつですよね。いくらなんでもね、パソコンを普通に使
    っている⼈なら、そんなショートカットキーは常識ではないかと(笑)。お⾦
    払って勉強しようという⼈なんてまずいないんじゃないかなと思ったんです
    よ。
    古⼝:そう思うのは無理もないです(笑)。でも、みなさん意外に知らないん
    ですよ。例えば、Web サイトを何ページも⾒ていて、1 つ前のページに戻りた
    い時に使うショートカットとか。商品の申し込みフォームで、1 つ前の記⼊欄
    に移動したい場合に、マウスを使わずショートカットで移動するとか。
    ショートカットキーを覚えると作業効率がすごく上がって、仕事がめちゃくち
    ゃ早くなるので、⽣徒さんもすごく喜んでくれますよ。「もう、マウス使いた
    くないです」って(笑)。
    ーー⼩⽟:商品の内容もそうですが、もっと驚いたのが売れ⾏きです。いくら
    売れたんでしたっけ?
    古⼝:販売初⽇だけで売り上げが110 万円になりまして(笑)。後⽇、メルマ
    ガ読者さんに向けて改めて販売したら、150 万円分も売れました。
    ーー⼩⽟:古⼝さんからこの時短術講座の感想を聞かれた時、僕は「ちょっと
    難しいかもよ」とはっきり答えました(笑)。売れないと感じた商品について
    は、僕は正直に「売れない」と伝えますからね。でも蓋を開けてみると、古⼝
    さんのパソコン時短術は予想に反して売れまくった(笑)。
    古⼝さん⾃⾝が主婦で会社員だから、ママさんたちの時短術に対するニーズを
    よく知っていたのだと思います。やっぱりお客さんの⽣の声に勝るものはない
    ですね。
    パソコン時短術の講師なのに、パソコンの使い⽅でつまず
    いた
    ーー⼩⽟:副業をするみなさんは、最初は誰でもどこかで失敗しますよね。古
    ⼝さんはどうでしたか?
    古⼝:実は、パソコンの扱い⽅で……(笑)。
    ーー⼩⽟:なんと(笑)。パソコン時短術の先⽣がパソコンの使い⽅でつまず
    くという(笑)。
    古⼝:嘘みたいな話ですが本当なんです。会社でのパソコン業務と、オンライ
    ンビジネスで必要なパソコンのスキルは違うじゃないですか。例えば、画像や
    動画の編集、ウェブ広告の出し⽅などがそうですね。会社での事務作業とはま
    るで違うので、結構つまずきました。ただ、新しいスキルを⾝につけるのは好
    きな性格なので、試⾏錯誤しながら楽しくやってましたね。
    ーー⼩⽟:僕がコミュニティを運営していて気になるのは、ビジネスがうまく
    いかないと、⼼配になるくらい落ちこむ⼈がいることです。中には号泣しちゃ
    う⼈もいたりして。そういう壁にぶつかっている⽣徒さんたちを「頑張ろう
    よ!」と慰めるのも僕の仕事なんですが、古⼝さんは、ビジネスが失敗しても
    のすごく落ち込んだ経験はなかったんですか?
    古⼝:ビジネスの中でということなら、あまり落ち込むことはなかったです
    ね。もちろん、うまくいかないことはありますが、「他の⽅法を試してみよ
    う」とすぐに切り替えられるんです。切り替えてもうまくいかない場合は、
    「⾃分の戦略が間違っていたんだな」とあきらめて、また別の道を探します。
    失敗すると⾃⼰否定する⼈っていますよね。ビジネスの⼿法が間違っていただ
    けで、⼈としてダメなわけじゃない。なのに、「⾃分はダメ⼈間なんだ」っ
    て。それはなんかもったいない。悩んでいる暇があるなら、⾊々な⽅法を試し
    てみればいいのではと思いますね。
    いまビジネスで成功している⼈たちも、みなさん失敗して、壁にぶつかって、
    それを乗り越えているわけです。だから、失敗してもいちいち落ち込まないで
    欲しいなと思います。
    「テレワーク講座」が第2のブレークポイントに
    ーー⼩⽟:古⼝さんがビジネスを成功させた過程を振り返ってみて、「ここが
    ブレークポイントになったな」ということは何ですか?
    古⼝:1 つ⽬のブレークポイントは、間違いなく「ショートカットキー講座」
    です。初めて⾃分で考えて、商品を作り、しかもすごく売れましたから。
    2 つ⽬は、⼩⽟さんにディレクションしていただいた「テレワーク講座」で
    す。2020 年の5 ⽉くらいでしたか、コロナで緊急事態宣⾔が出た頃、⼩⽟さ
    んに新しいビジネスについて⾊々相談したんです。その時おすすめしていただ
    いたのが、テレワーク講座でした。アドバイスを参考に商品を作って販売した
    らかなり需要があったので、そこも私にとっては⼤きなブレークポイントにな
    りました。
    ーー⼩⽟:あの当時はZoom が⼀気に広がったじゃないですか。YouTube で
    も「Zoom の使い⽅」みたいな動画の再⽣回数がめちゃくちゃ伸びてたので、
    これは需要がありそうだと思っていたんです。実際、テレワークの講座を販売
    してみた感触として、テレワークに対する不安を抱えている⽅は多かったです
    か?
    古⼝:「職場でパソコン操作でつまずいても、詳しい⼈が必ず1 ⼈はいるから
    すぐに助けてもらえた。でもテレワークではそれができないので困った……」
    という声はとても多いですね。
    テレワークのニーズに応えたコンテンツで稼ぎまくった!
    ーー⼩⽟:テレワーク講座の中⾝について詳しく聞かせてください。テレワー
    クがテーマの講座なので、Zoom の使い⽅とか、情報管理などのセキュリティ
    ⾯を教える内容だと思っていたんですが、どうやら少し違う内容だった印象が
    あるのですが。
    古⼝:もちろんZoom の使い⽅やセキュリティ⾯の知識などはコンテンツに含
    めました。ただそれだけじゃなくて、「そもそもパソコンってこういう仕組み
    で動いている」みたいな、とても基本的な知識についても網羅した内容になっ
    ています。
    例えば、エラーが出たときの対処の仕⽅とか、フォルダーの扱い⽅などです
    ね。あとは、テレワークの効率化という視点から、チャットやメールを使うコ
    ミュニケーションのコツとか、タイピングのスキルなども動画で説明していま
    す。
    コンテンツをたっぷりつめこんだからか、サポート付きで10 万円、サポート
    なしで5 万円の講座が相当売れましたね。受講⽣数はのべ150 ⼈ほどでしょう
    か。
    ーー⼩⽟:いくら稼いだかは、みなさんご⾃分で計算してくださいね(笑)。
    ⼤病がきっかけで⼈⽣を⾒つめ直した末に独⽴へ
    ーー⼩⽟:古⼝さんは、副業に取り組んでいく中で、「事業が安定したら会社
    をやめるぞ」という気持ちはもともと持っていたんですか?
    古⼝:副業を始めた当初は、そういった気持ちは全くなかったですね。このま
    ま⼀⽣会社員だろうと思っていました。気持ちが変わったのは、⼤病した経験
    が⼤きかったですね。
    ちょうどフロントラインワークスに⼊った直後だったんですけれど、死の淵を
    さまようほどの病気にかかってしまい、⾃分の⼈⽣を真剣に考えたんです。こ
    のまま会社員でいいのかなって。⼦供もいるし、お⾦にも特に不⾃由してない
    けれど、毎⽇⻑時間、満員電⾞でストレスを感じながら通勤して……。こんな
    ⼈⽣、ちょっとつまんないなと思っちゃったんですね。それからは、副業が順
    調にいったらすぐに独⽴しようと考えを変えました。
    ーー⼩⽟:安定を捨てる不安はありませんでしたか?僕は会社員時代、副業で
    ⽉に700 万から800 万は稼いでいたんですが、それでも会社をやめるのは怖か
    ったですよ。世の中のレールから外れてしまう感じがして。
    古⼝:おっしゃるような漠然とした不安は少しだけありました。やっぱり会社
    員の⾝分は魅⼒的ですからね。毎⽉必ず決まった⽇にお給料やボーナスを頂け
    ますし。
    ただ、それ以上に⾃由が欲しかったんだと思います。時間の⾃由、仕事の⾃由
    ですね。それらをお給料と天秤にかけてみたら、私にとっては⾃由のほうが価
    値が上でした。
    ビジネスを始めた結果、ライフスタイルが激変した
    ーー⼩⽟:会社員時代と独⽴後では、ライフスタイルはどんな⾵に変わりまし
    たか?
    古⼝:もうガラッと変わりましたね。会社員時代は、毎朝4 時半に起きて5 時
    半には家を出てましたから(笑)。電⾞通勤で会社に着くのが8 時前くらい
    で、そこから仕事を始めて⼣⽅4 時半には会社を出て、6 時に保育園へ⼦供を
    迎えにいきます。帰宅は7 時前で、そこから⼦供達にご飯を⾷べさせて、お⾵
    呂に⼊れて、夜9 時には寝かしつけて……。⾃分は11 時くらいに寝て、朝が
    きたらまたその繰り返しという⽣活でした。
    ーー⼩⽟:働くお⺟さん、やばい(笑)。めちゃめちゃ⼤変ですね。いまのラ
    イフスタイルはどうですか?
    古⼝:いまは特に仕事の時間を決めていません。もともと早起きなので朝5 時
    には起きます。7 時に朝ご飯を⾷べて、8 時に家族を送りだしたら、⾃分の仕
    事をぼちぼち始める感じですね。昼間はピラティスに週2 回通って体幹を鍛え
    ています(笑)。⼦供たちは⼣⽅6 時くらいに帰ってきますね。
    ーー⼩⽟:会社員時代に⽐べると、ゆったりしてて優雅な⽣活じゃないです
    か!⾃由って本当にいいですよね。僕も会社をやめた時、「ああ、なんて空が
    ⻘いんだ」と感動しましたから(笑)。
    夫の応援、⼦供たちの変化が何よりも嬉しい
    ーー⼩⽟:ところで、古⼝さんが副業から独⽴を経て、いまビジネスに取り組
    んでいることについて、旦那さんはどう感じているのでしょうか?
    古⼝:「休⽇にそこまで仕事しなくても……」みたいに⾔われることはありま
    す(笑)。でも、副業を始めた頃は特にそうでしたが、ある程度結果を出すま
    ではあきらめないでやり続けたいという気持ちがあったので、休みの⽇もずっ
    とパソコンを開いてカタカタやっていました。
    成果が出るようになると、態度も良い⽅向に変わっていきましたね。「会社を
    やめて、ネットビジネスするの」と伝えたら、「頑張って!」と応援してくれ
    たのがとても嬉しかったです。
    ーー⼩⽟:旦那さんが応援してくれた背景には、先ほどうかがった病気の経験
    が影響してたのかもしれませんね。病気なんてしないほうがもちろんいいので
    すが、でも⼤病を経験したからこそ、やりたいことをさせてあげたいという
    か、精⼀杯応援してあげようという気持ちになったのだと思います。
    お⼦さんたちの様⼦はどうでしょう。会社員時代と⽐べて変化はありました
    か?
    古⼝:気持ちの⾯で落ち着きが⽣まれましたね。⼦供のことで、いまでもちょ
    っとしたトラウマになっている体験がありまして……。私がいつものように朝
    5 時半に出勤しようとした時に、まだ3 歳くらいだった⻑⼥が部屋から⾶び出
    してきて、「ママ、いかないで!」と泣いてしがみついてきたんです。
    それがすごくショックで……。「これ以上、⼦供たちを悲しませたくない!」
    と痛感したことが、独⽴の原動⼒になったのは間違いないですね。
    いまは家で仕事ができるので、⼦供たちが悲しむこともありません。私⾃⾝
    も、出かける⼦供たちに「いってらっしゃい」「おかえり」と⾔ってあげられ
    る余裕ができたので、精神的にとても安定しました。
    「エクセルのマクロを教える講座」を商品化したい
    ーー⼩⽟:ネットビジネスで独⽴し、⽣活も充実してピラティスにもいけるよ
    うになった(笑)。家族との関係も良好で、精神的にも豊かな⽇々を送れるよ
    うになったわけですが、今後、古⼝さんが「こういうことをやっていきたい
    な」と考えていることはありますか?
    古⼝:直近の⽬標としては、エクセルのマクロを教える講座を開きたいです。
    エクセルのスキルがあったからこそ、パソコン時短術を思いついたわけで。私
    の⼈⽣を変えるきっかけになったエクセルで商品を作ってみたい気持ちがあり
    ますね。
    ⼈⽣の⽬標としては ⾃分の⽬で⾊々なものを⾒て、体験したいですね。例え
    ば海外旅⾏がそうです。いまはコロナでいけないですけど、世界中の遺跡めぐ
    りなんかしてみたいですね。
    ーー⼩⽟: いまの古⼝さんの⽣活は、会社員だと叶えるのが難しい⽣活です
    よね。もしずっと会社員だったら、毎朝4 時半に起きて5 時半に家を出て……
    という⽣活が続いていたでしょうし、いまのような余裕のある⽣活は想像すら
    できなかったと思うんです。
    僕も時々ふと思うことがあるんですよ。副業やネットビジネスで成功していな
    かったら、ずっと会社員のままだったら、どんな⼈⽣になっていただろうかっ
    て。
    例えば、真昼間に⼀⼈で都内をドライブしていると、「あああ、成功できてマ
    ジで良かった!」と叫びたくなることがあるんです(笑)。たぶん古⼝さん
    も、これからそういう気持ちが度々湧いてくると思います。「⾃分の好きな時
    間にピラティスできて、マジで嬉しい!」みたいな(笑)。
    古⼝:会社員時代、ずっと夢みてたんです。独⽴して時間ができたらピラティ
    スに通うって(笑)。だから夢が叶いました。
    成功の秘訣は、「真似」「素直」「継続」「あきらめな
    い」
    ーー⼩⽟:このレポートを読んでいる⼈の中には、古⼝さんみたいに⾃分の得
    意なことでビジネスをして、幸せな⼈⽣を送りたいけれど、まだ踏ん切りがつ
    かなく⼿をつけていないとか、すでにスタートして頑張っているけれどうまく
    いかないといった⽅がいらっしゃるはずです。壁にぶつかって悩んでいる⽅に
    向けて、どうしたらネットビジネスで成功できるのかを教えていただけます
    か?
    古⼝:うまくいっている⼈の真似をすることだと思います。⼼理学では「モデ
    リング」と⾔いますが、やっぱり成功している⼈と同じように⾏動すること
    が、成功するために⼀番⼤きな要因だと思います。
    あとは、尊敬している⼈や模範となる⼈のアドバイスを素直に聞いて実⾏する
    ことが⼤切ではないでしょうか。私の場合、個⼈的に⼈⽣の師匠と思っている
    ⽅がいます。その⽅から「1000 ⽇くらいメルマガ続けてみたら?そしたら⼈
    ⽣変わるよ」と⾔われたんですよ。その⾔葉を信じて、私も⾃分のメルマガを
    550 ⽇間、書き続けました。
    ーー⼩⽟:それだけメルマガを書き続けたら、⼈⽣変わりますよね(笑)。凡
    ⼈には到底できないことですから。
    古⼝:当たり前ですが、継続こそ⼒ですよね。例えば、最近は⾳声配信が流⾏
    っていますが、私も以前からアメリカで⾳声メディアが増えていることを知っ
    ていたので、ビジネスの情報発信に活⽤できないかと注⽬していました。いま
    ではほぼ毎⽇配信しています。
    ーー⼩⽟:古⼝さんって、何かに取り組むときのスピードと継続⼒が尋常じゃ
    ないんですよ(笑)。いまおっしゃったように、ビジネスでは継続が強い武器
    になります。もちろん⼈それぞれ能⼒や環境の違いがあるので、短期的な数字
    には差がでるでしょう。でもコツコツと継続できていれば、成果は確実に積み
    上がっていくわけです。
    昔は、1 年2 年と時間をかけてじっくり成果を出す⼈ってあまりいなかったん
    ですよ。どちらかというと、「3 か⽉でドカンと稼ぎました!」みたいなタイ
    プの⼈が多かった。でも最近のネットビジネスの傾向を⾒ると、継続している
    ⽅のほうが成功率も⾼いんですよね。
    あとは、あきらめないこと。これもすごく⼤事ですね。あきらめないためのコ
    ツとかありますか?
    古⼝:結果が出るまでやり続けるほかないですね。結果が出るまでやり続けら
    れないのはゴールが描けていないからです。ゴールがしっかり描けていると、
    あとはそれに向かって頑張るだけですから、やり⽅を⼯夫していけばいずれ到
    達できます。でも、⾒えないゴールに⽴ち向かっていくのは⼤変ですから、途
    中であきらめてしまうことが増えるでしょうね。でも、あきらめない気持ちが
    ⼤事です。
    ーー⼩⽟:僕は「妄想⼒」と⾔っているんですが、「これを成功させたら凄い
    ことが待っているぞ!」というワクワク感が⼤事なんです。いま古⼝さんがお
    っしゃった「ゴールを描く」というお話も、このワクワク感を妄想できている
    かということでしょう。妄想できていれば、やるべきことが具体的にイメージ
    できるので、継続もできます。
    さて、うまくまとまりましたね(笑)。今回は、パソコン時短術の古⼝先⽣に
    お越しいただき、貴重なお話を聞かせていただきました。
    古⼝:ありがとうございました。
    元・不良中学⽣がネットで年商
    9000 万円!失敗を乗り越えてたど
    り着いた「Web ライター」の世界と
    は?
    フロントラインワークスで学び、オンラインビジネスで成功した⽅を紹介する
    本レポート。5 ⼈⽬はWeb ライタースクールを運営している⻄原豊明さんをご
    紹介します。複雑な家庭環境で育った⻄原さん。「この状況から早く抜け出し
    たい」「普通の家で暮らすために、お⾦を稼ぎたい」と⼀念発起し、様々な副
    業に挑戦します。しかし、ことごとく失敗。最後にたどり着いたのが、ライテ
    ィングを仕事にするWeb ライターでした。現在は、北九州市でWeb ライター
    を養成するスクールを運営しています。波乱万丈の半⽣を振り返りつつ、⻄原
    さんならではの個性的な成功法則を語っていただきました。
    ⻄原豊明
    Webライター養成スクール経営
    ⻄原さんはどのくらい稼いでいる?
    ーー⼩⽟:今回は、Web ライターを養成するスクールを運営している⻄原豊明
    さんに来ていただきました。このインタビューの恒例の質問ですが、いまどれ
    くらい稼いでるんですか?
    ⻄原豊明(以下、⻄原):2020 年が年商9000 万円、利益はその半分くらいで
    す。今年は現在の時点で売り上げが3000 万円くらいですね。
    ーー⼩⽟:じゃあ去年より減ってますね(笑)。サボってます?落ち⽬かな?
    (笑)
    ⻄原:いやいやいや!(笑)サボってるわけじゃなくて、⾊々と種まきをして
    いたので、⼀時的に活動が減っただけですよ。まだ種から芽が出てないだけ
    で、落ち⽬ではないです(笑)。
    「この家から抜け出したい」だけがモチベーションだった
    ーー⼩⽟:本来なら、この対談はビジネスの話がメインなのですが、⻄原さん
    の場合⽣い⽴ちがかなり特徴的なので、まずそこから⼊りたいなと思います
    (笑)。
    ⻄原:⽣まれは福岡県の北九州市です。「北九州」という時点でちょっと引か
    れるというか、「怖いな」と思う⼈もいるかもしれないですが(笑)。僕⾃⾝
    は全然怖い⼈間ではないですからね。
    ーー⼩⽟:そうは⾔ってもね、あなたから聞いた話、全部怖すぎるから
    (笑)。まず、どの辺りから話してもらいましょうかねえ(笑)。
    ⻄原:⾔える範囲で話しますね(笑)。北九州というと、みなさんが持ってい
    るイメージの通りで、まあいわゆる不良とか怖い⼈が多い街です。
    僕は違いますけど(笑)。なので、僕の友達にもそういう⽅はたくさんいらっ
    しゃいました。
    ⼦供の頃の話をすると、僕が住んでいた家がめっちゃボロボロだったんです
    よ。床板が腐って⽳が空いてるとか、お⾵呂が外にあるとか(笑)。ただ、い
    くら貧乏でも、もちろん親のことは愛してますからね。育ててくれたんですか
    ら。
    でも、とにかく「親みたいにはなりたくない」という気持ちがあって、それが
    10 代から20 代にかけてのモチベーションになってたことは間違いないです
    ね。貧乏⽣活から抜け出したいから、早く就職してお⾦を稼ぎたかった。⾼校
    に進学したのも、中卒だと就職に不利だからです。
    ーー⼩⽟:家が貧乏だったとのことですが、貧乏エピソードみたいな話をひと
    つ聞かせてもらえませんか?
    ⻄原:⼩学⽣の頃、両腕を同時に⾻折したことがありました。⾼いところから
    落ちたときに、両腕が同時に地⾯にぶつかって⾒事にヒビが⼊ったんです
    (笑)。病院に⾏くとお⾦がかかるので、ずっと我慢していたら腕がパンパン
    に腫れ上がってしまって(笑)。それでも、「治療するとお⾦かかるなあ」と
    思って親にはしばらく黙っていたんです。結局お⽗さんに⾒つかって、ものす
    ごく怒られました(笑)。
    ーー⼩⽟:お⽗さんは⼟⽊関係の仕事をしていたんですよね。お⺟さんは仕事
    をされていたんですか?
    ⻄原:お⺟さん……何をしていたんですかね?ちょっとわかんないです
    (笑)。家にいて、ずっと誰かに電話していたことは覚えています(笑)。あ
    と、いつでも夫婦喧嘩してましたね。ちなみに、5 回くらい結婚しています。
    本当は5 回以上結婚しているらしいんですが、詳しくは知りません(笑)。僕
    が知っている最後の旦那さんは、僕より年下でした(笑)。
    ーー⼩⽟:それ初めて聞いたよ(笑)。なかなか波乱万丈な⼈⽣ですが、でも
    そんなに結婚できるってことは、お⺟さんはすごくモテる⼥性だったんです
    ね。
    ⻄原:⾃分の⺟親なんで気持ち悪いですけど、まあそうなりますよね(笑)。
    衝撃のエピソード!個性豊かな家族・友⼈・職場
    ーー⼩⽟:それから、この話は本当に対談の趣旨から外れてしまうんだけど
    (笑)、あの話をもう⼀度聞かせてもらっていい?ほら、お⽗さんが⾎だらけ
    で帰ってきた話(笑)。
    ⻄原:お⽗さんが駅で誰かと喧嘩したらしいんですよ。で、お⽗さんから電話
    がかかってきて、「今すぐ逃げろ!そこから⽴ち去れ!ばあちゃんの家に⾏
    け!」って(笑)。
    そんなこといきなり⾔われても、怖いから逃げられないじゃないですか。それ
    で家で待ってたら、お⽗さんが⾎だらけになって帰ってきて(笑)。誰かに膝
    を刺されていたんです(笑)。
    ーー⼩⽟:なんでそうなるのよ(笑)。もうだめ、笑いすぎて涙出てきた
    (笑)。学校の後輩と揉めたら怖い⼤⼈に狙われた話もありましたよね(笑)
    ⻄原:⾼校3 年⽣の頃ですね。上級⽣になると、ちょっとイキっている下級⽣
    を⾒つけては「お前、⽣意気だ」みたいになるじゃないですか?いや、僕は違
    いますけどね(笑)。
    で、いつだったか、学校の廊下を歩いているときに、ある1 年⽣と僕の友達の
    肩がぶつかったんです。そうなると、まあ友達はイケイケですから、当然その
    ⼦に⼿を出しますよね(笑)。でもその⼦はボクシングをやっていたので、逆
    に僕の友達が負けそうになったんですよ。そしたら、周りで⾒ていた仲間がそ
    の⼦を囲んで、よってたかって殴る蹴るみたいな……(笑)。
    ーー⼩⽟:あなたは⽌めたんでしょ?
    ⻄原:僕は⽌めたんです!(笑)仲間の1 ⼈が、ブロックみたない⼤きな⽯を
    拾ってきて、それで1 年⽣を殴ろうとしたので、僕はもちろん⽌めました
    (笑)。
    ただ、殴られている⼦からすると、僕が仲裁していることなんかわかるはずも
    ないですよね。「あの場にいた上級⽣全員が攻撃してきた」としか思っていな
    い。その⼦のお⽗さんがめっちゃ怖い⼈で(笑)。僕は「⽌めに⼊りました」
    と必死に弁解したので⼤丈夫だったんですが、主犯の3 ⼈はそのお⽗さんに町
    中追い掛け回されたという、そんな話です(笑)。
    ーー⼩⽟:あれはどこまで話せるのかな?家に銃弾を打ちこまれた話(笑)。
    ⻄原:⾼校卒業後に⼊った会社が鉄鋼関係だったんですけど、その取引先に怖
    い⽅がいっぱいいたんです。服を全部脱いでも、もう⼀枚服を着ているような
    ⼈たちが(笑)。
    そういう⽅達の仕事って、ちょっと品質が悪いんですね。でも、それを理由に
    こちらが発注を断ると切れるから(笑)、怖いので我慢して依頼するんです。
    でも北九州って、たまに「世直しするぞ!社会をクリーンにするぞ」みたいな
    運動が起きるじゃないですか。その運動にうちの会社も巻き込まれて。そした
    ら、偉いさんの家の窓に鉄砲の弾が打ちこまれたという……これ、記事に載せ
    て⼤丈夫ですか?(笑)。
    ーー⼩⽟:あとは、あれでしょ?運転免許を取ったらお祝いに鯛がでてくるっ
    ていう(笑)。
    ⻄原:免許取った時もそうだし、⾼校を卒業した時もそうなんですけど、「⻄
    原家で初めてだ!めでたい!」って、お祝いの席に鯛がでてくるんです
    (笑)。
    免許なんて普通なら誰でも取れると思うんですけど、僕のお⽗さんもおじいち
    ゃんも教習所いくと喧嘩しちゃうんですよね(笑)。教官に対して「偉そうに
    教えるな」って(笑)。それで結局免許は取れなかった。
    ーー⼩⽟:どうして教官と喧嘩しちゃうのよ!(笑)。
    ⻄原:なぜでしょうね。⾃分が世界で⼀番強いと思ってたんでしょうね
    (笑)。
    ーー⼩⽟:えっと、お⽗さんは⾼校にどのくらい通ったんでしたっけ?
    ⻄原:たしか3 ⽇くらいだと聞いてます(笑)。ちなみに、僕のお姉ちゃんは
    1 か⽉くらい通ったんですが、いつだったか部屋の窓から⾶び出して消えちゃ
    いました(笑)。
    それで4 年くらい⾳信不通になったと思ったら、ある⽇突然お⽗さんに電話を
    かけてきたんですね。「⼦供を産んだから病院に迎えにきて」と(笑)。僕の
    知らない間に甥っ⼦ができていました(笑)。
    ーー⼩⽟:じゃあ⻄原さんも、⼝に出していないだけで、結構悪かったんです
    ね?
    ⻄原:いやいや、僕は本当に真⾯⽬⼀本でしたよ。
    ーー⼩⽟:そんなわけないでしょうが!(笑)
    ⻄原:本当ですって!運が良かったのか、僕の同級⽣にもそんなに悪い⼈はい
    なかったですし。
    ーー⼩⽟:でもブロック持ち歩くような友達がいるんでしょ?(笑)。
    ⻄原:それは稀なケースですよ(笑)。とにかく僕は働いて⾃活したかったか
    ら、友達と何かやろうとしても、就職に響くような酷いことは絶対にしないと
    決めてました。
    ーー⼩⽟:当時の⼈⽣のテーマが「就職」だったんだね(笑)。
    ⻄原:冗談抜きでそうでした。「とにかくこの状況から抜け出したい」という
    のが⼈⽣のモチベーションでしたね。⼦供の頃からずっとです。
    ネットビジネスに出会ったきっかけは、⼩⽟歩の本
    ーー⼩⽟:先ほどの話では、⾼校卒業後に鉄鋼関係の会社に就職したそうです
    が、仕事はどんな感じでしたか?
    ⻄原:仕事はめっちゃ真⾯⽬にやってましたね。⼀⽣懸命バリバリ働いて、1
    年後には芽が出たというか、会社の中でもかなり使えるやつみたいな⽴ち位置
    になってました。
    でも、その頃に⼩⽟さんの本に出会ってしまい(笑)、副業の世界があること
    を初めて知りました。
    ーー⼩⽟:僕の本を読んだきっかけはなんだったの?
    ⻄原:当時マイホームを購⼊したこともあって、毎⽉の⼩遣いの⾜しにカード
    でキャッシングしていたんです。でもキャッシングだけだと厳しいので、副業
    をやろうと思い居酒屋のバイトとかトラックの運転⼿なんかをしてたんです
    ね。
    ただ、本業がガテン系できつすぎるので、バイトではあまり稼げなかった。そ
    れで本屋で副業の本を⽴ち読みしていたら⼩⽟さんの本があって、気づいたら
    フロントラインワークスに⼊会していました。
    ーー⼩⽟:なるほどね。僕のあのピンクの表紙の本が悪いんだな(笑)。⻄原
    さんの⼈⽣を狂わせてしまった(笑)。
    ⻄原:悪いどころか感謝してますよ。⼩⽟さんの本のおかげで、良い意味で⼈
    ⽣が狂ったわけですから(笑)。
    副業は、失敗の連続だった
    ーー⼩⽟:⻄原さんが成功するまでを振り返ると、すごく時間がかかりました
    よね。
    ⻄原:めっちゃかかりました。本当にいろんな仕事をしましたね。最初は
    「BUYMA」から始めたんですが、1 ⽇5 時間ぐらい作業しても⽉に2 万円稼
    げたらマシって感じでした。その次は輸出の仕事を始めたんですが、やっぱり
    うまくいかなくて、⽉に5000 円ぐらいしか稼げませんでしたね。そのあとに
    輸⼊の仕事をしたんですが、そこで初めて成功したんです。
    ーー⼩⽟:副業を始めて成功するまでに1 年ぐらいかかってますね。副業に挑
    戦する⼈のほとんどは、1 年くらいやって稼げなかったらあきらめると思うん
    ですよ。⻄原さんはなぜあきらめずに続けられたんでしょう。
    ⻄原:例えば、BUYMAをやめて輸出に切り替えたときのことを思い返すと、
    副業をやってる知り合いから「輸出やってみたら?儲かるよ」って⾔われたん
    ですよね。その⾔葉を真に受けてやってみたら、全然儲からない。
    ⼀度やってみてダメで、⼆度⽬の副業でもやっぱりダメとなれば、その時点で
    「副業が儲かるなんて嘘じゃん!」って嫌気がさすと思うんです。でも僕はそ
    うじゃなかった。フロントラインワークスの先輩⽅には、実際に副業で稼いで
    いる⼈たちがたくさんいましたから。みなさんすごい⾏動量なんです。結局僕
    が稼げなかったのは、⾏動量が⾜りなかっただけだと納得できたんです。だか
    ら、副業⾃体に嫌気がさすことは⼀度もなかったですね。
    ネットビジネスへの嫌悪感はゼロ
    ⻄原:そもそも僕、2016 年くらいまではパソコンもスマホも持っていなかっ
    たんですよ(笑)。だからネットで⾊々調べることもすごく苦⼿でした。
    ーー⼩⽟:もしかして、職場の同僚全員がガラケーだったとか?(笑)
    ⻄原:そうなんですよ(笑)。「スマホなんて持ってんじゃねえよ!」みたい
    にからかわれるんです(笑)。だから僕も当然ガラケーでした。
    ーー⼩⽟:そういうある意味アナログな環境に⾝を置いていると、「ネットビ
    ジネスでお⾦を稼ぐ」なんて⾔われても、⽂化や価値観が違いすぎて嫌悪感み
    たいな気持ちが湧いてきませんでしたか?
    本や動画ではネットビジネスで⼤成功した⼈たちがたくさん紹介されていて、
    みなさんすごく稼いでいると。でも本当はそれほど稼いでいないんじゃない
    か、どこかで嘘をついているんじゃないかって。
    ⻄原:そういう疑いの気持ちは全然なかったですね。僕は純粋なんです。たし
    かにネットビジネスは未知の世界でしたけど、そこに嘘なんかあるはずないと
    思っていましたから。でも奥さんにはめっちゃ反対されました(笑)。「騙さ
    れとるやろ!」「何かに取り憑かれているに違いない」みたいな(笑)。
    僕はもちろんやる気満々ですから、「⾒とけよ!3 か⽉で100 万いったるわ」
    って⾒栄を張ったものの、半年やっても⽉2 万円しか稼げない(笑)。その状
    態で「今度は輸出やる」とか「輸出がダメだったけど輸⼊ならイケる」とか⾔
    い出したので、また奥さんに怒られて(笑)。輸⼊の仕事を始めてからは、⽉
    に100 万円稼げるようになったので、ようやく何も⾔われなくなりましたね。
    ーー⼩⽟:家族に強く反対されると、だいたいの⼈は⾔い負かされてやめちゃ
    うんです。でも⻄原さんは負けなかった。
    ⻄原:さっきもちらっとお話したのですが、僕はとにかく貧しい状況から脱出
    したかったんです。ぜいたくはしなくていいから、普通の家に住みたかった。
    そうやって⽬標を⼀度決めたら、達成するまではぶれないタイプなんです。
    あと、なぜあきらめずに続けられたかといえば、ネットビジネスで成功してい
    る⼈たちの佇まいがすごくカッコよくて、それに対する憧れが強かったんです
    よ。「あの⼈たちみたいになりたい!」という強い願望があったので、稼げな
    くても腐らずに続けられたんだと思います。
    ーー⼩⽟:最初に稼げるようになったのが輸⼊転売だそうですが、実際稼げる
    ようになってどう思いました?
    ⻄原:⼝座にいきなり500 万とか振り込まれるので、最初はめちゃくちゃびっ
    くりしました。
    ただ、数字だけだとあまり実感が湧かないというか、「ああ、これでカードの
    ⽀払いができるなあ」くらいの感じだったんですけど、使えるお⾦が増えると
    だんだん⾃分の⽣活に浸透して、⽣活レベルが上がっていくんですよね。これ
    だけお⾦があるからあれもできるしこれもできる、みたいな。それは本当にあ
    りがたかったです。
    1か⽉間、毎⽇1冊読む!猛勉強が成果につながった
    ーー⼩⽟:⻄原さんは、起業してからめちゃくちゃ勉強したんですよね。⼤量
    の本を読んで勉強して、ビジネスのスキルを⾝につけていったわけです。勉強
    のモチベーションはなんだったのでしょう?
    ⻄原:勉強して知識を増やさないと、僕が⽬指す憧れの⼈たちとまともに会話
    できないわけですね。それがすごくストレスだったんです。
    それから、少しずつ稼げるようになると、勉強すればもっと稼げるようになる
    ことが⾒えてくるんですよ。例えばマーケティングの本を読んで、「この知識
    を⾃分のビジネスでこういう⾵に応⽤すれば、もっとうまくいくぞ」みたいな
    ことがよく⾒えるようになった。勉強⾃体は苦痛でしたけれど、成果につなが
    るので楽しかったですね。
    ⾃分でもいい転換期になったと思うのは、⼩⽟さんに勧めていただいた本や
    「これは必ず読むべきだ」と決めた本を、1 か⽉間かけて毎⽇1 冊読んでいた
    時期があったんですね。
    そしたら、⾊々な情報を俯瞰して⾒れるようになった。たぶん、それまでバラ
    バラだった知識が繋がったんでしょうね。
    ⾯⽩いことに、そうやって猛勉強するようになってからは、売り上げもどんど
    ん増えていったんです。やっぱりビジネスで成功するためには勉強しないとダ
    メだなと思いますね。
    知識を⾝につけ、スキルを⾼めた先に成功がある
    ーー⼩⽟:輸⼊転売で⽉100 万円稼げるようになったけれども、いま振り返る
    と、あまり⼤したことはしてないなって思いませんか?それほど頭も使わない
    し、いま⻄原さんがやっているスクール事業に⽐べたら苦労も少ないだろう
    し。
    難しいことなんて全然やってないのに、毎⽉100 万円稼げてるんだから、もう
    ⼗分じゃんって思うんですよ。そこからなぜ継続して努⼒し、先を⽬指せたん
    でしょう?
    ⻄原:稼げなかった当時の僕って、BUYMAがダメなら輸出だ。それでもダメ
    なら輸⼊……という⾵に、ただトレンドだけを⾒て仕事を変えていったんです
    ね。そんな適当なやり⽅をしていたら続かないのは当然なわけで。結局、安定
    して稼げるようになるには、労働⼒を売るんじゃなくて、⾃分の能⼒を上げて
    それを売るようにしないといけないと思うんです。
    で、めちゃくちゃ勉強して⾃分のスキルを上げて、いまのスクール事業を⽴ち
    上げてからは収⼊もどんどん伸びていきました。その流れに気づいてからは
    「パチン」ってスイッチが⼊って、継続して努⼒することが全然苦にならなく
    なりましたね。
    知識を⾝につけるのに必要なのは「根性」
    ーー⼩⽟:なるほどね。僕が⻄原さんに初めて会ったのは、たしか4 年前かな
    あ、とにかく何にも知らなすぎてびっくりしたんですよ(笑)。輸⼊転売で
    100 万円稼いでるっていうから、どんな⼈かなと楽しみにしていたら、会話し
    てても全然話が通じないし、「ああもう、もっと頑張れよ!」みたいな気持ち
    になって(笑)。
    ⻄原:そうでしたね(笑)。そんな状態でも100 万円稼げちゃうのがネットビ
    ジネスなんですよ。ただ当時すでに会社も辞めていたので、副業が本業になっ
    てたんです。だから真剣に取り組まないとやばいなと。とにかく⾃分の能⼒を
    磨くしか⽣き残る術がないと思ったからこそ、あそこまで勉強できたし、努⼒
    できたんでしょうね。
    僕の勉強のやり⽅は、ひたすら「根性」なんです。コツコツやるのが超苦⼿な
    ので。
    だからさきほど話したように、1 か⽉毎⽇1 冊、徹夜してでも必ず読むみたい
    な極端なやり⽅なんです。でも、そうやって死に物狂いで勉強したら、成果も
    ⼀気にプラスに変わったので、みなさんにもおすすめしたいですね。
    例えば、その1 か⽉の猛勉強の直後にやったプロモーションで、売り上げが
    5500 万まで⾏きましたからね。本当にいきなりですよ。⼩⽟さんともまとも
    に会話できるようになりましたし(笑)。
    ーー⼩⽟:単純に知識が⾜りなかったんでしょうね。バラバラの知識が猛勉強
    によって体系的につながって、ビジネスに応⽤できるようになった。
    ビジネスに必要なのは、知識だけじゃなくて思考⼒とか⾊々あるけれども、や
    っぱり知ってるかどうかが⼀番重要なんでしょうね。
    成功法則は、「稼いでいる⼈と同じことをする。稼いでな
    い⼈と同じことはしない」
    ーー⼩⽟:いま振り返ってみて、「⾃分が成功したコツはこれだ!」というも
    のはありますか?
    ⻄原:起業した頃の僕って、稼げている⼈たちの振る舞いを必死に真似してま
    したね。成功している⼈たちはどんな発信をして、どう⾏動しているのだろう
    かと。
    それと同時に、稼げてない⼈たちの振る舞いもよく観察していました。例え
    ば、「忙しかった。だから作業できなかった」みたいな愚痴を⾔う⼈、よくい
    るじゃないですか?そういう振る舞いは、成功のためには邪魔なんです。もっ
    と⾔ってしまうと、「忙しかった。でも頑張ってやりました!」みたいな発信
    だって不要です。単純に「やりました。できました」「やってみたけど失敗し
    た」っていう発信で⼗分なはずです。
    ーー⼩⽟:成功している⼈か失敗している⼈なのか、それは発信している内容
    を⾒ればわかってしまう。振る舞いをよく観察して、「成功している⼈と同じ
    ことをする。成功していない⼈と同じことはしない」と。それが、⻄原豊明の
    成功法則だということですね。
    Webライターは、安定して⽉20万円稼げる仕事
    ーー⼩⽟:⻄原さんはいま、Web ライターを養成するスクールを経営している
    わけですが、読解⼒が決定的にない⽣徒さんもいると思うんです。そういう⼈
    に教える際、どういう点に注意していますか?
    ⻄原:読解⼒が⾜りないのは、頭の悪さが原因ではなくて、実は「読む⼈⾃⾝
    に責任感がないからだ」と思うんです。⽬の前の⽂章を読んだときに、それを
    理解できるかどうかは⾃分の⼒と責任の問題だと。その意識がはっきりあれ
    ば、⽂章をおざなりに眺めるんじゃなくて、もっと真剣に読もうとするはずで
    す。そうすれば、おのずと読解⼒も⾼まっていくと思いますね。
    ーー⼩⽟:なるほど、「読解⼒は、責任感の有無で決まる」と。たしかにそう
    かもしれないね。
    ライタースクールの話が出たので質問しますが、そもそもWeb ライターって
    どんな仕事をするんでしょうか?
    ⻄原:広げすぎると定義しにくくなるので、僕の理解でいいですか?例えば誰
    かのブログがあるとして、そこに載せるための記事を書く仕事を取ってきて、
    記事を書いてお⾦をもらう、というのが典型的な仕事です。
    「肩こり 治し⽅」と検索した時に、検索結果にずらっと記事が出てきますよ
    ね。ああいった記事を、誰かの代わりに書くわけです。なので、純粋なビジネ
    スというよりは「仕事」と呼ぶほうがぴったりかもしれません。
    ーー⼩⽟:Web ライターって稼げるの?
    ⻄原:波が無い仕事なので、能⼒さえ上がっていけば収⼊も上がっていくんで
    す。会社員やアルバイトは⾃分の時間や労働⼒を売っていますよね。でもWeb
    ライターは、どちらかと⾔うと知性を売っていく仕事なので、⽂章の書き⽅を
    理解して、書ける記事が増えるにつれて、どんどん稼げるようになります。
    ただ、これはWeb ライターに限らない話ですが、5 万円稼ぐまでが⼤変なんで
    すよ。そこに到達するまでにくじけちゃう⼈が多い。でも5 万円を達成できれ
    ば、⽉に10 万円20 万円稼ぐことは⼗分可能です。
    Web ライターの仕事を続けていくと、⾃分の実績が積み上がっていくんですよ
    ね。発注者はライターの実績をチェックして依頼するかどうか決めるので、実
    績が増えれば増えるほど条件のいい仕事をもらえるようになります。だから、
    Web ライターでたくさん稼ぎたいと思うなら、辞めずに続けて実績を増やして
    いくしかないんです。
    ーー⼩⽟:転売ビジネスとかも最初はそうだよね。「時給換算したら時給20
    円じゃん!」みたいな(笑)。そこを我慢して乗り越えると、効率が上がって
    いく。じゃあ、ざっくりでいいのですが、例えば半年間Web ライターで頑張
    ったとすると、⽉にどれくらい稼げるようになりますか?
    ⻄原:20 万円は達成可能だと思います。僕が教えている⽣徒さんも、頑張って
    いる⼈は⽉20 万円を達成していますね。⽉に20 万円稼ぐための稼働時間は、
    1 ⽇5 時間もあれば⼗分でしょう。普通に会社で8 時間働くよりも、ずっと短
    い時間で稼げるようになります。⾃慢するみたいで恐縮ですが、僕の場合、例
    えば1 本1 万字の記事を書いたら20 万円もらえることもあります。
    Webライターでたくさん稼ぐためには、勉強し続けて、実
    績を増やす
    ーー⼩⽟:20 万円稼げるようになったとして、さらに30 万50 万と稼ぐため
    には何が必要ですか?
    ⻄原:続けて勉強してもらうしかないですね。Web ライターに仕事を頼むクラ
    イアントは、実績をしっかりチェックするんですよ。単価の⾼い仕事ほど実績
    が重要になります。だからこそ、Web ライターで稼ぎたいなら、継続して勉強
    して、仕事を取り、どんどん実績を増やしていくほかないんです。
    ほとんどのWeb ライターはクラウドソーシングサイトを使っています。そう
    いうサイトには、実績を評価するシステムがあって、ライターごとに成績が表
    ⽰されるんですよ。星の数や受注した案件数、⾦額などですね。クライアント
    の⼼理を考えると、やっぱり成績がいいライターに頼みたいじゃないですか。
    それに成績がいいライターには、個別に⼤きな仕事のオファーがくるんです。
    こちらから応募するよりも、むしろオファーのほうが多いかもしれません。
    ーー⼩⽟:なるほどね。最近はWeb ライターがすごく増えていますから、並
    の成績だと埋もれてしまう。成績を上げていけば、いい条件の仕事が勝⼿に舞
    い込んでくるし、そのためには⻑く続けることが⼤事なんですね。
    ⻄原:そうです。とにかく勉強して、⻑く続けて実績を増やしていけば、⾃然
    に収⼊も上がっていきますから。
    ーー⼩⽟:Web ライターの勉強がしたい⼈は、⻄原さんのスクールをおすすめ
    しますよ(笑)。⻄原さんはまめだから、すごく作り込まれたいい教材です。
    ⻄原:⾃分で⾔うのもなんですが、がっつり学べる教材がそろっているので、
    よろしければぜひ(笑)。
    ⽂章のコンテンツでシェアを広げることが⽬標
    ーー⼩⽟:最後に、今後の展望を聞かせてください。
    ⻄原:最近、「僕は喋るのが得意じゃない」って気づいたんですよ。インター
    ネットを開くと出てくる情報って、動画か⽂字のどちらかじゃないですか。動
    画だと喋りが必要になってくるので、僕が頑張ってもあまりシェアが期待でき
    ないかなと。だったら⽂章のコンテンツで何か⼤きなものを作りたいなと考え
    ています。
    ライティングのジャンルって、⼀般的なWeb ライティング以外にも、コピー
    ライティングやセールスライティングなど多岐に渡るんです。なので、ライテ
    ィングのスキルを幅広く駆使して、⽂章のコンテンツで広いシェアを獲得して
    いきたいですね。
    ーー⼩⽟:そもそもなぜ⽂章の世界というか、ライティングというジャンルで
    ビジネスをやろうと思ったの?
    ⻄原:ライティングに⽬覚めた直接のきっかけは、⼩⽟さんに僕のメルマガを
    褒めていただいたことなんです。あれがめちゃめちゃ嬉しかった。それがスイ
    ッチになって、ライティングに対する情熱がグンと加速しましたね。
    ーー⼩⽟:そうだったんだ。⻄原さんって、やっぱり純粋だよね(笑)。
    ⻄原:純粋ですね(笑)。成功するためには素直さが⼤事です(笑)。純粋な
    のは、もともと知識がなかったからだと思います。中途半端に知識があると、
    相⼿の話を疑ってしまって聞く⽿を持たなくなりますからね。純粋で素直な⼈
    は、ビジネスに向いていますよ。
    ーー⼩⽟:今⽇はめちゃくちゃ話を聞きましたが、肝⼼のWeb ライターの話
    は100 のうち4 くらいしかなかったですね(笑)。とにかく⽣い⽴ちの話がす
    ごすぎて(笑)。でも⼈⽣⼤逆転というか、成功するまでにたくさん逆境があ
    って、それを乗り越えたからこそいまがあるというエピソードは、とても印象
    深かったし、重要な教訓を含んでいると思います。みなさんにもぜひ⻄原さん
    の体験を参考にしてほしいですね。本⽇はどうもありがとうございました。
    ⻄原:こちらこそ、ありがとうございました。
    オンラインで着付けの先⽣なんてで
    きるの?たった1 ⼈で年商50 万円
    を1800 万円に増やした秘策を伝授
    フロントラインワークスで学び、オンラインビジネスで成功した⽅を紹介する
    本レポート。6 ⼈⽬は着付け師の加藤咲季さんをご紹介します。オンラインで
    着付けを教えている加藤さんですが、初めは対⾯で教える着付け師からスター
    トしました。当時の年商は50 万円。ところが、オンラインで着付け教材を販
    売するようになって、年商は1800 万円にもなりました。YouTube 動画を活⽤
    するオンライン着付け教室が、なぜそこまで⼤成功したのか。「オフライン時
    代には全くわからなかった」という、実体験に基づいた貴重な気づきを教えて
    いただきました。
    加藤咲季
    着付師
    加藤さんはどのくらい稼いでいる?
    ーー⼩⽟:加藤さんは、簡単に⾔うと、オンラインを活⽤して着付けを教えて
    いる先⽣です。⾊々なジャンルや業界で、「インターネットを使ってビジネス
    をしたいな」と考えている⼈がいますが、着付け専⾨でオンラインビジネスを
    する⽅は⾮常に珍しいですよね。
    そこで、まずズバリ聞きたいのが、「加藤さんって、どんぐらい稼いでん
    の?」ということです(笑)。まあ、このレポートは⽣徒さんが読んでいるか
    もしれませんが(笑)、今⽇は着付けじゃなくてビジネスの話ですからね。
    で、いかがですか?(笑)
    加藤咲季(以下、加藤):直近の年商は……1800 万円です。
    ーー⼩⽟:1800 万円ですよ!(笑)会社を⽴ち上げて社員を何⼈も雇って事
    業しているわけじゃなくて、加藤さんだけでやってるわけですよね。
    加藤:そうですね。全部1 ⼈でやりました。
    YouTubeで着付け動画を配信。体型ごとの個別指導も
    ーー⼩⽟:この対談を⾒てる⼈が⼀番注⽬しているのは、「着付けの仕事で年
    商1800 万円なんて、1 ⼈でどうやったらできるの?」ってことですよ。加藤
    さんは、具体的にどんな事業でどのように稼いでいるんですか?
    加藤:ネット上で着付けの⽣徒さんを集めて教える事業をしています。具体的
    な集客ですが、YouTube での発信と広告の運⽤の2 つを軸にして⽣徒さんを
    集めています。集まった⽣徒さんに対して、私がつくったオンラインのコンテ
    ンツを販売するというビジネスですね。
    ーー⼩⽟:オフラインでやってる普通の着付けの先⽣は、⽣徒さんに⾃分の教
    室に来てもらって、対⾯で直接教えますよね?加藤さんがいまやっている⽅法
    は、オンライン上で⽣徒さんにリアルタイムで指導するのか、それとも事前に
    撮影した動画講座をパッケージ販売しているのか、どちらですか?
    加藤:基本は動画講座です。「こんな⾵に着るんですよ」みたいな動画教材を
    ⽤意して、それを⽣徒さんにお渡しします。教材を⾒ていただき、まずは⾃分
    でやってもらって、わからないことを私に質問していただく形です。
    あと、⽣徒さんごとに体型が違いますから、着付けで注意すべき点も違うんで
    す。なので、⽣徒さんに写真を送ってもらったりしながら、個別に私が指導し
    ていくような形も取っています。⽣徒さんの⼈数は130 名くらいです。
    ーー⼩⽟:着付け教室で⽣徒さん130 ⼈って、たぶんかなり多いですよね?個
    ⼈でフリーでやってるのに、そこまで⽣徒さんを集められるのはすごい。
    加藤:フリーの着付け師で100 ⼈以上の⽣徒さんを抱えているのは珍しいかも
    しれませんね。
    24歳で始めたオフラインの着付け教室は年商50万円
    ーー⼩⽟:そもそもインターネットを活⽤して着付けを仕事にしようとしたの
    はいつ頃からですか?
    加藤:2 年半くらい前ですね。もともとは対⾯で教える着付け教室を24 歳の
    時に始めました。その頃は、⾃分で頑張ってホームページをつくり集客してい
    ましたね。でも正直⾔って売り上げは全然で。着付けの仕事だけでは⽣活でき
    なかったので、アルバイトをたくさんしていました。あの頃は結構しんどかっ
    たですね。
    ーー⼩⽟:24 歳から着付けを教えているということは、オンラインに移⾏した
    あとよりも、対⾯で教えていた時期のほうが⻑いわけですね。対⾯でやってい
    た当時の売り上げはどのくらいあったんですか?
    加藤:恥ずかしいんですけど……売り上げは年間で50 万円くらいでした
    (笑)。利益はなくて完全な⾚字でしたね。売り上げがゼロの⽉もたくさんあ
    りましたし。
    ーー⼩⽟:年商50 万円だったのが、オンライン教室に切り替えたら、2 年半
    で1800 万円稼げるようになった。ということは、以前の30 倍以上稼いでいる
    ってこと?それは夢があるなあ(笑)。
    オンライン教室で最初に売ったのは、「10分動画90本、
    9800円」の激安商品
    ーー⼩⽟:オンラインビジネスを始めた時って、具体的に何から着⼿したんで
    すか?
    加藤: 最初に始めたのは「とにかく、1 回売ってみる」っていうことです。⾃
    分でも訳がわからなかったんですけど、まずは商品を売るまでの流れを経験し
    ておかないと、今後どの⽅向に進んだらいいかもよく⾒えてこないと思ったん
    ですね。
    それで、オンライン教室を始めてから2 か⽉後には動画教材を販売していまし
    た。内容は、着付けを教える10 分前後の動画教材が90 本くらいセットになっ
    た商品で、価格は9800 円です。
    ーー⼩⽟:10 分の動画を90 本で9800 円って……すごく安い!(笑)
    加藤:かなり安いですよね。でも当時の私は、まだ⾃信がなかったので……。
    マーケティングの理解が売上⼤幅アップに貢献した
    ーー⼩⽟:9800 円の激安教材を販売したところからスタートして、その後2
    年半で年商1800 万円までいったわけですが、オフラインでやっていたこと
    と、いまオンラインでやっていることの⼀番の違いは何ですか?
    加藤:ざっくりしてるんですけど、私がマーケティングの知識を⾝につけたこ
    とですね。マーケティングの勉強をこの2 年間でしっかりやってきました。24
    歳で着付け講師を始めた頃の私は、着付けを教えることはできても、⽣徒さん
    の集め⽅や教室運営の仕⽅が全くわからなかったんですね。
    それで、どうしたら差別化できるかなと考えた時に、「若さって武器にな
    る!」とひらめいたんです。24 歳って着付けの先⽣としては明らかに若いじゃ
    ないですか。着付け師の⽅は50 代とか60 代というイメージが強いですから。
    でもそれは⾒⽅を変えると、私のような若い先⽣のほうが、20 代や30 代の⽣
    徒さんは習いに来やすいのではと思ったんですよ。
    実際、来てくれた⽣徒さんの年齢は狙い通りでした。特に30 代のママさんが
    多かったですね。⼩さいお⼦さんがいると、七五三とか⼊学式、卒業式で着物
    を着る機会が多いんですよね。そのために着付けの練習をしたいという⽅が多
    かったです。そういうママさんたちは、みなさん着付け未経験なんですよ。な
    ので私も、途中から「未経験専⾨」を看板にしていました(笑)。
    ーー⼩⽟:それはマーケティング的にいうと完全に正解ですね(笑)。
    「スレンダー着付け」をコンセプトにした結果、⽣徒の年
    齢層が50代〜60代に激変
    ーー⼩⽟:今のお客さんの年齢層はどうなんですか?
    加藤:これがガラッと変わりまして。50 代から60 代の⽣徒さんがほとんどに
    なりました。しかもみなさん経験者なんですよ(笑)。なぜだろうと考える
    と、私が着付け教室をオンラインにするときに、単に「着物が着れるようにな
    りますよ」と宣伝したわけではなくて、コンセプトをきちんと打ち出したんで
    す。それが「スレンダーに着物を着こなしましょう」というものです。
    そしたら「着物をスラっと着こなしたいわ」って共感してくださる⽅がいっぱ
    い集まってくれて。その⽅々がほとんど50 代とか60 代の⽅々だったんです。
    ーー⼩⽟:それは⾯⽩いね。でも「スレンダーに着付けをする技術が学べます
    よ」ということは、全くの初歩じゃなくて、ある程度応⽤的な内容を教えるわ
    けですよね。そうなると、逆に初⼼者の⽅はあまり来なくなったのでは?
    加藤:そうですね。いまの私のコンセプト⾃体が、常に着物を着ている⼈を前
    提とするので、初⼼者の⽣徒さんはかなり少ない⽐率になっています。
    ーー⼩⽟:いまのエピソードは、読者のみなさんにとって参考になると思いま
    す。というのは、いま世の中にある着付け教室は、ほぼ初⼼者をターゲットに
    していますよね。でも、ゼロから着付けを習得させるというか、未経験者に
    「よし、これから着付けを勉強してみよう」と思わせるのは、マーケティング
    的に超⼤変だと思うんですよ。
    「初めての着付け体験!」みたいに軽い感じで売れば、初⼼者の⼈でも始めて
    みようって気持ちになるのかもしれません。でも、セールス⾯での効率を考え
    ると、経験者の⽅に「もっとこういう⾵にしましょう」とか「こういう新しい
    着付けもできるようになるといいですよね」と伝えた⽅が、ずっと売りやすい
    ですよね。
    加藤:そうですね。あと、着付けの先⽣をやって初めて気づいたのですが、以
    前教室に通っていた経験者でも、実はうまく着られない⼈がたくさんいるんで
    す。⼀⾒するとベテランに⾒えるのに、「実は上⼿に着られなくて困ってるん
    です」とか「⼀応着れるけど、なんか⾃信がなくて外に出られない」みたい
    な。私の教室では、そのあたりの需要もカバーできたら最⾼だなと思っていま
    す。
    ーー⼩⽟:なるほど。着付け教室のニーズがどこにあるのかは、実際に教室を
    やってみないとわからなかった部分が多々あったわけですね。
    加藤:そうなんです。だから私のビジネスは、⾏動を重ねて⾊々試してみて、
    その結果をふまえて改善していくというやり⽅が多いですね。
    成功できたのは、苦労してつくりあげた「コンセプト」の
    おかげ
    ーー⼩⽟:これまで2 年半、オンラインの着付け教室をやってきたわけです
    が、⼤変だったことやうまくいかなかったことはありました?
    加藤:パソコンが苦⼿で、本当にゼロの状態からスタートしました。仕事で使
    っている時は必死なので、つらいとか⼤変だとかいう意識は感じなかったんで
    すけど、あとで振り返ってみると、「よくやれたなあ」と思いますね。
    でも、私が本当に苦労したのはパソコンではなくて。さきほど「スレンダーに
    着物を着こなしましょう」が私のコンセプトだとお話しましたが、そのコンセ
    プトを⾒つけるまでがすごく⼤変だったんですよ。
    ーー⼩⽟:最初から「スレンダー着付け」を打ち出していたんですか?
    加藤:いいえ、いまのコンセプトとは違って、「着物を着て⾃分の魅⼒をアッ
    プさせましょう」みたいなことを⾔っていました。その時も、まあそれなりに
    ⽣徒さんが集まってくださったんですが、安定して⽣活できるほどの収⼊には
    繋がらなかったんですね。それで、「今のコンセプトはちょっと違うかも
    ……」となりました。
    でも、だからといって、新しいコンセプトがすぐに浮かんだりはしません。そ
    れでどうしたかというと、⽣徒さんや私の連絡先を知ってる⼈に、いくつかコ
    ンセプトの候補を送ってアンケートを取ったんです。他にも、図書館で着物の
    本を全部読んだり、他の着付け教室がどんなコンセプトでやってるんだろうと
    参考にしたりしました。
    最終的には⾃分の持っている技術や強みを棚卸しして、「⾃分は何にこだわっ
    て着付けを教えているんだっけ?」と向き合ったんです。そうやって⾊々と試
    ⾏錯誤をした結果、「スレンダー着付け」というコンセプトが⽣まれた感じで
    すね。
    ーー⼩⽟:簡単に1800 万円稼げたわけじゃなくて、そもそもコンセプトをつ
    くる段階でとても苦労したんですね。
    加藤:そうですね。いまのコンセプトに⾏き着くまでに1 年近くかかりました
    から。この体験が肝というか、いま事業がうまくいっているのは、⾃分なりの
    コンセプトづくりができたからだと思っています。
    ーー⼩⽟:なるほどね。そうやってコンセプトをしっかりつくれるなら、着付
    けじゃなくても、⾊々な業界で通⽤する気がしますね。
    何の準備もなく突然アイディアが思い浮かぶことなんて、
    ありえない
    ーー⼩⽟:同業者の着付け教室を⾒た時に、「ああ、この⼈はすごい。他の先
    ⽣と違ってちゃんとコンセプトあるなあ」と感⼼するようなすごい⼈はいまし
    たか?
    加藤:いなかったです(笑)。着付け教室の宣伝って、どこを⾒ても「着物を
    着ましょう。以上」なんですよ。
    ーー⼩⽟:「着物のある⽣活……それ素敵だね」みたいなキャッチコピーです
    よね。雑誌にありそう(笑)。
    加藤:本当にそれしかなくて。だから私も困ったんです。他の教室のコンセプ
    トを真似するなんて全然思ってないですけど、もし秀逸なコンセプトがたくさ
    んあるなら、⾊々参考にして考えられるのかなと。でも結局1 つもなかったの
    で、どうしたらいいんだろうと困りました(笑)。
    コンセプトを考える時って、「顧客の悩みを深掘りするといいよ」と教わりま
    すよね。でも、着付けのお客様って、そもそも深刻な悩みなんて抱えてないん
    ですよ(笑)。「着付けが上⼿にできなくて夜も眠れない」みたいなことはま
    ずありません。
    なので、コンセプトをつくるときも、お客様の悩みを深掘りすることなんてで
    きませんでした。そもそも着付けって趣味のものですからね。⽣活に不可⽋な
    ものではないし、存在しなくても⼈⽣が終わるわけじゃないし……(笑)。
    ーー⼩⽟:でも加藤さんにとっては、コンセプトを⾒つけられないと⼈⽣が終
    わるという(笑)。
    加藤:正に(笑)。だから結構必死になって「どうしよう、どうしよう」と焦
    りながら1 年間ずっとコンンセプトを探し続けていました。
    ーー⼩⽟:作曲家がよく⾔うじゃない?「突然メロディが降ってきた」みたい
    なことを(笑)。でも、超天才だったらともかく、普通の⼈はそんなの全然あ
    りえないですよね。めっちゃ情報収集して、何度も考えて考えて、それでやっ
    と「ああ、ちょっといけるかも」となる。
    加藤:本当にそうですね。私の場合も、たくさん情報を集めまくって、集めた
    ものを頭の外に出して整理したり、そういうことを何回も繰り返したら、ある
    ⽇ようやく「ぽんっ」と浮かんできた感じです。
    ⾃分の引き出しだけで戦おうとするな
    加藤:ビジネスで苦労している⼈の中には、⾃分がいま持っている引き出しだ
    けで、なんとか知恵をひねり出そうとする⼈が多いですよね。⾃分が持ってい
    るものだけで戦おうとするのは、ちょっと無理があるのではないでしょうか。
    たくさん情報収集して、⾊々なものを⾒て、それでやっと⾃分の中から新しい
    ものが⽣まれるのかなって思いますね。
    ーー⼩⽟:「⾃分の好きなことや得意なことでビジネスしよう」という話をす
    ると、「ビジネスで成功している⼈は、そもそもそのジャンルでめちゃくちゃ
    すごかった⼈でしょう?」みたいなことを⾔う⼈もいるんです。そのジャンル
    に関する貯⾦がたくさんあったから成功できたんだろうと。
    でも、決してそうじゃないんですよ。もちろん培ってきたものはあるけれど
    も、それ以上に頑張って知識を仕⼊れたはずです。
    加藤:私も知識、たくさん仕⼊れました(笑)。
    オンライン教室では「動作の⾔語化」が不可⽋だった
    ーー⼩⽟:知識を⾝につけること以外に、何か注意していたことはあります
    か?
    加藤:対⾯で教えるのとオンラインで教えるのではコツが違うので、その点に
    気を使いましたね。
    例えば、対⾯で教えていると、細かな⼿の動きなんかを「あれ」とか「それ」
    で表現できてしまうんです。でも、動画で教えるとなったら、⽣徒さんが確実
    にわかるよう、着付けの全ての動きについて⾔語化しないといけません。「こ
    ういうふうに動かして」とか「そこがこういう形にならないとダメ」みたい
    な、ふわっとした⾔い⽅では何も伝わらないんです。
    そういった着付けの⾔語化に関する⽅法だったり、あとはもちろん着物⾃体の
    知識もたくさん覚えないといけないので、結構勉強しました。
    ーー⼩⽟:いまのお話はたくさんの⼈に伝えたいなあ。⾃分が持っているもの
    でなんとかしようとする⼈が多いけど、それはイマイチだと僕が説明するんで
    すよ。すると「でも⾃分、経験不⾜で知識もないんで、これくらいしかアイデ
    ィアが出てきません」って弱⾳を吐く。それで僕は「いやいや、それって単純
    に勉強してないだけでしょ?」「まだまだ学びが⾜りない!」と叱咤するわけ
    です(笑)。
    ⾃分を崖っぷちに追い込み、「やるしかない」と腹をくく

    ビジネスでつまずく⼈の多くが、「間違ったら、失敗したらどうしよう」とか
    「⾃分にはできないかも……」と考えちゃう癖があると思うんですが、加藤さ
    んが着付け教室を始める前は、そういう不安はなかったですか?
    加藤:⾃分ならできるという確固たる⾃信はなかったですけど、「まあ、間違
    ったら直せばいいか」くらいの感じでなんとかやってました。なぜって、じっ
    くり考える余裕がなかったんですよ。本当に崖っぷちで、もうここで成果が出
    せなければ講師⼈⽣も終わると本気で思ってましたから。
    ーー⼩⽟:あと僕が思うのは、継続できたこと⾃体が加藤さんの強みでもある
    かなと。なかなかうまくいかなかった対⾯での教室時代も、4 年続けたわけで
    すからね、それはすごいことですよ。着付け教室のコンセプトだって、思い浮
    かぶまでにかなり苦労して考え続けたからできたわけでしょ?
    だから、やっぱり続けられる⼈じゃないとビジネスで成功するのは難しいし、
    ゼロイチを成し遂げるまで耐えられないんだと思う。そのあたりの⾃分の強み
    というか、うまくいった理由についてはどう分析していますか?
    加藤:私という⼈間は決して⾟抱強いわけじゃなくて。じゃあ、なんで続けら
    れたかというと、本当に何度も⾔ってる通り、崖っぷちに⽴っていたからなん
    です。
    ただ、あえて崖っぷちに追い込んでるところもあったんですよね。ネットを使
    った事業を始めたばかりの頃って、アルバイトして⽣活することもできたんで
    すけど、でもやっぱり着付けのビジネスに集中したいと思ってアルバイトはし
    ませんでした。あえて逆境に追い込んで「やるしかない」という状況にしたか
    らこそ、ひたすら必死になってやれたと思うんですよ。
    落ち込んでいる余裕なんて、あるはずがない
    ーー⼩⽟:ビジネスを始めたばかりの⼈って、「もう折れました」「ダメでし
    た」とすぐに落ち込んじゃう⼈が結構多いですよね。
    加藤:落ち込む⼈は、むしろ余裕があるのかな(笑)。本当に成功している⼈
    って、成果が出せるか出せないかでいちいち悩んでないですよ。成果を出すこ
    とだけを考えて突っ⾛っているので、落ち込んでる余裕なんてないはずです。
    私の周りで成功している⽅はみんなそうだし、着付けの先⽣で成功されている
    ⽅もそうです。⾃分で⾃分を追い込んだり、⾃分以外の何かに追い込まれてい
    たりして、強制的に頑張った結果、成果を出している⼈が多いように感じま
    す。
    ーー⼩⽟:本当にそうですよ。「できなかったらどうしよう」とか⼼配になる
    前に、そもそも「俺はできない」という選択肢⾃体、存在しないはずなんだよ
    ね。とりあえず⾏動すれば、まあなんだかんだでうまくいくんですよ。
    もちろん、うまくいかなくて「やべえ!」と思うこともあるだろうけど、最終
    的に成功する⼈たちは、「やってみた。でもうまくいかない。じゃあ、どうや
    ったらうまくできるか」ということしか、結局考えてないんだよね。
    ⼤事なことは「勉強と実践」「完璧主義を捨てる」
    ーー⼩⽟:これからインターネットで事業をやりたいとか、⾃分にはこういう
    得意なことがあるので、これでなんとか⾷っていけるようになりたいとか、
    ⾊々な⼈がこの対談を⾒ています。そういう⼈たちがビジネスで成功するため
    に、⼀番⼤事なことって何ですかね。
    加藤:私は絶対これしかないと思うんですけど、勉強と実践です。勉強は、ま
    ずは⾃分が販売するものをしっかり勉強することですね。私なら着付けです。
    あと、販売の仕⽅やマーケティングの勉強も⽋かせません。この2 つの勉強を
    しっかりやって、学んだことを実践していく。これを軸にしてビジネスをやら
    ないと成功しないと思います。
    ーー⼩⽟:メンタルの部分では、どういう点が⼤事ですか?
    加藤:完璧を求めすぎないことだと思います。
    完璧主義の⼈って、頑張りすぎて動けなくなるんですよ。例えばYouTube 配
    信の場合、機材や光の調整、撮影場所の選択を考えないといけないし、上⼿に
    しゃべる練習もしなきゃいけない。でも、その全てを最初から完璧にこなそう
    とすると⼀⽣できません。やってみてダメなら直す、その繰り返しでいいんだ
    と受け⼊れることが、メンタル⾯では⼤事ですね。
    将来の夢は、着付け講師を育てる⼀般社団法⼈を⽴ち上げ
    ること
    ーー⼩⽟:加藤さんがこれからやってみたいことって何ですか?
    加藤:⼀般社団法⼈をつくって、着付けの先⽣を育てる事業をやりたいと思っ
    ています。⾃分の好きなことを仕事にしたいと思っている⼈は本当にたくさん
    いると思うし、もちろん着物業界にもたくさんいるんですよね。「私、着物が
    好きだから着付け講師をやりたい!」という⼈たちが。
    そういう⼈たちを引っ張り上げられる事業ができたら、私⾃⾝も充実するし、
    みなさんも充実させてあげられるなと思って。
    ーー⼩⽟:それは着物業界にとってもめちゃくちゃいいことですよね。ぜひ実
    現してもらいたいです。この記事を⾒ている⽣徒さんたちも、「加藤先⽣っ
    て、そんなに稼いでいるんだ……」みたいに羨ましがるだけじゃなくて
    (笑)、ぜひご⾃分のビジネスの参考にしていただければと思います。
    ということで、今⽇はお話を聞かせていただいて、ありがとうございました。
    加藤:ありがとうございました。
    英語リスニング講座で⽉50 万円の
    利益!ベテラン英会話講師が⾒出し
    た「オンライン講座で成功するため
    の教訓」とは?
    フロントラインワークスで学び、オンラインビジネスで成功した⽅を紹介する
    本レポート。7 ⼈⽬は英会話講師の宍⼾律⼦さんをご紹介します。カナダの⾼
    校と⼤学に留学し、その後⽇本の⼤⼿英会話学校で講師を続けてきた宍⼾さ
    ん。副業で始めたリスニング講座の販売が成功したことで、オンラインビジネ
    スの世界に。いまでこそ⽉に50 万円を安定して稼げるようになりましたが、
    最初はオンラインとオフラインの違いに悩み、つまずいたといいます。語学コ
    ンテンツを展開するオンラインビジネスを企画している⽅にとって、とても参
    考になる経験や教訓を語ってくださいました。
    宍⼾律⼦
    英会話講師
    宍⼾さんはどのくらい稼いでいる?
    ーー⼩⽟:宍⼾さんはオンラインで英会話講師をされているわけですが、どの
    くらい稼いでるんですか?
    宍⼾律⼦(以下、宍⼾): 1 ⽉がすごく好調で、売り上げが100 万円近くに
    なりました。2 ⽉と3 ⽉は少し下がりましたが、アベレージだと安定して利益
    50 万円は出ています。オンラインビジネスを始める前の収⼊と⽐べたら倍以上
    の収⼊になっていますね。
    ーー⼩⽟:オンラインで英語講座を販売したのはいつからですか?
    宍⼾:2019 年7 ⽉からです。安定して⽉50 万円の利益が出るようになったの
    は、2020 年7 ⽉くらいからです。コロナの影響で、オンラインでの⽣活が広
    まり始めた頃でした。なので、ちょうどいいタイミングでオンライン販売の仕
    組みをつくることができました。
    もしかすると、これまで普通の英会話教室というか、オフラインの英会話講座
    で学んでいた⽅たちが、私のオンライン講座に流れている可能性はあります
    ね。
    リスニング、⽂法、作⽂を教える講座を展開
    ーー⼩⽟:オンライン英会話の講座やコンテンツってたくさん⾒かけますよ
    ね。競争の激しい状況で、宍⼾さんは個⼈で英会話ビジネスをやっているわけ
    ですが、具体的にどんな商品を販売しているんですか?
    宍⼾:サポート付きの3 か⽉の講座です。内容は段階的に進んでいきます。最
    初はリスニングの講座から始めて、それがある程度できるようになったら、次
    は中学レベルの英⽂法講座に進みます。これは英⽂読解よりも英会話ができる
    ようになるための⽂法ですね。
    ⽂法ができるようになったら、英作⽂の講座を紹介します。こちらは英⽂法講
    座を取っている⽣徒さん限定のコンテンツで、やはりアウトプット重視のカリ
    キュラムですね。以上の3 つの講座をいま販売しています。
    ーー⼩⽟:価格はいくらですか?
    宍⼾:リスニング講座が4 万9800 円、英⽂法は30 ⽇間で3 万4800 円です。
    英作⽂講座は、3 か⽉間でカリキュラムを終える内容で、2 万9800 円ですね。
    いずれの講座のカリキュラムも、継続を前提とした内容です。⽣徒さんの進み
    具合をフォローしつつ、「リスニングはいい感じなので、そろそろ⽂法に進み
    ませんか」みたいに販売の流れをつくっています。
    講座の具体的な進め⽅ですが、まず⽣徒さんにメールでレッスン動画を送りま
    す。メールには、学びの⼿順を詳しく説明したインストラクションが書いてあ
    って、「次週のレッスンまでにこういう内容を勉強しましょう」と⽣徒さんを
    フォローする内容になっています。
    ただ、週に⼀度のメールだと中だるみする⽅もいるので、頃合いを⾒ながら進
    捗具合をサポートしています。
    オフラインかつフリーランスの英会話講師には限界があっ

    ーー⼩⽟:宍⼾さんがオンラインビジネスに取り組み始める前は、オフライン
    で普通の英会話講師をされていたんですよね。
    宍⼾:はい。フリーランスの英会話講師をしていました。⼀度に1 ⼈だけを教
    えるプライベートレッスンだったので、売り上げとしては頭打ちの状況でした
    ね。
    集客は、習い事情報のポータルサイトに登録して、⾃分の講座を宣伝しまし
    た。当時の売り上げは⽉に15 万円から20 万円でしたね。単発で業務委託の仕
    事もしていたのですが、業務が終われば契約が切れてしまいますので、あまり
    売り上げの⾜しにはなりませんでした。
    当時はそんな状態が⻑く続いたので、オフラインでフリーの英語講師を続ける
    のはとても不安で……。それでオンライン講座を販売しようと考えたわけで
    す。
    ハートリー明⼦さんの講座をきっかけに、オンラインビジ
    ネスの世界へ
    ーー⼩⽟:オンラインビジネスを始める直接のきっかけは?
    宍⼾:ハートリー明⼦さんの講座を受講したのがきっかけでした。当時のハー
    トリーさんは、まだ起業のことは教えてなかったんです。だから、ハートリー
    さんが成功した秘訣を学びたいなら、ハートリーさんの師匠に習いに⾏けばい
    いんだと思って。それで⼩⽟さんのことをめっちゃ調べました(笑)。
    実は私、以前ほかの起業塾に⼊ったけれど、ちょっとうまくいかなかったこと
    があったんです。それでもあきらめたくなくて、⼩⽟さんのスクールのことを
    たくさん調べていたら、英語ビジネスで成功した横⼭さんの存在を知ったんで
    す。「英語でこれだけ稼げている先輩が実際にいる。それなら私でも絶対稼げ
    るはずだ」と思って、改めてフロントラインワークスに⼊りました。
    オフラインとオンラインでは、ビジネスの成功に必要なも
    のが違う
    ーー⼩⽟:英会話の講師⾃体はどれくらいの期間やっているんですか?
    宍⼾:15 年やってます。英会話講師としてはまあまあベテランの域ですね。こ
    の対談をご覧になっている⼈の中には、「あなたが英語のネットビジネスで成
    功できたのは、15 年間も先⽣をやっていたベテランだからじゃないの?」と思
    うかもしれません。でも、そうじゃないんですよ。
    英会話講師でビジネスするなら、明確なコンセプトや刺さるようなコピー、そ
    れらを実現するためのメソッドが不可⽋なんです。そのほとんどは⼩⽟さんや
    先輩から学びました。なので、もっと早くフロントラインワークスに⼊ってい
    たらなあと思いますね。
    ーー⼩⽟:なるほどね。いま販売している商品は開発するまでに時間がかかり
    ましたか?
    宍⼾:すごく時間がかかりました。初めての商品であるリスニング講座も、コ
    ンセプトにたどりつくまでに3 年はかかってますね。それまでは、「英語なら
    何でも教えます」みたいな、どこにでもいる普通の英会話講師でしたから。
    ーー⼩⽟:たくさん英会話の先⽣がいる中で、⾷えてる⼈と⾷えない⼈がいま
    すよね?両者の差はどこにあるのでしょう。
    宍⼾:やはりコンセプトがあるかないか、ではないでしょうか。それと、⾃分
    本位になっている⼈も難しいでしょうね。
    苦労して英語を習得した⼈ほど、⾃分なりの強いポリシーを持っているので、
    お客様の⽴場をあまり考えずに、⾃分がやりたいことだけを商品に反映させて
    いることが多いんです。こだわりが強すぎる商品は、やっぱり売れにくいよう
    に思います。
    7年間の留学⽣活で、⽇常会話とビジネス英語をマスター
    ーー⼩⽟:宍⼾さんは、英語をマスターするのに苦労しましたか?
    宍⼾:私はそこまで苦労しませんでした。というのも、本格的な英語は留学し
    てから学んだからです。⾼校から⼤学まで7 年間、海外で⽣活しました。
    私が留学したのは17 歳の時です。⼊学した⾼校は留学⽣が1 ⼈もいない⾼校
    だったんですよ。当然使う⾔葉は英語オンリーなので、相⼿が何を話している
    のか、ものすごく集中して聞いていました。⼀つひとつの会話で「こういう時
    は、こうやって表現で返せばいいんだな」と、試⾏錯誤を繰り返してました
    ね。
    ーー⼩⽟:特別な英語の勉強をガリガリやってたというよりは、⽇常のコミュ
    ニケーションを重ねていくうちに、英語⼒が上がっていったと。⼦供が普通に
    ⾔葉を覚えるのと同じ過程で勉強していた感じですね。きっと⼈間が⾔語を習
    得する⾃然な流れなんでしょう。
    ⾼校卒業後はどうやって英語⼒をブラッシュアップしていったんですか?
    宍⼾:現地の⼤学に進学して、ディベートやエッセイを学びました。おかげで
    ビジネスでも使えるきれいな英語が⾝につきましたね。
    帰国後、⼤⼿英会話学校の講師からフリーランスへ
    宍⼾:⾼校時代に使っていた英語は、すごくカジュアルな表現が多かったんで
    すよ。なので、親しい⼈との意思疎通には不⾃由しないけれど、職場や公的な
    場で使うのはちょっと不安でした。⽇本に住んでいるけど、まだあまり⽇本語
    が上⼿じゃない外国⼈の⽅が、よく「まいう〜」とかノリで⾔うじゃないです
    か(笑)。⾼校時代の私の英語は、たぶんあんなラフな感じだったと思いま
    す。
    ーー⼩⽟:留学して⾼校⽣が使うようなカジュアルな表現からスタートし、⼤
    学で本格的なきれいな英語を学んだ。そして⽇本に戻り、いよいよ英会話の先
    ⽣になったわけですね。
    宍⼾:はい。⼤⼿の英会話スクールに就職して、3 年ほど在籍しました。そこ
    で英会話の⼀般的な教え⽅はひと通り学びましたね。その後は商社に転職し
    て、外資担当の営業職などをやっていました。
    私、⽇本の普通のサラリーマンになりたかったんです。たぶん留学⽣活が⻑か
    ったからだと思います。
    でもやっぱり会社員の仕事になじめなくて……。同僚に英語を教えたりしなが
    ら、結局3 年ほどでやめました。フリーランスになったのが6 年くらい前で
    す。
    ⾃分の⽋点に気づき、商品を改良したら売り上げも上昇し

    ーー⼩⽟:フリーの英会話講師になった結果、1 年で⽉50 万円稼げるように
    なりました。その間、困ったこととか壁にぶつかったことはありましたか?
    宍⼾:オンラインの英語レッスンは、コンセプトの決め⽅とかお客様へのアプ
    ローチの仕⽅がオフラインと全然違うのにとまどいましたね。
    ⼩⽟さんはご存知だと思うんですが、当時の私は、ちょっとわかった気分でな
    んとなくビジネスしている⾯があったんです。そのせいか、思うような結果が
    出ないこともありました。初めてリスニング講座を販売したときも、私がオフ
    ラインで教えていた⽣徒さんにセールスした時は結構売れたんですけど、広告
    の⽅は全然で。
    ーー⼩⽟:リスニングの商品は4 万9800 円ですよね?どのくらい売れたので
    しょう。
    宍⼾:100 名ほどにメールでセールスして、11 名の⽅が購⼊してくださいまし
    た。いきなり50 万円以上稼げたから、「あれ、これはイケるかも!」となっ
    たのですが、広告で集客してみたら全く売れないんですよ。「何が悪いのかな
    あ」と悩んでいた時に、ちょうどフロントラインワークスの実績爆発ディレク
    ション合宿(⼩⽟が主宰するコミュニティ内で提供するサービス)があったの
    で参加しました。
    合宿では、⼩⽟さんから「全然わかってねーよ」と指導を受けまして(笑)。
    私なりにたくさん勉強していたつもりでも、実際の商品に落とし込めてなかっ
    たんですよね。
    特に問題だったのはレターの書き⽅で、上から⽬線というか「先⽣⼝調」にな
    っていました。「あなたは、こうです。だから、あなたはこうしなさい」みた
    いな。
    ーー⼩⽟:そういう⾵に厳しい⾔葉で痛いところを突かれるのはキツイ
    (笑)。最後まで読むのはつらくなるでしょうね。
    宍⼾:そうなんです。⾃分では先⽣⼝調になっていないつもりでも、お客様の
    気持ちになってよく読んでみると、⾃分の知識をひけらかすレターになってた
    んですよ。
    合宿でインプットの⼤切さに⽬覚めた
    ーー⼩⽟:合宿で指導を受けて、宍⼾さん⾃⾝に何か変化はありました?
    宍⼾:めちゃくちゃインプットするようになりましたね。⼩⽟さんに紹介され
    た本や講座を1 か⽉間⾒続けて、メモもしっかり取りました。
    ーー⼩⽟:その前は⾒てなかったの?(笑)
    宍⼾:⼀応⾒てたつもりでした(笑)。でも「⾃分はもう分かってる」と思っ
    ちゃうと、やっぱり頭に残らないんですよね。なので合宿後からは、知ってい
    る内容だとしても、理解できていないという前提でゼロから勉強しました。⼩
    ⽟さんのレターも必死に写経しましたね。
    そうやって1 か⽉間猛勉強し、学んだことを商品に反映させて、改めて集客し
    てみたら⾒事に売れたんですよ!
    メールを使うセールスも、ステップメールで売れなかったのでLINE ステップ
    に切り替えたら、すぐに反応が良くなりました。
    ーー⼩⽟:セールスメールって、届く時と届かない時があるよね。再び売れる
    ようになってからは、もう順⾵満帆な感じですか?
    宍⼾:常に試⾏錯誤はしています。勉強会に参加したり、成功している⽅の話
    を聞いたり。先輩からのアドバイスも取り⼊れて、テストを繰り返しました。
    そこから半年間は売上も伸びていきましたね。
    ⽣徒さんの気持ちになって商品開発することが⼤切
    ーー⼩⽟:起業してから現在までに、⾃分⾃⾝の中で何が⼀番⼤きく変化しま
    したか?
    宍⼾:まだ完全とは⾔えませんが、⽣徒さんの気持ちになって商品開発できる
    ようになりましたね。昔はひとりよがりな⾯が結構ありました。
    オフラインの講座の場合、「カナダの⼤学を卒業」とか「TOEIC 960 点」と
    か、英語⼒をアピールする宣伝をすればそれなりに売れました。でもオンライ
    ンビジネスの場合、それだけでは通⽤しなかったんです。やっぱりお客様の気
    持ちに寄り添った商品を第⼀に考えないといけないと思います。
    「教える情熱」を失っていないか?
    ーー⼩⽟:語学⼒もあるし、先⽣として独⽴もしているけど、ビジネスがなか
    なかうまくいかないと悩んでいる⼈が結構いると思うんですよ。そういう⼈た
    ちから「宍⼾さん、どうしたらいいですか?」と聞かれたらどんなアドバイス
    をしますか?
    宍⼾:「語学を教える仕事をするのはいいけれど、それであなたは何をやりた
    いの?」と聞くかもしれないですね。例えば英語なら、本当に英語を教えて⽣
    きていきたいと考えているのかどうか。
    「本当は、英語を教えたいんじゃなくて、お⾦を稼ぐ⼿段として英語を利⽤し
    ているだけじゃないの?」と、⾃分の本⼼を確かめた⽅がいいですね。⽣徒さ
    んは、先⽣に情熱があるかどうかすぐ感じちゃいますよ。ほどほどの気持ちで
    教えるのは、⽣徒さんに対して失礼ですよね。
    それに、誰かに語学を教えるのって、とてもエネルギーがいるんです。英語を
    教えることに強い情熱がないと、シンプルに頑張れないと思いますよ。
    お⾦稼ぎは⼿段。ゴールを明確にしよう
    ーー⼩⽟:では、英語や語学だけじゃなくて、もっと⾊々なジャンルの⼈たち
    に向けて、これからビジネスで何かやりたいなと考えている⼈にアドバイスを
    いただけますか?
    宍⼾:稼いで何をしたいのか、願望を書き出してみるといいですね。なぜかと
    ⾔うと、ビジネスは継続できないと無意味だからです。お⾦稼ぎは⼿段でしか
    なくて、その先に、「お⾦を稼いで何をやりたいか」という願望があるはずで
    す。
    ビジネスは持久⾛ですから、ゴールがぼんやりしていると、壁にぶつかったと
    きに対処できません。⾃分の願望が明確なら、途中で⾟いことがあっても最後
    まで頑張れるはずです。
    ーー⼩⽟:⾛り続けるためには、何に向かっているのか、ゴールを明確にしな
    きゃいけないよと。その通りですね。読者のみなさんも、ぜひ⾃分のビジネス
    のゴールをしっかり定めていただきたいと思います。宍⼾さん、本⽇はありが
    とうございました。
    宍⼾:ありがとうございました。
    3 か⽉で利益100 万円!58 歳サラリ
    ーマンが語る、転売ビジネスの副業
    を成功させるマインド
    フロントラインワークスで学び、オンラインビジネスで成功した⽅を紹介する
    本レポート。8 ⼈⽬は⽝飼克俊さんをご紹介します。⽝飼さんの本業は外資系
    企業のサラリーマンです。リーマンショックやコロナ禍を経験し、会社勤めの
    ままでいいのかと⾃問⾃答。熟慮の末に選択したのが、「転売ビジネス」の副
    業でした。フロントラインワークスで出会った先輩から指導を受け、教えを愚
    直に実践した結果、⾃分でも驚くほどの成果を上げたという⽝飼さん。転売ビ
    ジネスで稼ぐためのコツとは何か?副業で成功するために必要なマインドと
    は?⾮常に参考になる話をうかがうことができました。
    ⽝飼克俊
    外資系サラリーマン/転売ビジネスの個⼈事業主
    ーー⼩⽟:⽝飼さんは本業がありつつ副業で稼いでいるわけですが、そもそも
    この対談に出るのは会社との関係で問題ないですか?(笑)
    ⽝飼克俊⽒(以下、⽝飼):厳密に⾔うと問題なくはないのですが(笑)、⼀
    応会社は副業を認めてくれているので、まあ⼤丈夫でしょう。
    ⽝飼さんはどのくらい稼いでいる?
    ーー⼩⽟:では、遠慮なく聞きます!読者のみなさんが⼀番興味あるのが「い
    くら稼いでいるのか?」ということです。このインタビューでは恒例なのです
    が、率直に数字を教えてください。
    ⽝飼:2020 年7 ⽉から⼩⽟さんのコミュニティ(フロントラインワークス)
    でお世話になっています。最初は⼩⽟さんのアドバイスで不⽤品販売を始めた
    わけですが、初⽉からいきなり17 万8 千円の利益がありました。8 ⽉から転
    売ビジネスのスペシャリストである⿇⽣秀樹さんの指導を受けたところ、2 倍
    以上の48 万5 千円にもなったんです。
    ーー⼩⽟:最初からそれだけ稼げたのは驚きです。⿇⽣さんのアドバイスを愚
    直に実践した結果でしょうね。その後の成果はいかがですか?
    ⽝飼:アドバイス通りに⾏動しただけでこれだけ稼げるなら、単純にもっと⾏
    動量を増やせば、さらに⼤きな成果を出せるはずだと確信したんです。それで
    今まで以上に頑張ってみたら、なんと9 ⽉には利益が100 万円を超えまして
    (笑)。2021 年の2 ⽉には200 万円、3 ⽉には320 万円を記録しました。
    我流を避け、先⽣の教えを素直に受け⼊れた
    ーー⼩⽟:もちろん先⽣の存在が⼤きかったとは思うんですが、当時の⾃分を
    振り返ったときに、短期間でここまでの結果を出せた要因はなんだと思います
    か?
    ⽝飼:とにかく波に乗れるまでは、先⽣の教えの通りに⾏動していました。我
    流には⼀度も⾛っていませんね。⾺⿅正直と⾔ってもいいくらい、なんの疑い
    もなく⾔われたことだけをやっていました。
    ⾃分の意⾒を持たない代わりに、⾏動量だけは圧倒的に確保しました。例えば
    2020 年の12 ⽉だと、仕⼊れのために量販店を訪問した数は、1 ⽇のアベレー
    ジで5.2店舗です。あくまでアベレージですからね。1 ⽇に8 店舗回ることも
    ありました(笑)。
    ⽅法はシンプル。ただし楽ではない
    ーー⼩⽟:⽉に320 万だと、もう少しで⽇本のサラリーマンの平均年収になっ
    てしまう(笑)。ものすごいペースで稼いでますよね。
    実は僕も最初は転売ビジネスから始めたのですが、利益が100 万円を超えてく
    ると、作業量が⼀気に増えてすごくしんどくなるんですよ。⽝飼さんはどのよ
    うな⽅法をとっていたのか、転売ビジネスの基本的なやり⽅をうかがってもい
    いですか?
    ⽝飼:家電量販店に⾏ってさまざまな商品を仕⼊れてきて、それをアマゾンや
    ヤフオクに出品するという当たり前の⽅法です。仕⼊値と売値の差額が儲けに
    なります。安く仕⼊れて⾼く売る、これの繰り返しですね。
    ーー⼩⽟:これ以上ないほどシンプルですよね。本当に誰でもやれそうなので
    すが、⼀⽅で、「そんな当たり前のやり⽅で稼げるの?」「皆がそのやり⽅を
    続けていたら、儲かる商品が無くなってしまうのでは?」と疑問を抱く⼈もた
    くさんいます。そういう疑問にはどう答えますか?
    ⽝飼:⼀般の⽅々が買えるような平均的な価格で仕⼊れても利益はでません。
    できるだけ安く仕⼊れる必要があります。そこで量販店に出かけて売り場をチ
    ェックするわけですが、中には「なぜこの値段で売っているのだろう?」と驚
    いてしまうほど安い商品があるんですよ。
    例えば空気清浄器なんかでも、お店が⼤量に仕⼊れすぎて「これ、今⽉中にな
    んとか売りたいな……」という状況がよくあります。そういう場合、他店が3
    万円で売っているものを「イチキュッパ」で売っていたりするんですね。こう
    いう情報はネットには流れていません。現場にしつこく⾜を運ばないとわから
    ないわけです。
    ですから、「当たり前のやり⽅で稼げるの?」と疑問に思うのは当然なのです
    が、実際には売り場を死ぬほど回って、そこで初めて得られる情報をフル活⽤
    していますから。決して楽して稼いでいるわけじゃないんですよ。
    ーー⼩⽟:副業に取り組むとなると、難しいのが時間調整です。⽝飼さんはど
    んな⾵に時間をやりくりしているんですか?
    ⽝飼:私の場合、本業ではひと⽉に10 ⽇ほどしか出社しないんです。テレワ
    ークはしているのですが、ずっと家のデスクにへばりついてる必要はないの
    で、スマホさえあればどこでも仕事はできる状態です。電⾞やバスの中とか、
    某量販店さんのお客さんがいない静かな場所とか(笑)。なので、本業と副業
    の時間調整も、問題なくできています。
    「掘り出し物」というだけでは売れない
    ーー⼩⽟:転売ビジネスをやっている⼈から、「どれが利益の出る商品かわか
    らない」という声をよく聞きます。⽝飼さんは、利益のでる商品をどのように
    探しているのですか?
    ⽝飼:機械を使って探します。「デルタトレーサー」とか「アマコードプロ」
    という機械があるんです。それを商品のバーコードにかざすと、「現在
    amazonでは◯◯円で売っている」みたいな情報がパッとわかるんですよ。そ
    の価格と仕⼊れ値の差額が1 万円あれば、「おいおい、これ掘り出し物なんじ
    ゃない?」となるわけですね。
    ーー⼩⽟:問題は、掘り出し物を⾒つけたとしても、それが実際に売れるとは
    限らないってことですよね。
    ⽝飼:その通りです。でも機械の表⽰を⾒れば、売れ⾏きの順位も書いてある
    んですよ。現在この商品は、アマゾンの中で1 万5 千番⽬ですとか、6 千番⽬
    ですという⾵に。
    この順位が4 桁なのか5 桁なのかで売れ⾏きは相当違います。4 桁以内なら、
    おそらく1 週間もすれば確実にアマゾンで捌けるでしょう。これは私の勘では
    なくて、実際にそういう統計が出ているので、その数字にしたがえばいいんで
    す。
    ーー⼩⽟:なるほど、売れるか売れないかは数字と統計を頼りにある程度割り
    切って考えるんですね。
    ところで、転売って最初のうちは⾃⼰資⾦がありませんから、カード決済で仕
    ⼊れますよね?決済⽇が翌⽉にくることを考えると、仕⼊れた商品は1 か⽉で
    売り切らないと商売になりませんよね。
    ⽝飼:はい。在庫を残すことはできないので、とにかく早く売る必要がありま
    す。なので、安いだけではダメで、売れ⾏きのいい商品を誰よりも早く⾒つけ
    て、売れる回転率を上げる。これができないと泥沼にハマってしまいます。
    「イケる」と確信できたのは3か⽉⽬
    ーー⼩⽟:⽝飼さんは主に電化製品で転売ビジネスをしているわけですが、商
    品が多すぎて困りませんか?そもそも転売する商品はどうやって決めているの
    でしょう。⼈それぞれ得意な商品があるのか、それとも転売に適している特定
    の商品があるのか。
    ⽝飼:⼈それぞれ得意な商品があるのだと思います。僕はカメラが得意です
    が、テレビが得意な⼈もいれば、マニアックな商品を狙い撃ちする⼈もいま
    す。どういった商品を扱うかによって、⾃分と仕⼊先との関係も変わってくる
    でしょうね。店員さんとの関係構築のしやすさとか、仕⼊れやすい商品がたく
    さん置いてあるのかとか。
    ーー⼩⽟:⽝飼さんの場合、⾃分の得意な商品は何かとか、この商品だったら
    お店との相性がいいので続けられそうだなとか、「これはイケそうだな」と展
    望がひらけたのは何か⽉くらい経った頃でしょうか?
    ⽝飼:3 か⽉⽬くらいだったと思います。それまでは、がむしゃらに売り場を
    ぐるぐる回っては商品を取捨選択しての繰り返しです。そうこうしているうち
    に、店員さんに顔と名前を覚えてもらい、仲良くなりました。すると、⾊々お
    いしい情報を教えてもらえるようになるので、だんだん仕⼊れも順調になり、
    売れ⾏きも軌道に乗ります。それがちょうど3 か⽉⽬あたりでしたね。
    ーー⼩⽟:3 か⽉⽬というと利益が⽉100 万円に達した頃ですよね。率直にど
    う思いました?
    ⽝飼:毎⽇必死になってお店を回っているわけですよ。情報をこまめに更新し
    て、店員さんからもらった情報も取り⼊れながら、「これだ!」と思う商品を
    ピンポイントで仕⼊れて、それが予想通りに売れるわけです。なので、結果に
    はもちろん驚いていますが、それ以上に楽しくてしょうがなかったですね
    (笑)。
    リーマン・ショックとコロナをきっかけに副業の世界へ
    ーー⼩⽟:⽝飼さんは、そもそもなぜ副業をしようと考えたんですか?
    ⽝飼:私はいま外資系企業に勤めているのですが、2008 年に起きたリーマ
    ン・ショックで、企業の景気がものすごく悪くなりましたよね。そのときに
    「このままサラリーマンでいいのだろうか……?」となんとなく不安を感じて
    いました。でも、副業に本気で取り組むようになったのは、やっぱりコロナが
    きっかけです。私だけではないですが、給料が4 割減になってる状況ですか
    ら、家族をどう養えばいいかわからないですよ。そういう差し迫った危機感が
    副業を始めた理由です。
    ーー⼩⽟:給料4 割減ですか!それは厳しいですね。ところで、⽝飼さんはネ
    ットビジネス未経験からいまの副業を始めたそうですが、それまでにネットビ
    ジネスをしてみようと考えたことはなかったんですか?
    ⽝飼:以前から興味はありました。⼩⽟さんの名前もよく存じ上げていました
    から。ただ、どこかで踏ん切りがつかなかった。⾃分が⼀番欲しいものは何か
    って真剣に考えたときに、まあそれはお⾦なわけです。じゃあ、⾃分の性格と
    か仕事の仕⽅とかに照らしたとき、⼀番早く成果が出やすいビジネスは何かな
    と考えたところ、転売ビジネスしか選択肢が残らなかったんです。
    家族の理解を得るまでには紆余曲折が……
    ーー⼩⽟:ここで⼀つ思うのは、転売ビジネスと聞くと、「仕⼊れが⾯倒くさ
    そう」「家の中が物であふれるのはイヤ」みたいに悪いイメージを抱く⼈が多
    いと思うんですね。⽝飼さん⾃⾝に、転売ビジネスの悪いイメージはあったん
    ですか?
    ⽝飼:これが不思議なことに全くなかったんですよ。確かに家の中は物でいっ
    ぱいになるんですが、そんな状況でも「早く稼ぎたい」というシンプルな⽬的
    がありますから、気持ちがぶれることはなかったですね。
    ーー⼩⽟:ご家族はどうでしたか?「ネットビジネスって何?」とか「⼩⽟
    歩?なんだか怪しい!」みたいな反応はあったでしょう?(笑)
    ⽝飼:「今⽇から俺はネットビジネスで稼ぐ!」なんて話しても信⽤するはず
    ないと思ったので、副業を始めるときも家族には内緒にしていました。副業の
    ことをきちんと伝えたのは、1 か⽉ほど経った頃でしたね。家内にはかなり怒
    られました(笑)。⼦供にも「お⽗さん、最近怪しい事してない?」と疑われ
    たりして(笑)。「何もしてないよ。全然⼤丈夫」と答えてやりすごしてたの
    ですが、仕⼊れた商品が部屋中にあふれてますからね、「何が⼤丈夫なの?家
    の中にダンボールがどんどん増えてるんですけど」と突っ込まれてました
    (笑)。
    ーー⼩⽟:いまは信⽤してくれているんですよね?
    ⽝飼:仕⼊れに⾏くときはバスや電⾞など公共交通機関を使うのですが、家内
    が休みの⽇は、「⾞で買い物に⾏くから、ついでにお店まで乗せてってあげよ
    うか?」なんて⾔ってくれるようになったんです(笑)。なので、いまはもう
    副業について理解してくれていると思いますよ。
    「すり替え詐欺」や「商品探し」に悩むことも
    ーー⼩⽟:ここまでのお話ですと、とにかく順調に進んでいる印象なのです
    が、「これは困ったぞ」というエピソードやトラブルがあれば教えていただけ
    ますか?
    ⽝飼:アマゾンやヤフオクを利⽤して商売していると、やっぱり⾃分の思うよ
    うにいかないことやトラブルにあいます。例えば、誰かに売った商品が返品で
    戻ってきたけれど、私が売ったものとは違う商品だった……なんてこともある
    んです。いわゆる「すり替え」ですね。カメラなんかは割と頻繁にあります。
    ーー⼩⽟:それ、明らかに悪意があってやってますよね。
    ⽝飼:そうですね。⾃分が運営するショップで販売するならある程度対処でき
    るんですが、よそ様のプラットフォームを借りている以上、⾃分ではどうにも
    対処できない場合がありますね。
    ーー⼩⽟:いまのような深刻なトラブルのほかに、実務での困りごとはなかっ
    たですか?例えば、お客さんからクレームがきたとか、量販店で仕⼊れる商品
    が⾒つからなかったとか。
    ⽝飼:駆け出しの頃は、コンサルの⿇⽣さんが仕⼊先に同⾏してくれるのです
    が、⿇⽣さんが同⾏しているとものすごい数の掘り出し物が⾒つかるのに、私
    だけ仕⼊れに⾏くと1 個も⾒つからない……なんてことがよくありましたね。
    「まだまだ⽬の付け所が⽢い。修業が⾜りないな」と悔しい思いをしました。
    儲からないのは「あきらめてしまう」から
    ーー⼩⽟:最初は儲かる商品が全然わからなかったけれども、いまはある程度
    ⾒分けがつくようになったわけですが、そこにはどんなコツがあったんでしょ
    うか?
    ⽝飼:⿇⽣さんのコンサルは、ちょっと変わっていて。例えば私が初めて指導
    を受けた⽉は、A店だけしか回りませんでした。ひたすらA店の売り場だけを
    死ぬほど回るんです。翌⽉になると、今度はB 店を死ぬほど回る。ただしその
    際は、A店で仕⼊れた商品情報で「これは」というものを前提にして、そこに
    B 店のいい情報を付け加えていくんです。
    それを繰り返すうちに何が⾒えてくるかというと、商品がずらりと並んでいる
    売り場を⾒ただけで、変わったところが⼀瞬でわかるようになるんですよ。
    「前回このメーカーの商品は置いていなかったな」「メーカーは同じだけど、
    新しいモデルに⼊れ替わった」「品揃えは同じだけど、前回より値段が少し下
    がった」というように、変化したところが⼀瞬でわかるので、その変わった情
    報だけチェックして、他はスルーすれば効率的に仕⼊れることができます。
    ーー⼩⽟:無駄を極⼒省くということですね。最初はじっくり売り場を⾒ない
    と判断できないけれども、現場で観察を続けていると、違いがすぐわかるよう
    になる。その結果、儲かる商品が効率よく探せるようになると。
    転売ビジネスでつまずく⼈たちは、いきなり複数の店舗をぶわーって回ってし
    まうので、⼩さな変化に気づかない。さんざん歩き回ったあげく、「掘り出し
    物なんてどこにあるんだよ!」とあきらめてしまうんですね。
    ⽝飼:私も最初はそうでしたよ。初めてひとりで売り場に⾏ったとき、同じ売
    り場を2 時間も3 時間もぐるぐる歩き回ったのに、売れそうな商品は1 つだけ
    みたいな(笑)。
    でも、そこであきらめたらこの商売では稼げませんからね。懲りずに翌⽇も同
    じ売り場に⾏くんです。「昨⽇と同じだよね」とくじけそうになる。それでも
    我慢して、今度は別の店に⾏って2 時間3 時間と歩き回るんですが、どれが掘
    り出し物なのか、やっぱり検討がつかない。
    そんな失敗を繰り返しているうちに、ほとんどの⼈が「ああ、これって無駄な
    時間だよなあ」とあきらめてしまうんです。
    ーー⼩⽟:いまのは本当に⼤事な話ですよ。⽝飼さんほど稼ぐのは⼤変です
    が、転売で30 万50 万稼ぐのは誰でも可能だと思うんです。それなのに、でき
    ない⼈がすごく多い。
    なぜかというと、いま⽝飼さんがおっしゃったように、すぐにはコツがつかめ
    ないので、「効率悪いな、めんどくさいな」とマイナス思考になってしまうか
    らです。あきらめないでやり続けていると、⼀気にコツがわかって効率がすご
    く良くなる。これは転売だけでなく他のネットビジネスにも通じる話です。
    「売れ筋情報プラス⽣の声」で本当に売れる商品だけをあ
    ぶりだす
    ⽝飼:転売ビジネスのコツをもう1 つお話すると、「いまどんな商品が⼀番売
    れているのか」という売れ筋情報は必ず知っておくべきなんです。カメラだっ
    たらどの機種が、冷蔵庫だったらどのメーカーのどんな性能の商品がランキン
    グ上位にきているのかという情報ですね。
    ーー⼩⽟:でも、売れ筋を知っているだけではダメなんですよね?売れている
    といっても、それは広告のおかげかもしれないし、世の中の⼈が本当に欲しが
    ってる商品なのか断⾔はできませんから。
    ⽝飼:そうなんですよ。そこで、転売で本当に売れる商品を⾒つけるために
    は、もう⼀段ステップアップした⼯夫が必要になります。
    私の場合、10 ⼈ほどの外注さんにお願いして、ちょっとしたマーケティングを
    しています。20 代から60 代までの⽅に、「あなたの知り合いは、いまどんな
    商品を欲しがっているの?」と聞いて、それぞれリサーチしてもらうんです。
    パイは⼩さいですけれど、リアルで貴重な情報が集まります。
    例えば、リサーチの結果、「ソニーのこのカメラはめちゃめちゃ使い勝⼿がい
    いのでみんな欲しがってる」とわかった。で、私がその商品について、
    Amazon で先週売れた商品のランキングをチェックするわけですよ。すると、
    トップではないけれど、ちゃんと上位に⼊ってることがある。その商品こそが
    狙い⽬で、転売で本当に売れる商品なんです。
    このように、売れ筋リストと⽣の声をすりあわせることで、「いま何を仕⼊れ
    れば⼀番売れるのか」がおのずとわかってしまうんです。
    ーー⼩⽟:なるほどね。ただ、そうはいっても、ランキング⼊りするような商
    品は安くありませんよね。需要が多いわけだから。そこはどう解決するんです
    か?
    ⽝飼:あぶりだした商品の1 つ前のモデルを仕⼊れるんです。1 つ前のモデル
    なら、性能もデザインも最新モデルに引けを取らないですし、それでいて市場
    価格はガクンと落ちますから簡単に捌けます。
    ただ問題は、売れ筋上位で、みなさんが欲しがっていて、しかも1 つ前のモデ
    ルなんて、いったいどこに在庫があるのかってことです。
    ここが情報収集のポイントになるわけですが、私の場合は、家電量販店の店員
    さんと仲良くなって情報を教えてもらいます。「この店じゃなくて、あそこの
    アウトレットならあなたの欲しい商品があるかも」などと教えてもらうわけで
    す。実際にそのアウトレットに⾏ってみると、狙い定めた商品が⼤量にあった
    りします。
    ーー⼩⽟:そうやって掘り出し物をたくさん⾒つけた場合、在庫を買い占めて
    しまうんですか?
    ⽝飼:買い占めるようなことはしません。バスや電⾞で仕⼊先に出かけますか
    ら、たくさん買っても運べないんですよ(笑)。本当においしい商品なら何往
    復もするかもしれませんが、基本的には⾃分で持ち運べる量しか仕⼊れませ
    ん。
    建設⼯事現場で偶然⾒た光景が、新たな販路開拓のヒント

    ーー⼩⽟:ここまでかなり突っ込んだお話をうかがい、読者のみなさんも「な
    るほど、これが320 万円の秘密か」と感じたはずです。ただ、やっぱり320 万
    円ですからね。売り上げじゃなくて利益が(笑)。たとえ本⼈から聞く話で
    も、やっぱりなぜそこまで稼げるのか想像がつかない⼈もいると思うんですよ
    ね。
    そこで、ここからはもう少し深掘りしたお話というか、「いま思えば、あのプ
    ラスアルファがあったおかげで、ここまで数字が上がったんだな」みたいな経
    験があれば、ぜひ教えていただきたいです。
    ⽝飼:実は、320 万のうち転売で稼いだのは220 万で、残りは受注販売なんで
    すよ。どういうことか説明しますと……
    ある⽇、会社へ通勤する途中にとても⼤きな⼯事現場があったんですね。朝8
    時ちょっと前だったでしょうか。そこには100 ⼈を超える⼤勢の作業員さんが
    朝礼に参加していたんです。
    「なんだこれは」と釘付けになりました。というのも、その現場には巨⼤な75
    型テレビが5 台くらいずらっと並んでいたからです。⾒た瞬間に「このテレビ
    はどこで買っているのだろう」と疑問が湧いてきて、気になりすぎて夜も眠れ
    なくなってしまった(笑)。
    ーー⼩⽟:その75 型テレビには何が映っていたんですか?
    ⽝飼:当⽇の作業⼯程です。でっかいテレビ画⾯に、「本⽇の作業」みたいな
    映像が映っていて、それを⾒ながら現場監督さんが作業員さんにあれこれ説明
    していました。
    で、そのテレビのことを私なりに調べてわかったのですが、ゼネコンの下には
    様々な会社がありますよね。その中に、作業で使う道具などを納める会社があ
    ります。その会社の連絡先をつきとめて、⽚っ端から電話を掛けまくったんで
    す。
    「今⽇、通勤途中に⼯事現場ですごい光景を⾒たんです。作業員のみなさんが
    ⾷い⼊るように⼤型テレビをじっと⾒て、作業⼯程を確認していました。貴社
    では、そういったテレビの販売やレンタルはされていますか?」という⾵に。
    ーー⼩⽟:「いや、うちはそういったサービスはしてない」とか「はい、やっ
    てますよ」とか返事がくる前に、「ところで、あなたは何者?」という話にな
    りませんか(笑)。
    ⽝飼:当然そうなります(笑)。ですから、「副業で、家電商品を店頭よりも
    安く売る仕事をしている者です」と私の素性を伝えます。もちろん信⽤が全く
    ないですから、⾨前払いされることもありました。ただ中には、「じゃあ今度
    こっちにきて説明してくださいよ」と興味を⽰してくれる会社もあるんです。
    そこで私が「あの⼯事現場のテレビ、どこで買われてますか?」とたずねる
    と、「アマゾンで買ってるよ」みたいな返事がくる。「じゃあ、その値段より
    安くなるなら、私から買ってくれませんか?」と探りを⼊れてみると、「そり
    ゃあ1 万でも2 万でも安くなるなら、あなたから買ってもいいよ」と前向きな
    返事がくる。そうなったらしめたものです。「私みたいな便利屋は、そちら様
    からすると信⽤はないかもしれませんが、決して損はさせません。ぜひ⼀度取
    引をお願いします」と頼み込みます。
    そういった交渉を経て、いざお試しで取引が始まったら、まず量販店に⾏って
    必死に75 型のテレビを探します。⽬当ての商品が⾒つかったら、店員さんに
    「このくらいの値段で買えませんか?」と価格交渉するわけです。⼀般家庭で
    は75 型テレビなんてほとんど買わないですから、量販店の倉庫にたくさん眠
    っています。なので、「これ10 台欲しいんだけど」と持ちかけると、店員さ
    んも喜んで応じてくれるんです。
    ビジネスチャンスは、意外に近い場所に転がっている
    ーー⼩⽟:⼤型テレビの在庫が余っているのは、たぶんオリンピックの延期と
    コロナが影響していますよね。オリンピックが予定通り開催されていたら、
    「家でのんびりビールを飲みながら、⼤型テレビの⼤画⾯で⽇本代表を応援し
    たい!」という需要が爆発的に伸びていただろうし、コロナがなければ量販店
    の客⾜が遠のくこともなかったでしょうから。
    ⽝飼:そうでしょうね。受注販売が私にとってラッキーなのは、アマゾンを通
    さない直接取引なので、量販店が送料無料で現場に商品を送ってくれるんです
    よ。私の配送コストはゼロですし、売り上げにかかるアマゾンの⼿数料もあり
    ませんから、めちゃめちゃ助かります。
    ーー⼩⽟:本当に⾯⽩くてディープな経験談です。でもみなさん、この⽅法の
    再現性はほとんどゼロですからね(笑)。こういうおいしい仕事ができるよう
    になったのも、⽝飼さんが通勤途中で⾒かけた⼀⾵変わった光景に⽬をつけ
    て、そこにビジネスチャンスがあるはずと決め打ち、果敢に⾏動したからで
    す。ごく普通に転売ビジネスをしているだけなら、こんなチャンスはものにす
    るどころか、気づくことさえできなかったでしょう。
    ⽝飼:そうかもしれませんね。建設業界のことは全く知らないのですが、⼯事
    現場で使われているテレビにフォーカスするなら、私みたいに個⼈で転売ビジ
    ネスをしている⼈でもチャンスがあると、そういう構造を突き⽌めたわけで
    す。
    現場で使う⼯具や機械と同じように、テレビだって壊れるから定期的に買い替
    える必要がある。そこにうまく介⼊できれば、個⼈で副業している⼈だってゼ
    ネコンと取引できるわけです。ビッグチャンスは実は近いところにあって、た
    だそれが⾒えていないだけなのかもしれません。
    常に新しい世界を求める競争⼼が、副業でも役に⽴ってい

    ーー⼩⽟:僕はもうだいぶ前にサラリーマンをやめちゃったので、その後の業
    界の雰囲気というか、サラリーマン社会の空気感というのが本当に分からない
    んです。
    そこで⽝飼さんにうかがいたいのですが、リーマンショックやコロナなど、経
    済に⼤打撃を与える事件や災害によって、サラリーマンとしての価値観に⼤き
    な変化が起きていますよね。特にここ10 年は顕著だと思うのですが、⽝飼さ
    んも実感していますか?
    ⽝飼:間違いなく実感しています。例えば、終⾝雇⽤なんて完全に崩壊してい
    ることはご存知の通りです。1 つの企業にずっとしがみつく⼈は⼀気に少なく
    なっています。
    トヨタの社⻑さんが何年か前に、「社員をずっと雇⽤し続けても、企業へのイ
    ンセンティブがあまりない。だから終⾝雇⽤制度を維持するのは難しい」みた
    いなことを発⾔してましたよね。従来の企業⾵⼟や価値観ではもう⽣き残れな
    い時代なのだと思います。
    私は外資系なので、どちらかと⾔えば競争が厳しい世界に⾝を置いています。
    ですから、終⾝雇⽤なんて古臭い考えが通⽤しないことは常識でしたね。
    「君、明⽇からこなくていいよ」などと簡単に⾔われる世界ですから、マイン
    ドというか気持ちの部分は相当鍛えられました。
    「You should do you have never done before.」という⾔葉があります。こ
    れ、私の座右の銘なんです。「あなたがかつてやったことないことをすべき
    だ」という意味です。私の場合、会社でもこの⾔葉を⾔われ続けたせいか、常
    に新しいことを探す癖がついています。そういう意識があったからこそ、いま
    の⼯事現場のエピソードがそうであるように、⾒えにくいけど⼤きなチャンス
    をものにできたのかもしれません。
    ーー⼩⽟:「常に新しい世界を⽬指せ!」みたいな競争⼼をあおることわざ
    は、⽇本ではあまり⾒ないですよね。「⽯の上に三年」みたいに(笑)、ずっ
    と我慢して同じ道を歩き続けていれば、必ず明るい未来が開けるぞみたいな考
    えが強い。
    ⽝飼:そんな考えは、少なくとも副業やネットビジネスの世界では通⽤しませ
    ん。「⻁⽳に⼊らずんば⻁⼦を得ず」ですからね。⾃分から積極的にアクショ
    ンを起こさない限り、獲物は⼿に⼊らないんです。何か欲しいものがあるのな
    ら、多少のリスクは承知の上で挑戦するべきですよ。
    ーー⼩⽟:年齢にかかわらず⾔えることですよね。年齢を重ねると、若い頃の
    ような無茶はもうできないと⾒切りをつけてしまう⼈がすごく多い。それは結
    局、⾃分の可能性を狭めているだけです。思い切ってやってみれば実際には全
    然できるはずなのに、もったいないですよね。
    将来の⽬標は「情報発信」と「コンテンツ販売」
    ーー⼩⽟:今後については、どのような⽬標を持っていますか?
    ⽝飼:副業で⾏けるところまで⾏きたいなと思っています。⼩⽟さんの教えで
    ある「ゴールデンルール(※)」にのっとって、今後は情報発信やコンテンツ
    販売の機会が持てればいいですね。
    ただし、情報発信やコンテンツ作りは決して簡単じゃないですから、品質をき
    ちんとキープできるだけの時間を確保できるまでは⼿をつけないつもりです。
    ※⼩⽟歩が提唱する、ビジネスを成功に導くための4 つの⼯程(不⽤品販売→
    転売ビジネス→情報発信→コンテンツ販売)。ゴールデンルールの詳細は次の
    動画を参照。
    令和版「ネットビジネス成功のゴールデンルール」
    ーー⼩⽟:ネットビジネスを誰かから学ぼうと思ったら、⾃分と年齢の近い⼈
    とか、経験豊かな年上の⼈から学びたいと考える⼈は⼀定数いますよね。その
    ほうが素直に話も聞けますから。その意味では⽝飼さんの存在は⼤きいと思い
    ますよ。
    ところで⽝飼さん、いま58 歳ですよね?副業でここまで劇的に成功すると
    「新しい⼈⽣が始まったぞ!」という感じがしませんか?
    ⽝飼:すごく感じてますね。全然まだまだいけるぞと。サラリーマン⽣活を⻑
    く続けていると、どこかで他⼈任せというか、主体的で⾃由な⽣き⽅がしたく
    てもなかなかできないんです。転売ビジネスで起業した私は、⾃分であれこれ
    考えて⾏動して、実際に⾃分で稼いで数字を達成できているわけですよ。だか
    ら、「まだまだ俺の⻘春、これからだぞ!」という感じですね。
    はじめの⼀歩で悩む前に、とにかくまずやってみよう
    ーー⼩⽟:「副業したいけど、どうしていいかわからない」とか「ネットビジ
    ネスに取り組んでるけど、思うように結果が出ない」とか、ゼロイチのところ
    でつまずいている⼈たちがいっぱいいると思うんですね。そういった悩める
    ⼈々が結果を出すために、「これだけは頑張ってくれ!」という教訓があれば
    教えてください。
    ⽝飼:「まず、やる」ってことです。これは声を⼤にして⾔いたいですね。や
    ろうかな、どうしようかなとずっと迷ってる⼈がすごく多いんですよ。「少し
    だけやったんだけど、やっぱりこれ違うなあ」とか「こうやったらもっとうま
    くいくはず」と悩んでばかりいて、全然⾏動しないんです。
    まず⾏動する。その結果を受けて⾃分で考えて、次にどう⾏動するか⾃分で決
    める。「他⼈から⾔われたからやる」ではダメですよ!アドバイスや情報をも
    らうのはもちろん構いませんが、考えて決めるのは⾃分です。ゼロイチの呪縛
    から逃れたいなら、このことを忘れないでください。
    私に相談してくる⽅にも、同じアドバイスをしています。「とにかく、まずや
    ってみてください。でも、実際に⾏動するかどうかは⾃分で決めてね」と。私
    が⾔ったからでも、⼩⽟さんが⾔ったからでもない。⾃分でやると決めて⾏動
    し、もし失敗したらそこでまた考えればいいんです。ただし、いつまでもダラ
    ダラ考えてたら埒があかないので、必ずデッドラインを引いてください。
    ーー⼩⽟:考えだすと永遠に悩む⼈っていますよね(笑)。たくさん悩んだか
    らといって、ベストな答えが⾒つかるわけじゃない。悩んでいる間に⼈間とし
    て少しでも成⻑していれば違う答えが⾒つかるかもしれません。でも現実は、
    たくさん悩んだからといって成⻑するわけじゃない。
    ⽝飼:おっしゃる通りだと思います。うじうじ悩んでいる時間があるなら、誰
    かに相談するのがおすすめです。私に相談していただいても構いません。情報
    発信やコンテンツ販売は専⾨外ですが、物販のことなら詳しくアドバイスでき
    ますから。
    ーー⼩⽟:⾏動ということに関して僕から付け加えると、「⾃分の想像してい
    る10 倍は動け」と強く⾔いたいですね。みなさん⾃分なりにやっているとは
    思うんですが、話を聞いてみると⾏動が全然⾜りない。
    ⽝飼:「これくらいでいいや」と思ったらもう負けなんですよね。⾃分の想像
    以上にたくさん動いて、「ああ、すげえ疲れた!」となってから、さらにその
    先に向かってもっともっとやる。それくらいでちょうどいいんですよ。
    ーー⼩⽟:なかなか厳しい話になりました(笑)。最後に、読者のみなさんに
    僕からお伝えしたいのは、年齢を⾔い訳にすることだけは本当にやめてほしい
    ですね。ビジネスは何歳からでも始められるし、成功できます。でも、年齢を
    ⾔い訳に⾏動しなかったら1 円も稼げません。これは断⾔しておきます。
    いやあ、今回はすごく盛り上がりましたね(笑)。副業やネットビジネスで悩
    んでいる⼈にとって参考になる⾔葉がたくさんあったはずです。ぜひ何度も読
    み返していただいて、パワーを受け取っていただければと思います。本⽇はど
    うもありがとうございました。
    ⽝飼:こちらこそ、ありがとうございました。
    アスリート育成事業で年商3000 万
    円!苦難の⽇々の先にあった「引退
    後のアスリートの価値を⽣かすビジ
    ネス」とは?
    フロントラインワークスで学び、オンラインビジネスで成功した⽅を紹介する
    本レポート。9 ⼈⽬は、⼩学⽣向けアスリート育成事業を⾏っている⼆⽥紀⼦
    さんをご紹介します。⼆⽥さんは、フェンシングの学⽣チャンピオンや⽇本代
    表候補にもなった本格派のアスリートです。しかし現役引退後は、競技で培っ
    たスキルを⼗分に⽣かせないまま、⽇々の⽣活にも困る状態に。そんな時、ふ
    と⽬にした動画をきっかけに、オンラインビジネスに開眼。現在は年商3000
    万円を叩き出すスクール事業を経営しています。アスリートとして様々な苦労
    や悔しさを知っている⼆⽥さんならではの、オンラインビジネスで成功する秘
    訣をうかがいました。
    ⼆⽥紀⼦
    主婦/キッズトレーニングプロコーチ
    ⼆⽥さんはどのくらい稼いでいる?
    ーー⼩⽟:⼆⽥さんは⼩学⽣向けにアスリートを育てるビジネスをされていま
    す。普段は先⽣なんですけれども、今回はビジネスマンとして来ていただいて
    いるので、お⾦の話も聞きたいなと思いまして。で、いくら稼いでます?
    (笑)
    ⼆⽥紀⼦(以下、⼆⽥):ストレートですね(笑)。年商で3000 万ほどで
    す。
    ーー⼩⽟:⽣徒のみなさん、先⽣は3000 万円稼いでますよ(笑)。いや素晴
    らしい。当たり前のことですが、ビジネスですからね、事業として成り⽴たせ
    ないとサービスが提供できないわけで。超お⾦持ちじゃない限り、ボランティ
    アで教え続けるのは不可能ですから。そこはね、皆さん理解してくれていると
    思います。
    ⽉額5000円の講座とアスリートを育てる動画アカデミー
    をメインに事業展開
    ーー⼩⽟:読者の⽅の中には、⼆⽥さんを初めて⾒た⽅も結構いると思うんで
    すよ。アスリート育成事業で3000 万円と聞いて、「え?どうやって稼いでい
    るのかわからない」という⼈に向けて、簡単に説明していただけますか?
    ⼆⽥:基本はオンラインでトレーニングの指導をしています。主なコンテンツ
    は2 種類あって、1 つは⽉額5000 円のコミュニティです。ただ、こちらは現
    在⼊会をストップしていて、コミュニティから講座に切り替えている最中で
    す。
    もう1 つはアスリートを⽬指す⼩学⽣を対象に、トレーニングを指導するアカ
    デミーです。3 か⽉のオンライン講座になっていて、毎⽇トレーニング動画を
    配信します。10 ⽇配信して1 ⽇休むというサイクルを90 ⽇間繰り返す内容
    で、5 万9800 円で販売しています。
    引退したアスリート向けのコンサルにも注⼒
    ⼆⽥:講座とアカデミー以外にも、私と同じようにオンラインの先⽣として、
    競技やスポーツを教えて⾏きたい⽅に向けて、アスリートプランナーとしてコ
    ンサルティングもやっています。
    「幼少期からスポーツに⼈⽣の全てを賭けてきました!」みたいな⼈たちが、
    現役の時期が終わった途端、会社で普通に働いてるのをみると、「なんだこ
    れ?」って思うんです。あなたのこれまでの努⼒はなんだったのだろうと。全
    てを投げ打って競技に打ち込んできたのに、いまの⽣活でその苦労は報われて
    いるのかなって⼼配になる⼈が多いんです。
    ーー⼩⽟:そこ、⼤事な視点ですよ。アスリートだった⼈たちが⾃分の経験を
    世の中に還元するというか、仕事にできたらいいですよね。例えば、普通の仕
    事をしている⼈の場合、職場で⾝につくことって必ずしも特技になるわけじゃ
    ないから、フリーになった時に当時のスキルをそのまま⽣かせるとは限らない
    と思うんです。
    でもアスリートの場合、すごく⾼いレベルでスキルを極めているので、引退後
    にその経験を仕事にして収⼊的にも⼤きくなれば理想的だし、世の中に提供で
    きる価値も⼤きいと思うんですよ。
    ⼆⽥:そうですね。私の場合も、会社員の頃は、ただ⽇々の仕事をこなしてい
    るだけで、何も⾯⽩くなかったんですよね。それに、⼥性というだけで出世も
    ⾒込めない職場でした。だから、⾃分の中では早い段階で会社員⽣活に⾒切り
    を付けていましたね。
    ⾼校から始めたフェンシング。学⽣チャンピオンとナショ
    ナルチームのメンバーに
    ーー⼩⽟:⼆⽥さんの経歴を聞かせてください。どんな競技をやってきた、み
    たいな話からいきましょうか。
    ⼆⽥:はい。もともと⾼校⽣の時にフェンシングを始めたんです。⼤学に⾏っ
    ても4 年間フェンシングをずっとやっていました。キャリアとしては、学⽣チ
    ャンピオンになってナショナルチームに⼊ることができました。でも現実はそ
    んなに⽢くなかったですね。
    ーー⼩⽟:でも、はたから⾒ると、「学⽣チャンプになってナショナルチーム
    のメンバーにもなれたんだから、選⼿として⽴派に成功してるじゃん」と感じ
    ると思うんですが。
    ⼆⽥:全然、⾃分では思ってなかったです。
    ーー⼩⽟:それはなぜでしょうか?
    ⼆⽥:フェンシングは本当にお⾦がかかるスポーツなんですよ。海外遠征に⾏
    くのに⼀回30 万円くらいかかるんです。
    当時は学⽣の時から遠征の連続だったので、もう⽕の⾞ですよ(笑)。親にも
    お⾦を出してもらってたんですが、段々お願いしにくくなって。最終的には、
    お⾦がなくてナショナルチームとして遠征を継続できなくなって。それがちょ
    うどアテネオリンピックの年だったんです。
    オリンピックに⾏くためには、世界選⼿権とかワールドカップを転戦して、上
    位⼊賞してポイントをたくさん獲得しないといけないんです。でも私はお⾦が
    ないからあまり遠征にいけないので、ポイントを獲得できなくて……。
    ーー⼩⽟:じゃあ極端な話、どんなに選⼿として実⼒があっても、貧乏だとオ
    リンピックに出れないってこと?そんなことあるの?(笑)
    ⼆⽥:そういうことが実際にあるんですよ!(笑)国内では私よりも弱いの
    に、お⾦をたくさん持っているから遠征にもたくさん⾏けて、ポイントをいっ
    ぱい取っている様⼦を⾒てたら、「何これ……」って虚しくなりました。悔し
    いけど、⾃分はそんな贅沢な遠征はできないから、だんだんモチベーションが
    下がってしまって、結局アテネにも出場できませんでした。
    不完全燃焼で引退。復帰したものの悶々とする⽇々
    ーー⼩⽟:アテネのときって何歳でした?
    ⼆⽥:⼤学4 年⽣で、22 歳でした。
    ーー⼩⽟:アテネに出られないと決まったあと、選⼿としてどのように⽣活し
    ていたんでしょう。
    ⼆⽥:アテネに出られなかった時のことは、本当にいまでもよく覚えているん
    です。同じフェンシングの選⼿で、社⻑令嬢でお⾦持ちの⼈がいて(笑)。彼
    ⼥が海外遠征でたくさんポイントを獲得して代表になるのを⽬の当たりにした
    時に、「本当に何なの、この世界……」って、とても悔しかったんです。
    でも、だからといって組織を変えようとか、協会に対して意⾒するとかは考え
    ませんでした。「こういう世界だから、仕⽅ないのかな」と受け⼊れて、4 年
    後の北京オリンピックにチャレンジするつもりで就職しなかったんです。1 年
    間フリーターをしていたんですが、「ああ、このまま我慢して北京まで4 年間
    やったら、借⾦が⼤きくなるだけかもな」と思って、結局引退しました。
    ーー⼩⽟:⼤学を卒業して1 年ほどで選⼿⽣活に⾒切りをつけたと。でも、そ
    んな簡単にやめられるものなの?チャンピオンになれるほどガチでやってきた
    のに。
    ⼆⽥:ものすごく不完全燃焼の状態でやめたので、もちろん葛藤はありまし
    た。なので、その後に結婚と出産で少し離れてたんですけど、しばらくしてか
    らまた指導者兼選⼿として復帰しました。
    とはいえ、バリバリの現役ではないですから、本気で競技に戻れるような環境
    ではなかったです。そこからですよ、なんかこう悶々とした⽣活が続くように
    なったのは。
    平⽇は会社員、週末は⼦供たちにフェンシングのコーチをしていたのですが、
    コーチはボランティアだったので全くお⾦にはなりませんでした。現役当時の
    ようなプレッシャーはないので、とても気楽で楽しい⽣活でしたが、⽣活は全
    然豊かになりません。なので、この先⾃分はどうしたらいいんだろうって、3
    年くらい悩んでいました。
    ーー⼩⽟:これがメジャースポーツとマイナースポーツの⼤きな違いなんです
    よ。フェンシングというマイナースポーツは、たとえある程度トップのアスリ
    ートになったとしても、⼆⽥さんみたいな不条理な境遇に⾒舞われる。これが
    メジャースポーツであれば話は全然違ったはずです。
    フェンシングがマイナースポーツである理由は、競技の特性なのか、マーケテ
    ィングの部分が⾜りないのか、それとも協会の動きが悪いからなのか、それは
    よくわからないですよ。でも、主役である選⼿たちの情熱は、メジャーもマイ
    ナーもないわけです。それが報われないのがすごく残念ですよね。
    「メンタークラブ対談」に衝撃を受けて、オンラインビジ
    ネスの世界へ
    ーー⼩⽟:まあ、そんな苦労を重ねてきた⼆⽥さんですが、いまは努⼒が報わ
    れて、年商3000 万円を稼ぎ、楽しい毎⽇を送っているわけです(笑)。
    そもそも、⼦供向けにアスリート育成の事業をやろうと思った最初のきっかけ
    はいつ頃のこと?
    ⼆⽥:ちょうど3 年前ですね。当時は会社員だったんですが、たまたま異動で
    私の隣の席になった同僚が、⼩⽟さんのことを知っていて、私に「こういう⾯
    ⽩い⼈がいるんだよ」って紹介してくれたんです。それで私も⼩⽟さんの動画
    を⾒てみたら、とても⾯⽩いなと思ったので、LINE 登録をしました。それが
    きっかけで、いまのビジネスにいたっています。
    その1 か⽉後ぐらいに、ちょうど「メンタークラブ対談」が始まったんです
    よ。その動画を通勤電⾞の中で⾒ていました。その中に、⼩⽟さんや中川さ
    ん、あとは横⼭ゆき先⽣とか、何名かの⽅々が同席しての対談があって。それ
    を⾒たときは本当に衝撃でした。
    何だかすごく夢がふくらんだんですよね……。「⼩⽟さんたちと同じように、
    私もオンラインビジネスの世界に⾶び込みたい。同じくらいの歳なんだから、
    私にだってできるだろう」と思って、まずは⾼⼭さんの物販スクールを受講し
    ました。
    カードの利⽤枠がなぜか増えた…(笑)奇跡的なタイミン
    グでフロントラインワークスに⼊会
    ーー⼩⽟:なるほど。最初は⾼⼭君のところで物販をやったんですね。でもた
    しか、⼆⽥さんって割と早いうちから稼いでませんでしたか?
    ⼆⽥:そうですね(笑)。たぶん、当時は本当にお⾦がなかったから必死だっ
    たんだと思います。ビジネスを始めるまでは、お⾦がない⽣活に慣れきってい
    たので、貧乏であることにあまり危機感を感じていなかったんですよ。カード
    の利⽤枠も1 万円しか残ってないし(笑)、貯⾦もゼロでした。
    ーー⼩⽟:やばいじゃん(笑)
    ⼆⽥:それが、やばいと思ってないんですよ、⾃分では。ずっとそういう⽣活
    をしてましたから。でもある⽇、数⽇でフロントラインワークスの⼊会が締め
    切られるという時に、ふとカード情報をみたら利⽤枠が30 万円増えてたんで
    すよ!
    ーー⼩⽟:なにその奇跡(笑)。そんなことあるの!?(笑)
    ⼆⽥:あるんですよ、これが!(笑)本当にこんなことあるのかと思って⽬を
    疑いましたけど、すぐにカードで⼊会費を払って、また利⽤枠ゼロになりまし
    た(笑)。
    ーー⼩⽟:カード枠がないと物販の仕⼊れができないじゃん(笑)。
    ⼆⽥:はい(笑)。資⾦がないことは、⼊会してから気づきました(笑)。で
    も⼊会したからにはビジネスに振り切ろうと思って、すぐに会社を辞めてまし
    たから、⾃⼰資⾦はゼロです(笑)。事業で1 円も稼いでない状態なのに退職
    届を出し、税務署に開業届を出して、「私、今⽇から個⼈事業主だ!」って。
    それが、フロントラインワークスに⼊会して3 ⽇後の私です(笑)。
    拾い集めた「松ぼっくり」を売って、仕⼊れ資⾦を調達
    ーー⼩⽟:とりあえずお⾦がないから、不⽤品を売る副業から始めたわけです
    が、何を売ってたんでしたっけ?
    ⼆⽥:そもそも物を売ろうにも、貧乏でしたから家に不要品があまりないんで
    すよ(笑)。それで⾊々考えた末に、「松ぼっくり」を拾って売ろうと思った
    んです(笑)。
    ーー⼩⽟:たくましいよね(笑)。
    ⼆⽥:私は千葉の⽥舎に住んでいたから、松ぼっくりが拾い放題だったんです
    よ!ちょうどクリスマスが近かったので、リースの材料として欲しがる⼈がい
    ると思って。実際、たくさん売れたんです。⼦供たちを連れて松ぼっくりをか
    き集めて、形のいいやつだけを持ち帰ってヤフオクに出したら、5 万円くらい
    になりました。
    ーー⼩⽟:すごい!(笑)みんな、お⾦に困ったら松ぼっくり売ろうよ!
    (笑)
    ⼆⽥:本当に(笑)「お⾦ない!」とか⾔ってる暇があったら、松ぼっくりを
    拾って売ったほうがいいですよ(笑)。まあ、とにかく仕⼊れ資⾦が全くない
    ので、お⾦をかき集めるのに必死でしたね。とりあえず10 万円はつくらなき
    ゃと思って、⼿持ちの不⽤品と松ぼっくりを売って10 万円にして、それを元
    ⼿にヤフーショッピングを始めたんです。
    最初はフェンシングだけを教えるビジネスがしたかった
    ーー⼩⽟:そんな感じで泥臭くビジネスを始めてみたら、実際稼げるようにな
    っちゃうんだからすごいよね(笑)。さすがアスリートだから気合いが違う。
    不⽤品販売を始めたあと、現在のアスリート育成事業をやろうと思ったタイミ
    ングはいつだったの?最初の頃は「お⾦がない!稼がなきゃ!」という単純な
    動機でネットビジネスを始めたけど、本当はアスリート育成事業をずっとやり
    たかったんですよね。週末だけ教えるんじゃなくて、毎⽇仕事としてやるよう
    になったのは、どのタイミングで?
    ⼆⽥:実は、最初はアスリート育成よりもフェンシングを教えたかったんで
    す。でも、⼩⽟さんに初めてお会いした時に、「フェンシングで稼ぐのは難し
    いよ……」と⾔われまして。じゃあ違う⽅向に進もうと⾊々考えました。ちょ
    うど私が教えていたフェンシングの⼦供たちが、あまりにも運動神経が悪かっ
    たんですね。そのトレーニングをずっと教えていたので、どうせならこのトレ
    ーニング法をネタに、アスリート育成で事業を展開すればいけるのかなと思っ
    て、本格的に始めるようになりました。
    ーー⼩⽟:フェンシングは競技者⼈⼝が少ないから、スキルを教えるにしても
    市場規模が⼩さすぎるんですよ。だから⾊々⼯夫したとしても、ちょっと売り
    上げが読めない。それで、⼆⽥さんには難しいかもねとアドバイスしたわけで
    す。
    年商3000万円の事業を経て、アスリートプランナーへと
    夢を広げる
    ーー⼩⽟:現在は、先ほどお話いただいた⼦供向けの講座とアカデミーをメイ
    ンにビジネスを展開していると。それで、いまの事業に取り組み始めてから、
    実際どのくらい稼げるようになりました?
    ⼆⽥:2 年で年商3000 万円を達成しました。
    ーー⼩⽟:2 年で3000 万円!夢があるなあ(笑)。やってて楽しいでしょ?
    ⼆⽥:はい!楽しいから、みんなにも私と同じようにビジネスして欲しいと思
    って、先ほどお話したように、いまはアスリートプランナーとして別の⾓度か
    ら情報発信をしています。
    引退したアスリートの⼈たちの多くは、セカンドキャリアとして主婦やママに
    なったり、⼤学を卒業して就職したりします。本当は⾃分が打ち込んでいたス
    ポーツを仕事にしたいと考えているんですが、マネタイズの⽅法がわからない
    のでなかなか⾏動できないわけです。そういう⼈たちに向けて、「⾃分の価値
    にもっと気づいて欲しい」という思いを伝え、具体的な対策を教えるのが、ア
    スリートプランナーの仕事です。
    私も⾃分の価値に気づくのが遅れて、セカンドキャリアで苦労した⼈間なの
    で、親⾝になって教えることができていると思います。
    ーー⼩⽟:そういう特定のターゲットや経験者に向けたビジネスって、僕があ
    れこれ⾔うよりも、⼆⽥さんみたいな当事者が売った⽅が絶対に伝わるし、説
    得⼒もあるよね。競技経験者としてトップレベルまでいった⼆⽥さんが⾔うの
    だから、じゃあ⾃分も同じようなビジネスをやってみようと思う⼈はいっぱい
    いるだろうしね。
    コロナを機にスタートしたコミュニティから、アカデミー
    事業のヒントを得た
    ーー⼩⽟:ここまでうかがった話によると、⼆⽥さんは、何とか収⼊を得るた
    めに物販から始めて、そのあと⾃分の本当にやりたかったアスリート育成に取
    り組み始めましたと。で、2 年で年商3000 万を達成したわけですが、最初か
    らドカンと売れたわけじゃないですよね?どういう⾵に取り組んで、どういう
    ⾵に売上の規模を増やしていったんですか?
    ⼆⽥:最初は⼩学⽣向けに6 か⽉のオンラインの講座をやっていたんです。⽣
    徒さんの数は増えていったのですが、ちょうど2020 年の春にコロナが流⾏し
    始めてしまって、⽣徒さんと直接オフラインでお会いできなくなったんです
    ね。どうせ会えないなら、オンラインで完結するコンテンツをスタートさせよ
    うと思って、⽉額制のコミュニティを並⾏してやり始めました。
    ーー⼩⽟:オンラインの⽣徒さんが、スクールを卒業したらコミュニティに⼊
    ってくる流れをつくったんだね。アカデミー事業はどういう⾵につくっていっ
    たの?
    ⼆⽥:コミュニティにはママたちが多かったんですね。それでママたちの声を
    聞いていくうちに、⼦供達とアスリートで⼀緒に何かできることがないかなと
    思って。それで同じような思いを共有しているマイナースポーツの選⼿がいた
    ので、そういう選⼿たちに「⼀緒にアカデミーをやろう」と声をかけたのが始
    まりです。
    だから2 つの事業はカラーが違うんですよ。コミュニティは割とゆるやかなマ
    マたちの集まりで、もう⼀⽅のアカデミーは、熱⾎でスポーツガチの親御さん
    とその⼦供達が対象です。こちらがちょうど始めて半年ですね。
    アカデミーではマイナースポーツなど幅広い競技の指導を
    展開
    ーー⼩⽟:アカデミーにはこれまで何⼈くらい参加してるんですか?
    ⼆⽥:100 ⼈ちょっとです。
    ーー⼩⽟:コーチは?
    ⼆⽥:いま10 ⼈ですね。
    ーー⼩⽟:結構いるね。アカデミーは具体的にどんな中⾝なの?
    ⼆⽥:専⾨の競技種⽬や分野を持つコーチが、各競技に特化したトレーニング
    を教えています。私だったら、運動神経をアップさせるためのコーディネーシ
    ョントレーニングとか体幹強化ですね。コーチの中にはヨガの先⽣もいます
    よ。
    10 ⽇間毎⽇トレーニング動画が配信されて、1 ⽇休んだら別のトレーニングを
    やって、というサイクルが続くんです。その間にZoom の交流会や個別のコン
    サルがあったりします。そういうカリキュラムが3 か⽉びっちり続きます。
    ーー⼩⽟:⼦供達はどの学年が多いですか?
    ⼆⽥:4〜6 年⽣が中⼼ですね。各⼈がやっている競技のジャンルも様々で、い
    まは40 競技くらいです。マイナー競技の⼦供たちも多いですね。
    ーー⼩⽟:幅広い競技の⼦供たちが興味を持ってくれるアカデミーって……結
    構すごいよね?
    ⼆⽥:⾯⽩いですよ。私たちも知らない競技がいっぱいあります。でも、どん
    な競技でも、結局⾏き着くところは「総合的な能⼒を⾼める」というところな
    ので、⽣徒さんはみんなすごく熱⼼に取り組んでいただいてますね。
    ⾃分の価値を正しく評価し、価格に反映させることが重要
    ーー⼩⽟:オンラインでコミュニティやアカデミーを運営している⼈が増えて
    ますよね。コロナの影響もあるとは思いますが、アスリートたちがオンライン
    で事業をしようとか、これまではオフラインでスクールやレッスンをやってた
    ⼈が、オンラインで何かしようと頑張っているけれども、実際はほとんどの⼈
    がうまくいっていません。それはどうしてだと思いますか?
    ⼆⽥:結局、⾃分たちの持ってる価値を最⼤限に⽣かせてないからではないで
    しょうか。他のコミュニティを拝⾒することがあるんですが、価格が⽉額
    1000 円とか2000 円だったり、レッスン動画も全部無料で⾒せますとか宣伝し
    ているのを⾒ると、「もったいないなあ」と思うんですよね。
    つい最近まで現役だった⼈や、いまでも現役のアスリートたちが、安い値段で
    運営しているのを⾒ると、もっと⾃分の価値を正しく理解して、ビジネスに反
    映させたほうが良いんじゃないかなと思います。
    ーー⼩⽟:⾃分にどんな価値があるのか、そもそもわかってないのかもしれな
    いですね。⽉額1000 円とかの安いオンラインサロンの中には、価格は安いけ
    ど、肝⼼の中⾝がスカスカで、1000 円の価値すらない例も⾒かけます。
    じゃあ、そのサロンを運営している⼈に価値がないかというと、そうではな
    い。⾃分の価値をきちんと値付けして、商品としてラインナップしたら、もう
    少し料⾦が⾼くてもお客さんは集まるはずだっていう事例が多いですよ。その
    あたり、どう思われますか?
    ⼆⽥:私もその落とし⽳にはまったことがあるんですよね。もう少し会員さん
    を増やしたいと思った時に、⽉額料⾦を下げた期間があったんです。でも⼩⽟
    さんから「いや、それは違うんじゃない?」とアドバイスをいただきまして。
    価格はすぐに戻したんですけど、あの時の私は、いま⼩⽟さんが指摘されたよ
    うに、⾃分の価値を適正に評価できなくなっていたのだと思います。
    ーー⼩⽟:値段を下げるくらいなら、値段は維持したまま中⾝を充実させれば
    いいじゃないと僕は思うんだよね。
    優れたアスリート=ビジネスの成功者、とは限らない
    ーー⼩⽟:バリバリの元アスリートが、インターネットでこういう発信をして
    いるわけじゃないですか。そうすると、もちろん近い⼈から⾊々⾔われたりす
    ると思うし、あるいは「こんな有名な⼈からビジネスについて相談された!」
    みたいなこともあったんじゃないですか?
    ⼆⽥:ありましたね。でも最初はお断りしてたんです。なぜかと⾔うと、「選
    ⼿としての実績があれば簡単に稼げるんでしょ?」みたいな雰囲気で相談に来
    たからです。いくら実績があっても、ビジネスで成功するのは簡単じゃないし
    ……なんかちょっと、その⽅の考え⽅とか空気感が私とは違うなと感じてしま
    って、お断りしたことが何回かありました。
    ーー⼩⽟:いまのようなケースは、例えば、サッカースクールとかでも如実に
    出ています。「元Jリーガーのサッカースクール」みたいな看板で運営してい
    ても、なぜか全然⽣徒が集まらない。値段だってすごく安いのに。それは結
    局、「⾃分は元Jリーガーだから、ビジネスでもいけるだろう」みたいなノリ
    になっちゃってるからですよ。
    ⽣徒である⼦供たちや、その親御さんからしたら、肝⼼なのはそこじゃないん
    だよね。バスケコーチの中川さんが良い例なんだけど、彼が事業を始めてめち
    ゃくちゃ早く結果を出せたのは、全国津々浦々で教えて回った経験があって、
    ⼦供たちや親御さん、選⼿のみなさんが何を欲しているのか、そこを⼀番わか
    っていたからなんですよ。
    ⼆⽥:そうなんですよね。選⼿としての実績だけを売りにして、「⾃分はこれ
    だけすごいアスリートだから……」と考えている⼈には、それはちょっと違う
    なと感じてしまいます。
    ビジネスとは「お悩みの解決」である
    ⼆⽥:例えば、いま私がコンサルしている男の⼦が、⼤学を卒業したばかりな
    のに、たった3 週間でゼロイチを達成したんですね。その⼦は選⼿としてすご
    い実績があるわけでもなくて、ごく普通の⼤学⽣活を送って卒業した⼦なんで
    す。
    でも彼は⼦供や親御さんの悩みをすごく理解しているんですよ。親御さんと会
    話やチャットをしてる時にも、親御さんから悩みをしっかり聞き取って、どう
    すれば解決できるかコミットできてたんです。
    そのうち「あの先⽣の熱量がすごい!」という⼝コミが広がっていき、他の親
    御さんたちが「うちの⼦も、あの先⽣に教えてもらいたい!」という感じにな
    っているのを⾒ていて、やっぱりアスリートに何かを教える⼈というのは、競
    技の実績だけでは勝負できないなと感じましたね。
    ーー⼩⽟:もちろん実績はあった⽅がプラスに働くだろうけれど、それはあく
    までプラスアルファなんだよね。基本の部分がしっかりしてないと、どうしよ
    うもないわけで。結局、あらゆるビジネスって「お悩みの解決」をするわけだ
    から、その部分がちゃんとケアできていないとどうしようもないよっていうこ
    とでしょうね。
    ゼロイチの壁を乗り越えたいなら、「細かい事」で悩む
    な!
    ーー⼩⽟:ここからは、⾃分の経験も振り返りながら⼆⽥さんの意⾒をうかが
    いたいんですが。何かビジネスをする時に、売り上げを伸ばしていく以前に、
    まずは最初の売り上げが⽴てられるかとか、最初のお客さんをどう⾒つけられ
    るかという「ゼロイチ」が壁になるんですよね。それさえクリアできれば、あ
    とはトライアンドエラーの繰り返しで改善できるわけです。
    それなのに、多くの⼈は何もできずに終わってしまうという現実があります。
    何かをやろうとしても、どうもうまくいかない。で、ゼロイチを達成するまで
    我慢できなくて、「やっぱり、やめた!」みたいな。これがほとんどの⼈だと
    思う。どうしたらこの壁を超えられると思いますか?
    ⼆⽥:細かいことを気にしないのが⼤事だと思います。
    私がゼロイチを達成した時のことを覚えているんですけど、⼩⽟さんにもらっ
    た「まずは思い切って売ってみろ。とりあえず売ろう」という、あの⼀⾔でも
    のすごく背中を押していただいたんですよ。それまでの私は、ゼロイチを達成
    するまでの4 か⽉間、うだうだ悩んでいただけで……。
    ーー⼩⽟:ゼロイチを達成した時の最初の商品はなんでしたっけ?
    ⼆⽥:「6 か⽉のトップアスリート養成講座」です。なぜ悩んでいたかという
    と、コンセプトが決まらなかったんです。「運動神経が悪い⼦供」をターゲッ
    トに初歩的なトレーニングを提供するのか、それとも「そこそこ運動が出来る
    ⼦」をターゲットにして、優れたアスリートを育成することをコンセプトにす
    るのか。その部分をうだうだ4 か⽉悩んでました。
    ーー⼩⽟:細かいことを気にしないっていうのはとても⼤事です。不思議なん
    だけど、細かな問題って、⽬の前にいっぱいあるとすごく重⼤なことに⾒えち
    ゃうんだよね(笑)。あとで振り返ってみると、本当に些細なことだったなと
    わかるんです。でもなぜか、その時はなかなか気づかない。
    だから対策としては、「⼤ごとに⾒えるかもしれないけれども、とりあえず⾏
    くしかねえ」と決め打ちでやってしまった⽅が、いい結果が出やすいんじゃな
    いのって思いますよ。
    ⼆⽥:そうだと思います。気にする⼈もいますけど、私の場合は、⼩⽟さんに
    もらった⾔葉のおかげで、「まあ、いっか。気にしなくても」という気持ちに
    なりましたから。やっぱりビジネスを成功させるには環境って⼤事ですよね。
    できない理由を探すな!できる理由を⾒つけて前に進め
    ーー⼩⽟:そうは⾔ってもですね。やっぱりビジネスですからね、不安にとら
    われている⼈は多いんですよ。そういう⼈たちに、⼆⽥さんならどう声をかけ
    ますか?
    ⼆⽥:「どうしたの?⼤丈夫?」って(笑)。
    できない理由を必死に探している⼈が多いと思います。できる理由を探したら
    早いのに。それは私⾃⾝にも⾔えることで、できない理由を探している時はビ
    ジネスも前に進みませんでしたね。
    ーー⼩⽟:僕の場合、できない理由を探したことって⼀度もないんだよね。そ
    れはもう思考の癖だと思う。できない理由を探す⼈は、⻑年そういう考え⽅を
    してきているのかなと。
    では、どうしたらその癖を正せるかというと、ちょっと⾔葉を選ばずに⾔うな
    ら、⾃分が信頼している⼈としっかりコミュニケーションをとって、洗脳して
    もらうしかないなと思うんですよ。洗脳なんて⾔っちゃうと、すごく悪いこと
    のように最近は⾔われるけれども、でも⼤学の体育会系の部活なんて、もう完
    全に洗脳でしょ(笑)。
    ⼆⽥:うんうん、そうですね。
    ーー⼩⽟:洗脳だけど、結果として強靭なメンタルが出来上がって、いい成績
    を残せちゃうわけです。まあ、洗脳という捉え⽅が本当に正しいかは別にし
    て、⾃分以外の指導者や先輩なんかとコミュニケーションをしっかり取ること
    で、「なるほど、そういうことなのか」という気づきや体験を重ねて、徐々に
    ⾏動を変えていけば、ビジネスでもうまくいくんじゃないのかなと、最近は思
    っています。
    今後はアスリートプランナーの仕事に全⼒を投じたい
    ーー⼩⽟:⼆⽥さんが、直近で⼀番気合いを⼊れてやりたいことって何です
    か?
    ⼆⽥:⼦供たちの育成は、私がずっとやらなくても、しっかり⼟台の部分をつ
    くって、コーチの⼈たちが実践してくれれば問題ないと思っています。なの
    で、私個⼈としては、⾃分と同じような⼈を増やすために、アスリートプラン
    ナーの仕事を全⼒でやりたいですね。
    ーー⼩⽟:ということで、アスリートの皆さんでビジネスをやりたい⼈は、ぜ
    ひ⼆⽥さんのところに⾏ってください。⼀番気合い⼊ってるから(笑)。
    ⼆⽥:トップアスリートの引退後の年収って平均400 万円なんです。しかも、
    ⼩学⽣のスポーツを指導する⼈となると、7 割がボランティア。そういう現状
    であっても、スポーツの世界はそんなに暗くないし、明るい未来があるという
    ことをみなさんに伝えたいですね。
    ーー⼩⽟:あきらめないで欲しいよね。アスリートの価値はもっと上だし、⽉
    謝1000 円で賄えるものじゃない。もっと⾃分にふさわしい場所があるから、
    そこを⽬指して欲しいと思います。
    とはいえ、なかなかそこに気づけない⼈が多い。だから⼆⽥さんみたいな⼈が
    教えなきゃいけないんですよ。ビジネスをちゃんと教えなきゃいけない。僕の
    ところでも構いませんが、できればその業界の⼈間というか、同じアスリート
    同⼠で広めてくれたら理想的なので、ぜひお願いしたいと思います。
    ⼆⽥:ありがとうございます。めちゃくちゃ⼒をいれて頑張っていきます。
    ーー⼩⽟:僕もめちゃくちゃ期待して⾒ていますね(笑)。本⽇はありがとう
    ございました。
    ⼆⽥:ありがとうございました。
    おわりに
    最後まで読んでいただきありがとうございました。もしかしたら「稼げるノウハウを
    教えろやあ!!」と思ったかもしれません。申し訳ありません。ゼロから何かに取り
    組むノウハウ書のような内容にはなっていませんでした。ですが、はじめにお話しし
    た通り、このレポートの⽬的はリアリティを持ってもらうことです。
    正直な話、稼げるノウハウは私じゃなくても話せる⼈はたくさんいます。⼀⽅で、さ
    まざまなジャンルでゼロからコンテンツビジネスを成功させた事例は、他で語られる
    ことも少ないと思います。そういった意味では、私にしか書けないレポートになって
    いるのはないでしょうか。
    2011年に8.5%だったスマホ普及率は2021年には86.5%になりました。この10年
    で、ほぼ全ての⼈がスマホを持ち、インターネットにアクセスできるようなっていま
    す。そして、YouTubeや各種SNSなどの環境が整ったことで、個⼈でもインターネ
    ットビジネスに取り組みやすくなりました。私が副業を始めた頃と⽐べると、取り組
    むためのハードルは圧倒的に下がっています。
    私は、常⽇頃から「せっかく⼈に求められるスキルや知識・経験を持っているのに、
    埋もれさせているのはもったいない」と感じていました。学⽣時代に10年15年と⼀
    ⽣懸命に取り組んだことが、社会⼈になった時には思い出として、しまい込まれてい
    る。このようなことは⾮常に多いですよね。もちろん、その経験が社会⼈となって⽣
    きていることはあるでしょう。ですが、私としては、そのスキルや知識・経験を、し
    まい込んだままにするのではなく、ぜひインターネットを活⽤して世の中に広めてほ
    しいと思っています。
    このレポートが「好きなこと」や「得意なこと」を仕事にするということにリアリテ
    ィを持たせ、あなたに「何かを始めてみよう!」と思わせる情熱の⽕種になれば嬉し
    く思います。
    ⼩⽟ 歩

タイトルとURLをコピーしました