M&M’sのチョコ

M&M’sのチョコ

「人は、必要以上に頭を使いたくないので、発音しやすく、理解しやすい商品を好む傾向にある」

世界各地の多数の消費者に、ブランドのシンプルさ/複雑さに対する認識をアンケートし、ブランドのシンプル度をランク付けしたと言う面白い調査があります??

宇田紫香

その調査からわかったことは、
・63パーセントの消費者が、よりシンプルな顧客体験のために高い価格を支払う意思を持っている。

・69パーセントの消費者が、よりシンプルな体験を提供するブランドを人に勧める。

・なんと、シンプル度指数の上位10ブランドの株価が、2009年から2014年にかけて、世界の平均株価指数を214パーセントも上回るパフォーマンスを見せていた。

例えば、Appleなんてのはとっても簡単な名前ですね。

つまり、シンプルさ高いと思われている企業がより多くの人に愛されていて、広まっていて、業績も良いと言うことがわかったのです??

その中から1つ企業を紹介すると・・・

この企業の商品は、アメリカ陸軍の兵士たちの要望によってできたものです。ある兵士が「戦地でも食べれるチョコが欲しい!」と嘆願しました。当時、軍が支給する食料に含まれていたチョコレートは南太平洋の暑さですぐに溶けてしまい、甘いものを楽しみにしている兵士達をがっかりさせていたのです??そこで試行錯誤を重ねて開発されたのがこの商品でした?

後には宇宙食として宇宙飛行士にも支給され、1981年のスペースシャトル初打ち上げミッション(STS-1)の際にも積み込まれました??

創業以来、キャッチフレーズは「お口でとろけて、手に とけない」。

これはM&M’S(エムアンドエムズ:日本のマーブルチョコレートに似た、粒状の糖衣チョコレートの会社)のチョコレートの話??50年にわたって、自社のチョコレートが「お口で溶けて手で溶けない」と謳い続けています?このキャッチフレーズは明確で簡潔で、わかりやすいですよね。チョコレートの味までは伝わらなくても、食べるときに手が汚れないことはわかります??

詳細はこちら
?不要な情報が多い今の世の中では、シンプルにすることで多くのお客さんに伝わり、売れる

M&M’sのチョコレートを食べたことは、誰もが一度や二度はあると思いますが、あれって、普通に美味しいですよね?かなり美味しい味でできているのに、決して、「美味しい」とはアピールしてないんですよ。チョコレートメーカーですから、きっと味にはこだわりにこだわって、お金をかけて研究もしてきただろうし、最適な配分なども考えてきたと思います。でも、それをアピールすることなく、アピールするのは、たった一つ「お口で溶けて手で熔けない」。

なぜか?それが他商品との最大の差別化要因だったからです。最大の差別化要因を、極限までシンプルに表現して、それをひたすら繰り返す、経営陣が「もうよくない?」と思っても繰り返す、なんなら経営陣の世代が変わっても繰り返す、子供の時代になっても繰り返す、ここまでの執拗さで、強く、強くアピールしているため、その良さが伝わっているのです。

素晴らしい商品を持っている人ほど、「これも伝えたい」「こっちも伝えたい」とたくさんの情報を詰め込んでしまっていると言うことがあります。その気持ちはすごくわかります。しかし、それによって、お客さんは混乱 しているかもしれません。

もしかしたら、伝え方を少しシンプルにするだけで、あなたの商品の良さが伝わり、もっと売れるかもしれません。

この商品はとてもいい物だ?と言えるのであれば、次に大切なのは、お客さんに正しく価値を知ってもらうこと、伝えることです。商品価値を伝えることが、セールス、マーケティングの技術です。今、コロナで大変な時期ではありますが、負けずに、あなたの商品サービスを世の中に広めていってください??

-宇田紫香(うだしか)

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