博士号

博士とは

博士号の難易度は?その難しさとすごさ…日本に何人【0.4%の人材】

2023.03.29

博士号を取得するのってどのくらい難しいのか…その難易度がイメージできない人も多いかもしれません。

  • 修士号と博士号の違いとは?
  • 博士課程の難易度とすごさとは?
  • 博士は日本に何人いる?割合は?

このような内容を、記事にまとめました。

結論から言うと、博士号の取得は修士号とは比較にならないほど難しく、だからこそ希少であり、高度な研究能力の証明と言えるでしょう。

単位を取得して修了できるものではなく、「新規性のあるテーマで論理的な論文を書き、教授陣の審査を通す」ことが必要となり、一般的な難易度は「すごく高い」と言えます。

本記事では、日本における博士号の難易度や希少性、人数割合などを徹底解説していきます。

博士号はどうやって取るの?

そもそも、博士号ってどのように取るのか想像できない人もいるかもしれません。

大学院における博士後期課程を修了するためには、博士論文を提出し、さらに「ディフェンス」と呼ばれる公聴会にて教授陣に対するプレゼンテーションを行い、審査に通過する必要があります。

研究内容は新規性のある(前例のない)テーマを自ら設定し、論理的に成果をまとめることが求められます。

大学院や分野によって違いはあるものの、学術誌への論文掲載が博士論文提出の前提条件になっているケースも多いです。その他、国際学会への参加、研究室全体の運営や雑務などなど、多忙を極める中での研究となります。

その研究時間は一日10時間以上というデータもあり、博士課程の修了が簡単ではないことを物語っています。(参考:博士課程は忙しい…大学院生は時間がない【社会人より大変?】

一筋縄ではいかなない博士課程だからこそ、そこで得られる能力や精神力には高い価値があると言えるでしょう。当然、社会的評価も得られます。

博士号の難易度とは?なぜ修士より難しい?

博士号取得の難易度を、修士課程と比べてもう少し深掘りしていきます。

文部科学省の「博士,修士,専門職学位課程の目的・役割の焦点化」によると、修士課程の目的は以下の通り。

幅広く深い学識の涵養を図り、研究能力又はこれに加えて高度の専門的な職業を担うための卓越した能力を培う

修士課程においては、研究室には所属するものの、修了するためには「単位の取得」がメイン。教員から研究テーマの枠を与えられた中で、修士論文を書くことが多いです。

一方、博士課程の目的は、以下の通り。

研究者として自立して研究活動を行うに足る、又は高度の専門性が求められる社会の多様な方面で活躍し得る高度の研究能力とその基礎となる豊かな学識を養う

博士課程においては、前述の通り、自ら研究テーマを見出して独自の研究成果をあげていかなければなりません。

つまり、「自立して研究活動を進めていけるかどうか」が、修士と博士の違いだと言えます。

修士課程はストレートで(2年間で)修了するケースが多いものの、博士課程は3年を超えて在籍する人が多いことからも、その難易度の高さがうかがえます。(参考:博士号って何歳で取れる?大学院ストレート修了時の年齢【入学に制限はない】

博士号のすごさ…最高学歴の証

博士号は、言うまでもなく「最高学歴」です。

博士・修士・学士・高卒・中卒という段階がありますが、博士号の上はありません。

偏差値や大学名とは違う意味で、博士は「学歴が最も高い」のです。専攻分野に関わらず、高度な専門知識を有し、自立して論理的な研究をする能力があることを証明しています。

そんな「知のプロフェッショナル」と言える博士学生を求める声は、近年、日本企業でも増えてきています。また、海外では博士号を持っていることこそが高学歴の証であり、高度な人材として評価されるひとつの指標となっています。

博士は日本に何人いる?人数や割合

ところで、博士号を取得している人は、日本に何人いるのでしょうか?

その人数や割合からも、難易度や凄さを分析してみました。

博士号取得者は日本に51万人いる

文部科学省による「科学技術・学術政策研究所:科学技術指標2021」のデータを基にすると、日本で博士号を取得した人は約51万人います。

統計データには1981年度~2018年度までの博士号取得者数が記載されていました。

1980年代は毎年1万人未満でしたが、90年代の大学院重点化政策によって博士号取得者は増加。2000年代に入ると、年間1.6万~1.7万人になる年も見られるものの、現在は毎年1.5万人強で推移しています。

実際のところ、日本で博士号を取得した人の中には留学生も含まれており、修了後は日本を去っているかもしれません。また、博士号を取得した日本人が海外へ渡ることも考えられます。

そのため、「日本に51万人の博士がいる」というのは正確な表現ではありません。日本の大学院で博士号を取得した人数が、51万人であるということです。

日本の人口割合で0.4%しかいない

上記の通り、日本で博士号を取得した人は約51万人います。単純に、日本総人口の1.2億人で割ると、0.43%。

おおよそ240人に1人くらいの割合しか、博士号取得者はいないことになります。

博士号とは、高度な研究能力を持っていることの証明であり、社会的にも希少な価値があるということが見えてきます。

ちなみに世界に目を向けると、ドイツ・イギリスは毎年2万人以上の博士が生まれています。グローバルな視点で見ても、博士号取得者は外国人から一定の高い評価を得られることでしょう。

【まとめ】博士号は難易度が高く、0.4%の高度な人材!

今回の記事では、博士号の難易度とすごさ、その希少性について解説してきました。

要点をまとめると、以下の通り。

  • 博士号とは「自立して研究できる能力」の証明である
  • 学士、修士とは比較にならないほど難しいからこそ価値が高い
  • 日本で博士号を取得した人は、全人口の約0.4%

博士号を取得することは、一般的には「すごい」と思われることであり、高度な研究スキルを持つことの証明になります。博士号を取得することで自信と誇りを持てるようになった人も少なくありません。

また、近年、博士号取得者を求める声は強まっており、自分の研究能力を活かせる環境が増えてきています。

近年はアカデミアに残ってポスドクとして研究を続けるだけでなく、博士に期待を寄せる企業に就職する人も増加傾向にあります。先行き不安な情勢の日本において、「知のプロフェッショナル」である博士には、大きな期待が向けられています。

博士は就職できない/厳しいって本当?なぜ?正規雇用の割合&将来の展望

2023.02.08

博士課程に進学すると、「就職できない」「非正規雇用で不安定になる」といった声を聞くことがあるのではないでしょうか。

  • 博士が就職する割合とは?
  • 博士は就職できない、厳しい…その理由は?
  • 博士の今後の就活状況、展望は?

このような情報を、記事にまとめました。

結論から言うと、博士課程修了直後に就職できた人の割合は69.0%(正規雇用54.8%、非正規雇用14.2%)で、学部卒・修士了と比べて10ポイントほど低くなっています

大学教授や国研の研究員などのポストには限りがありますし、学位取得時に30歳手前になっているという年齢面や、専門スキルを活かす場所がないといった理由で、博士人材の採用に前向きでない企業があるのも事実。

しかし、近年、博士号取得者を求める声は強くなってきています。

博士限定の求人ではエントリーからたった1か月で内定が出るケースもあり、また、能力主義で採用する企業や先端技術を利用した事業に取り組む企業での採用が増えてきています。

この記事では、就職難と言われる博士の就職率の現状と背景、そして今後の展望について解説します。

博士の就職率が低いって本当?…正規雇用の割合

実際のところ、博士の就職率は本当に悪いのでしょうか?

文部科学省が公表している「令和元年度学校基本調査」によると、博士課程修了者に占める就職者の割合は非正規雇用を含めて69.0%です。

  • 正規雇用:54.8%
  • 非正規雇用:14.2%

一方で、就職率は上昇傾向にあり、令和2年度に過去最高を記録し、現在も同水準を維持しています

正規雇用の割合が低く、収入が不安定な「非正規雇用者」が多いように見えますが、この中には大学や研究機関の「ポスドク」も含まれており、将来的には正規ポストに就く可能性も十分にあります。

ちなみに主な就職先は、大学・公的研究機関・民間企業・官公庁・医療従事者(保健分野)となっていますが、近年は、博士号取得者が起業して大成功を収めるケースも目立っています。

学部卒・修士了と比較すると…

博士了の就職率を、学部卒・修士了と比較してみましょう。

まず、同じ大学院卒である修士課程修了者のデータを見ると、就職率は78.6%です。

  • 正規雇用:75.9%
  • 非正規雇用:2.7%

続いて、大学の学部卒ですが、就職率は78.0%となっています。

  • 正規雇用:75.3%
  • 非正規雇用:2.7%

博士卒の就職率69.0%と比較すると、10ポイント近い差があり、特に正規雇用の割合には大きな差があります。

このようなデータから、「博士は就職できない」と言われるのですが、なぜ博士課程修了者の就職率は低いのでしょうか?

博士は就職できない、厳しい…理由はなぜ?

博士課程修了者は「就職できない」「厳しい」「難しい」と言われることがあります。上記のデータを見ると、確かに学部卒・修士了よりも就職率は低いようです。

それではなぜ、「知のプロフェッショナル」と言える博士の就職率が低いのでしょうか?

理由・背景は大きく、3つありそうです。

  • 90年代以降、博士が急増した
  • アカデミアのポストが増えていない
  • 20代後半という年齢の壁

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

90年代以降、博士が急増した

1991年、当時の文部省は「10年間で大学院生を2倍に増やす」という目標を打ち出しました。いわゆる大学院重点化政策です。バブル崩壊のタイミングで、国の将来性を研究力に求め、研究者を増やそうとする狙いがありました。

実際に、全国の大学院で定員が拡充され、文部省の目標は達成されました。現在では毎年、約1万5000人の博士が生まれています。(1990年は6000人弱でした)

さて、この後の話に繋がりますが、博士の人数が増えたのはいいものの、受け入れ先は十分に整備されませんでした。そのため、「博士の就職難」という問題が出てきたのです。

アカデミアのポストが増えていない

博士の代表的な就職先と言えば、大学などの研究・教育機関です。

博士課程修了後もアカデミアの世界に残り、研究活動を続けたい人は多いのですが、大学の正規ポストは増えませんでした。ポスドクや任期付教員を繰り返し、なかなか正規ポストに就けない研究者が大量に発生する事態となりました。

平成30年度のデータでは、教員職に就いた博士の割合は25.0%。この中には、任期付きの助教や非常勤講師といった非正規雇用も含まれています。

27歳以上という年齢の壁

博士課程を修了する年齢は、基本的には27歳以上。

日本企業ではいまだに年功序列制度が残っていることも多く、「年齢は高いけれど新卒で、社会人経験がない」という博士の採用に消極的な意見があることも事実。

少し古いデータですが、2016年度の「民間企業の研究活動に関する調査」によると、2015年に博士を採用した民間企業は6.2%。

20代前半の学部卒や修士了を採用し、社内でキャリアを積んだ方が「使いやすい」という側面はあるのかもしれません…。

しかし、逆に言うと6.2%の企業は博士号取得者を採用しています。学部卒・修士了と比較すると、博士号取得者は絶対数が圧倒的に少ないため、「即戦力を求める企業には、低倍率で入れるチャンスがある」と言えるかもしれません。

博士の就職…展望は明るい?

近年、民間企業でも博士の採用を積極的に行うケースが増えています。いくつか、具体例を紹介します。

総合商社の三井物産は2015年に、博士課程の新卒者に限定した採用を行い、話題となりました。大々的な広報は行われていませんが、その後もコンスタントに博士学生を採用しているようです。

また、ITサービスのヤフーでは、新卒一括採用を廃止し、通年でのキャリア採用に移行。博士号取得者やポスドクも応募しやすい土壌が作られています。(参考:Yahoo!採用活動の現場から

野村ホールディングスでは、「野村パスポート」というユニークな採用制度を実施。博士学生限定の採用制度で、面接やワークショップなどによる選考の結果「野村パスポート」(≒内定)が発行されると、博士号が取得できるまで入社時期を先延ばしすることが可能となります。研究と就活を分離して考えることができる、画期的な採用手法です。(参考:野村パスポートとは

博士学生への特別なインターンシップを実施しているのはサイバーエージェント。博士課程に在学中の学生のみを対象とする、2ヶ月間の「リサーチインターンシップ」では、月額50万円もの高額報酬を貰いながら実際の業務にも携われます。(参考:インターネット産業が求める博士人材の即戦力としての可能性

製薬業界では、医学・薬学・生物学などバイオ系博士人材(ポスドク含む)のニーズが高まっています。化学メーカーなども含め、一部の企業が「博士早期選考」を実施し、エントリーからたった1か月で内定をもらうケースも増えています。(参考:早期選考アリ】博士課程の就活はいつから?スケジュールと事前準備

待遇面では、DMG森精機が2023年4月より新卒初任給を大幅に引き上げしました。特に博士課程卒は36万円から47万円へ約30%上がり、初任年収は682万5000円になる見込みで、高度な専門性を持った博士を積極的に採用したい方針がうかがえます。(参考:DMG森精機プレスリリース

全体の傾向としても、一部のベンチャー企業や先進的な企業において、年功序列制度を廃止する傾向が見られます。成果主義、実力主義の流れを「追い風」と捉えることで、博士の就職チャンスは広がることでしょう。また、起業して大成功を収める博士も増えています。

そもそも、海外企業では経営者が博士号取得者であることも珍しくありません。特に技術系の企業では多くの経営者が博士号を保持しています。グローバル化の中で、日本企業でも今後ますます博士号の価値が評価されていくことでしょう。

【まとめ】博士の就職状況は厳しい?チャンスは増えている!

今回の記事では、博士学生の就職率と、「厳しい」と言われる理由、そして将来の展望について解説しました。

就職率が69.0%というデータもありますが、近年は博士課程修了者に限定した採用が見られるなど、民間企業の姿勢に変化が見られます。博士了の初任給大幅引き上げや、採用環境の改善など、高度な専門性を持った博士への期待がうかがえます

ポスドクとして研究を続けるのも、研究者としてレベルアップする一つの手段ですが、収入面や雇用の安定性の面で不安な点があるのも事実です。

博士号取得者が即戦力として活躍できる企業は、少なくありません。なるべく幅広い業界、進路先に目を向け、自身のキャリアを長期的に考えることが重要です。

博士課程に向いている人/向いてない人とは?性格や能力の特徴5つ

2023.05.17

博士課程に進学するかどうか、悩む人は多いです。

「修士と博士では何が違うのだろうか…」「自分は博士課程でやっていけるだろうか…」そんな悩みを抱えてる人に向けて、博士課程に向いている人の特徴を紹介します。

  • 修士と博士の、根本的な違いとは?
  • 博士課程に向いている人の特徴とは?
  • どんな能力、どんな性格が適性を持つのか?

本格的な研究活動をしていくにあたって、当然ながら向き不向きはあるかもしれません。しかし、最も大切なのは「知的好奇心の有無」と言えるでしょう。

博士課程ではどんな人が向いているのか…本記事で一緒に考えていきましょう!

修士課程と博士課程の大きな違い

先輩博士学生の姿を見ている人は想像がつくと思いますが、そもそも、修士と博士には根本的な違いがあります。

まずは、文部科学省が修士・博士の目的をどのように定義しているか、見てみましょう。

修士課程は,幅広く深い学識の涵養を図り,研究能力又はこれに加えて高度の専門的な職業を担うための卓越した能力を培う課程である。具体的には,1.高度専門職業人の養成,2.知識基盤社会を多様に支える高度で知的な素養のある人材の養成を行う課程,あるいは,3.研究者等の養成の一段階として,高度な学習需要への対応等社会のニーズに的確に対応することが求められる。

博士課程は,研究者として自立して研究活動を行うに足る,又は高度の専門性が求められる社会の多様な方面で活躍し得る高度の研究能力とその基礎となる豊かな学識を養う課程である。具体的には,創造性豊かな優れた研究・開発能力を持ち,産業界や行政など多様な研究・教育機関の中核を担う研究者や,確かな教育能力と研究能力を兼ね備えた大学教員の養成を行う課程として明確な役割を担うことが求められる。

(文部科学省:博士,修士,専門職学位課程の目的・役割の焦点化より)

上記の説明では、根本的な違いは分かりにくいかもしれません。あえて一言で表現するなら、「勉強か、研究か」ということになるでしょうか。

修士課程では、講義を受けて単位を取る「受動的な勉強」も大きなウエイトを占めます。修士論文でも一定のクオリティを求められるものの、あくまでもチームの一員としての研究であることが多く、研究の基礎を「勉強」している段階であると言えそうです。

一方、博士課程では「受動的な勉強」よりも、「能動的な研究」を進めていくことになります。一人前の研究者として扱われるため、自分自身で研究プロジェクトを立ち上げ、質の高い博士論文を作り上げることが求められます。

また、先ほどの文科省の定義によると、将来的には「中核的な研究者や大学教員」など、社会の中で明確な役割を担うことが求められています。

博士課程で最も重要なのは「知的好奇心」

博士に「向いてる・向いてない」を考える際に、最も重要なポイントは「知的好奇心」です。

博士課程では、自ら疑問を持ち、仮説を立て、実験・情報収集をして、分析、検証を繰り返すことになります。このような研究活動のすべての過程において、知的好奇心はマストになるでしょう。

さらに、近年ではひとつの専門領域を深掘りするだけではなく、近接する領域やトランスファラブルスキルズ等専門力以外の知識・能力も重視されています。この観点においても、強い「知的好奇心」が重要となります。

逆に言うと、知的好奇心がない人は、博士課程には向いていないのかもしれません。

博士課程に向いている人の特徴5つ(性格/能力)

知的好奇心をベースとしながらも、博士課程に向いている人の特徴をあえて挙げるならば、以下5つがあるかもしれません。

  1. 主体性がある
  2. 前向きさ、粘り強さがある
  3. 論理的思考力がある
  4. 時間管理能力がある
  5. 基礎体力がある

5つの点について解説していきますが、実は、修士学生ならだれでもある程度、これらの素養は持っているのではないでしょうか?

博士課程は、「これら5つの素養(スキル)を伸ばしていく場である」とも言えます。

主体性がある

修士と博士の違いでも触れた通り、博士課程では「一人前の研究者」として扱われます。一応学生の身分ではあるものの、研究の目的・ゴールを自分で決め、新規性のある研究成果をあげることが求められるため、主体的に動けるかどうかが重要です。

指導教員の指示の範囲内で受動的に取り組むのは修士学生までです。博士は研究のスタートからゴールまで、自ら能動的に研究計画をデザインしなければなりません

博士課程での「研究」は、他人が用意した問題に対して正しく回答するのではなく、自分が用意した課題に対して自分なりの回答を見つけ出す作業となります。これが難しくもあり、楽しい部分かもしれませんね。

博士にとって、主体性は必須の資質と言えるでしょう。

前向きさ、タフさ、粘り強さがある

研究においては、うまくいくことばかりではありません。むしろ、うまく研究が進まずに悩む人が多いのが実情。よい実験結果が出なかったり、プレゼンで失敗をしたり、論文がリジェクトされたり…。

うまくいかないことに対して、落ち込んでくじけてしまうのか、次のアイデアを試そうと前を向くことができるか…博士には精神的なタフさが求められます

タフさとは、ただ単に我慢強いとか諦めないという根性論ではありません。先行き不透明な研究遂行に対して「粘り強い向き合い方」をして、解決法を試行錯誤できる人が、博士課程に向いてると言えるでしょう。

論理的思考力がある

論文作成やプレゼンテーションにおいては、論理的な飛躍や矛盾のない組み立てが重要です。興味深い実験データが出たとしても、それを客観的に、科学的に扱わなければ質の高い研究と認められません。

もちろん、博士課程で試行錯誤するうちに論理的思考力は自然に鍛えられますが、もともと緻密で論理的な考え方が得意な人は、博士進学に向いていると言えそうです。

時間管理能力がある

博士学生は多くのタスクを同時に抱えており、時間管理能力も重要です。

「博士課程は忙しい…大学院生は時間がない【社会人より大変?】」という記事に書いていますが、平均で「一日10時間以上研究している」というデータもあります。

時間をなるべく有効活用することで、締め切りに追われることなく、充実した研究生活を送ることができます。

基礎体力がある

最後に、博士課程においては基礎体力も必要です。地味な資質に思われますが、実際のところ、非常に重要な要素となるでしょう。

博士課程では自分の研究活動以外にも、あらゆる仕事を任されるようになります。

忙しくて困難も多い博士課程を修了するためには、精神的にも肉体的にも健康で、ストレスや疲れを乗り越えられる基礎体力が求められます。「身体は資本」というわけですね!

自分はもしかして博士に向いてない…?と感じる人へ

博士課程においてマストなのは「知的好奇心」だと述べました。

また、向いている人の特徴を5つ挙げました。これらの特徴を見て「自分は博士課程に向いてないかも…?」と思った人がいるかもしれません。

しかし、ここまでの記事内容をひっくり返すようですが、実際のところ、博士に「向いてる・向いてない」という議論は、あまり意味を持ちません!

博士課程といえど、あくまでも「教育課程」です。主体性が重要とはいえ、やはり指導者に様々な点で教えられ、自分が成長していく環境であることには違いありません。

先ほどの5つの資質は、博士課程でもまれる中で身につけていくことができます。研究に真摯に取り組んでいるうちに、あらゆる面で経験値が高まり、自分が強く成長していくのを感じるはずです。

ベースとなる知的好奇心がある人や、博士になってみたいという志がある人は、博士課程を経験することで、研究者としても人間としても、大きく成長できることでしょう。

【まとめ】博士課程では知的好奇心があれば大きく成長できる!

今回の記事では、修士と博士の違いと、博士課程に向いている人の特徴について解説してきました。

要点をまとめると、以下の通りです。

  • 修士課程は受動的な勉強+研究の基礎
  • 博士課程では一人前の研究者として扱われる
  • 知的好奇心が研究活動のベースになる
  • 博士課程では人間的にもスキル的にも、大きく成長できる

学部・修士では勉強することがメインでしたが、博士課程では研究中心の生活となります。

うまくいかないことも多い研究活動ですが、知的好奇心を持って、前向きに試行錯誤していけると強いです。逆に、博士課程で研究を続けることで、今回ピックアップした5つの要素が「飛躍的に成長する」と言うこともできます!

博士課程に対して不安を持っている人にとって、わずかでも参考になっていれば幸いです。

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